VINのらんどくダイアリー

ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。

PVアクセスランキング にほんブログ村

昨夜の晩ごはんは北から南の海鮮づくし。

 

羽田魚市場


毛ガニとワカサギの醤油づけ、はまぐりの酒蒸し、そして沖縄モズク。

 

次男が送ってくれた羽田魚市場直送の海産物。

 

「カンブリア宮殿」で観ておいしそうだから送ってくれたという。

 

「カンブリア宮殿」観てくれてありがとう

おいしかった!


毛ガニといえば北海道の思い出。

今まで何度も北海道には行っていますが、いちばん最初に行ったのは学生時代。

バックパックを背負って同好会の仲間5人で2週間ほどかけて巡った学生時代の旅。

ユースホステルをはしごした貧乏旅行。

夜にはペアレントのギター伴奏で流行りたての〈知床旅情〉をみんなで唱和したり・・・。

その頃の北海道といえば、今では考えられないほど素朴だったところ。

信じられないほどの列車での長旅。

道端でおばあさんが茹でた毛ガニを売っていて・・・貧乏学生にも買えた値段。

新聞紙に包んで近くの道端で食べた思い出があります。

それがはじめての毛ガニ、おいしかった(^^♪

もっともその頃は何でもおいしかった・・・。

思えば遠くに来たもんだ・・・今の立ち位置のお話。

半世紀以上前の思い出です。

 

 



とにかくとにかく

さて本日は
津村記久子氏著『とにかくうちに帰ります』 



うちに帰りたい。切ないぐらいに、恋をするように、うちに帰りたい――。職場のおじさんに文房具を返してもらえない時。微妙な成績のフィギュアスケート選手を応援する時。そして、豪雨で交通手段を失った日、長い長い橋をわたって家に向かう時。それぞれの瞬間がはらむ悲哀と矜持、小さなぶつかり合いと結びつきを丹念に綴って、働き・悩み・歩き続ける人の共感を呼びさます六篇(「BOOK」データベースより)

 

著者について

1978年大阪市生まれ

2005年マンイーター』(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で太宰治賞

2008年『カソウスキの行方』で第138回芥川賞候補

2008年『婚礼、葬礼、その他』で第139回芥川賞候補

2008年ミュージック・ブレス・ユー!!で野間文芸新人賞

2009年ポトスライムの舟140回芥川賞

 

2011年ワーカーズ・ダイジェストで織田作之助賞受賞

 

2013年『給水塔と亀』で第39回川端康成賞

 

2016年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞

 

2017年『浮遊霊ブラジル』で第27回紫式部賞

 

2017年『アレグリアとは仕事はできない』で第13回酒飲み書店員大賞受賞


著者とサラリーマン生活は切り離せないので、そこのところを少し・・・。


2000年新卒で入社した会社で上司からパワハラを受け、10か月で退社後、2001年に転職。


大学在学中から小説を書いていた著者は、
2005年に『マンイーター』で太宰治賞や2009年に『ポトスライムの舟』で芥川賞を受賞したあとも兼業作家として小説を執筆していましたが、2012年についに10年半勤めていた会社を退職、専業作家になりました。


それ以前もそこからの活躍ぶりもご存じのとおり。


著者が力を発揮するのは何といっても
10年半の会社員生活を舞台にしたもの。


本書もそんなオフィスでの小さな小さな出来事を著者特有の目線で救い上げたような作品。


会社員を経験した人なら思い当たること満載の細かいまでの人物描写、心理描写が出てきて完璧に津村ワールドに嵌ってしまうこと請け合い。


マニアックな可笑しさをそこはかとなく醸し出す描写力の鋭さに脱帽。


津村作品を未読の方はこの独特のワールドをお楽しみください。


サラリーマン現役の方も元サラリーマンの方も、きっとツボに嵌りますよ。

2018年にノーベル医学・生理学賞受賞された本庶佑氏による新型ウイルスのワクチン開発についての記事。


この新型ウイルスは二重らせん構造のDNAウイルスとちがって一重らせんの
RNAウイルスで変異しやすいという。


現在解析してわかっているものだけでも武漢型とイタリア型が混在。


7月半ばに開かれた
参議院予算委員会参考人として登場された東京大学先端科学技術研究センター名誉教授の児玉龍彦氏がその時点で深刻な事態を迎えつつある東京のエピセンター化(震源地化)についての注意喚起のなかで、武漢型とイタリア型に次いで東京・埼玉型の発生の可能性に言及していらっしゃいました。


こういったことを踏まえて、いま世界中でしのぎを削っているワクチン開発に問題を提起されている本庶氏。


「中国で発生して以来、世界各地に広がっていく過程で変異を繰り返し、
5月末ですでに数百の変異があるという報告があります。ワクチンが完成しても、開発当初とは異なる遺伝子のウイルスが蔓延しているかもしれない。そうなると、一部のウイルスにしか効かないことも十分にあり得ます」


特効薬も未だ開発されていない中、
ワクチン開発に一縷の望みを抱いている私たちとしてはどうしたらいいのやら?


DNAウイルスとRNAウイルスの違いなど、普通に生活しているだけでは増えない知識ばかりがどんどん積み上がって・・・何だか途方に暮れてしまいます。

 


さて、今回はちょっと軽めのアドベンチャーワールドへ。


主人公は
65歳オーバーというアメリカの果敢なおばちゃま。


勇気が出る作品です
(^^♪

 

おばちゃま
ドロシー・ギルマン氏著
柳沢由実子氏訳『おばちゃまは飛び入りスパイ』 

ミセス・ポリファックスは、自分の住む市のガーデン・クラブの役員で、病院でボランティアをする、要するにどこにでもいるアメリカのおばちゃまだ。それがある日、突然思いたってアメリカ情報組織の本拠、CIAに乗り入んで「わたしをスパイにしてください」「そんなばかな、ご冗談を」ところが、どういうわけか彼女の夢はほんものになってしまったのだ。元気印のポリファックスがさっ爽世界に登場(「BOOK」データベースより)

 

夫を亡くし2人の子どもたちも結婚し、ボランティアなどの優雅な独り暮らしにも飽き、これから先の生きる指針を見失ってうつ状態に陥ったMrs.ポリファックス

 

ある日思い立ってスパイ候補としてCIAに面接に乗り込んだおばちゃま。

 

1966年に始まったこの「おばちゃまはスパイ」シリーズは2000年までに14巻刊行するという人気シリーズとなり、2010年にはアメリカ探偵作家クラブ巨匠賞を受賞していらっしゃいます。

 

本書はシリーズの記念すべき第一巻。

 

 

ダメモトで応募したCIAのスパイに任命されたMrs.ポリファックスは初の任務地メキシコシティーに旅立ちます。

 

「未知のことに賭ける、それが人生」

 

今から30年以上前に書かれた本書。

 

当然世界情勢も今とはかなりかけ離れた感はあるものの、時代を超えたおもしろさ満載。

 

内容的には奇想天外、ありえないストーリー運びなのにハラハラワクワクが止まらない。

 

なんといってもMrs.ポリファックスのキャラが際立ったカッコよくもハートフルな物語。

 

どんなに年を重ねても好奇心を喪わず、そしてユーモアに富んでいてチャーミング・・・そんな人にわたしもなりたい(^^)

4月の半ばに生まれた次男の第一子。

 

会えないまま3か月になりました。

 

当初は岡山に帰省して〈お食い初め〉の儀式をするという次男夫婦の計画もコロナ禍のなか中止とせざるを得ない状況となり、東京の自宅で同じ都内に住む娘(次男の姉)を招いてひっそりとやったようです。

 

今はいろんな媒体を通して写真や動画が送られてくるので離れていても臨場感を味わうことができて嬉しい(^^♪

 
チビ二世を膝の上に抱っこした次男が儀式に則ってお赤飯やお吸い物、鯛、歯固めの石などをチビ二世の口に運ぶ動画を観て・・・言い知れぬ感動を覚えてしまいました。

 

姉や兄と一回り離れて生まれた次男。

 

まるで家にチチハハが4人いるような環境のなか、大いなるワンパクに育った次男が父親になる日が来るとは!

 

保育園から高校まで母として先生に頭を下げ続けた学校生活。

悪しざまに子を叱りたる夢さめて真夜の厨で水を飲むなり


お蔭でもともと学校嫌いだったわたしは大がつくほど学校嫌いになりました(-.-)

次男の高校卒業でもう学校に行かなくていいと思うとその解放感に心の内でバンザイしたほど。

ヤンチャ逸話が多すぎてわたしの友人たちも「あのTちゃんが!」で通っているほど。

 

いま考えるとどれも大したことなかったな、とは思えているのですが・・・。

いやはや感無量です。

 

 

 

 

ふたりぐらし
さて本日は
桜木柴乃氏著『ふたりぐらし』をご紹介したいと思います。 

 

元映写技師の夫、信好。母親との確執を解消できないままの妻、紗弓。一緒にくらすと決めたあの日から、少しずつ幸せに近づいていく。そう信じながら、ふたりは夫婦になった。ささやかな喜びも、小さな嘘も、嫉妬も、沈黙も、疑心も、愛も、死も。ふたりにはすべて、必要なことだった―。イッキ読み、厳禁!1日1編で10日間。ふたりが、夫婦が、「幸福論」へと辿りつく姿を、じっくりご堪能ください(「BOOK」データベースより)

 


桜木作品はほとんど網羅してきましたが、本書は桜木作品にしては珍しい落ち着いたしっとり感のあるいい作品でした。

 

 

40歳で映画脚本家の夢を追う映写技師・信好と35歳の看護師紗弓。

 

この2人の慎ましくささやかな生活ぶりや2人を取り巻く親子関係を中心に描かれた10の連作短篇集となっています

 

まるで昭和中期の時代の家庭風景のよう。

 

映写技師という時代遅れとなった職業を手放せないまま収入のほとんどない信好を、病院を掛け持ちしながら経済的に支える看護師の妻・紗弓。

 

ヒモ的存在であることに居心地の悪さを常に感じながら暮らしている信好を包み込むようにしている紗弓。

 

そんな2人に危うさを感じてしまう紗弓の母親との齟齬。

 


本書は信好と紗弓の目線を通して交互に物語が編まれています。

 

ドラマチックな変化もない日々を過ごす2人の生活でも、突然の信好の母親の死や紗弓の母親との確執、娘と母親の間に入って弾力のあるるクッションのような役割を果たしている紗弓の父親との交流など、それなりの変化を2人の細かな心理描写を通して描いていて秀逸。

 


著者の文章を読んでいていつも感じること・・・

 

掴んでひかりにかざしてみれば、さまざまな色に輝きを放つ言葉が散らばっていて・・・それをオーバーな心理描写と受け取る読者もいるかもしれませんが、わたしは言葉の色使いがしみじみ上手い作家さんだなぁと思います。

 

ここでは滋味のある人間性にあふれた紗弓の父親の造形がすばらしいな、と感服。

 

 

高齢の男性という設定のなか、こんなニクイセリフ、よく考えたなぁとちょっと斜め角度からの感想でした。

月と木星

月と木星(月の右上が木星)


どんどん感染が広がっている現状。

 

毎朝TVで棒グラフを見るのにも慣れっこになりました。

 

政府や自治体の対応などに言いたいことは山のようにありますが、それは置いておいて・・・

慣れるものですね~。

 

東京の罹患者の数など、ある程度の数字を超えたら、300人が400人になっても脳が想定内になったのか驚きが少なくなって・・・

 

阪神大震災のとき、早朝慌てて避難したマンション近くの広場で、集まってきた周辺の方の持ち込んだラジオから流れてくる死者と怪我人の数。

 

最初、死者数が十数人というアナウンサーの声にどよめきが起きていましたが、時間経過とともにどんどん死者数が増えていって・・・そのうち呆然自失というか、、マヒしてしまった。

 

岡山市も毎日罹患者が数人ずつ増えて、知事も警戒感を募らせていますが、先ごろの緊急事態宣言のときのように、社会活動all stopとはならず、各々気をつけながらどうぞ、という状態。

 

卓球も歌会もスタートしていますが、今後どうすればいいのか?

 

最大限防備しているつもりですが、悩むところです。

 

 

 

 

買い物の9割
さて今回は
岸本葉子氏著『買い物の9割は失敗です』のご紹介です。

 

わかるわかる!がここにある。失敗しても得しても、やっぱり楽しいやめられない。「百パーセント満足」を求め続けるスリリングなお買い物エッセイ(「BOOK」データベースより)

 

コロナ禍の中、盛況になっているのがネットショッピング。

 

宅配業者さんたちの目まぐるしいほどの活躍ぶりには頭が下がります。

 

ピンポンを鳴らして、ドアを開けられたとたん殺菌スプレーを吹きかけられたり、依頼していたにもかかわらず、ダンボール箱を触るのもいやがる依頼主などの話がネット上で話題になっていますが、業者さんの立場になれば気の毒としかいいようがない( ;∀;)

 

わたし自身はコロナ禍の前からネットでのお買い物の常連なので、業者の方とは顔見知り・・・いつも感謝しています。

 

 

さて本書・・・著者のネットショッピングあるあるてんこ盛り。

 

「百パーセント満足」を求め続けるスリリングなお買い物エッセイ

 

喉元すぎれば熱さを忘れる。

だから今日も懲りずにポチっとね。

 

内容はネットで購入した29の品物についての検証・・・あとがきに○△×評価が記載されています。

 

「買おうかどうか」シリーズ第4弾。

 

聡明、慎重というわたしの著者への勝手なイメージを覆すおもしろさ!

 

ルンバ、ロールスクリーン、食洗器、シルクのパジャマ、ヨガマット、ゴムパッキン、アイブロウ、老眼鏡、脚立・・・ランダムにピックアップすればこんな感じ。

 

 

できるだけ安く、そして送料無料がmustの条件というところは著者に共感大。

 

価格.comを利用して検索したり口コミに左右されたり・・・

 

口コミもやらせが多数だといえば、そうかもね、とも思う。

 

ルンバといえば、我が家の拭き掃除ロボ・ブラーバちゃん。

 

安く買ったつもりが、その1ヶ月後に友人が別のサイトでわたしより1万円も安く買ったときの悔しかったこと。

 

しかもブラーバのとんちんかんな動きにイライラが募ってついついモップで掃除。

 

そのブラーバのタイヤゴムが早くも摩耗してダメになった先日。

 

えっ、あまり使ってないのにもう???

 

って感じで検索するとタイヤゴム二対で正規で買うと2000円!

 

これはないな、とメルカリに移動したところ純正ではなくても使えるゴム二対で500円というのを見つけました。

 

装着の仕方など検索して購入、早速接着剤で装着してGo。

 

スムーズに作動してくれたときは嬉しかった

 

お買い物に関しては通販のみならず、実際商品を手に取って確かめてさえ、帰宅してすぐに後悔したりの連続・・・この歳になっても(-.-)

 

文才さえあれば、「お買い物失敗」シリーズが軽く10弾ほど書けるかも。

 

本書レビューが横道に逸れてしまいましたが、お買い物というのは買うまでのワクワク感を楽しんだり、買ったという達成感を味わって満足するものだとつくづく言い聞かせています。

 

著者の失敗談、かなりおもしろいので手に取って読んでみてください。

週一で朝日新聞に掲載されている徳永進医師のエッセー「野の花あったか話」。

 

終末医療に携わっておられる氏の患者さんとの交流のこぼれ話には毎回胸を打たれます。

 

今週は嚥下困難になられ命の終息に向かう患者さんたちが好む食べ物、またはどんな食べ物が適切かというお話。

 

病棟を中心に夏季限定調査をしたところ、1位モモ、2位スイカ、3位メロンだったそう。

 


エッセイを見て思い出したこと・・・。

 

最後まで自宅で過ごし、多くの介護の方々や訪問看護師さん、医師の方に支えられて終末期に入った母の元に通っていたとき。

 

亡くなる2週間ほど前から医師の指示による点滴も終え徐々に徐々に命の火が消えていった母。

 

それでも水分を取らせることに最後まで拘っていたわたしはポカリなどを無理やりに口に含ませたり、少しでも水分を吸収できるように加湿器を全開にしたりしていました。

 

ほぼ意識が薄らいできた1か月ほど前、最後に固形物として口に入れて食べさせたのがメロン。

 

たったスプーンで一口だったけど狂気乱舞という感じで嬉しかったことを思い出します。

 

母の死への道は医師に言わせれば理想的といえる状態だったなぁと今は思えますが、その理想的な終末を確保するまでの道のりの長かったこと。

 

寝たきりになってからの5年ほど、どれだけ精神的に苦しかったかと想像すると今でも胸が苦しくなります。

 

なるべく思い出さないでおこう、と思っているのに「野の花・・・」見たばかりに思い出してしまいました。

犬田で犬田で

一本道のかたえにイヌタデふりむけばわれを見送る母がいた夏

 


さあ、頭から取り払ってピアノでも練習するかな。

 

いつまでたっても上達しない独学ピアノ・・・

 

せめて楽譜の記号とか譜読みができるように月一で「譜読み」に特化した教室に通っています、今更ながら( ;∀;)

 

 


夜明けのフロスト
さて今日は
R・D・ウィングフィールド氏著『夜明けのフロスト』 

平穏無事で和やかなクリスマスであってほしいと願うフロストだったが、期待はむなしく裏切られた。早朝、商店の戸口に赤ん坊が捨てられていて、その着衣には血痕が付着していた。少女失踪事件も発生し、また一方で、百貨店の事務所の金庫が荒らされ大金が盗難に遭っていた。署内はてんやわんやの大騒ぎ。しぶしぶながらフロストが捜査に乗り出し…(表題作)。『ジャーロ』収録作品のなかから7編を厳選した傑作クリスマス・アンソロジー

『ジャーロ』傑作短編アンソロジー第3弾

今回は7名の作家によるクリスマスにちなんだ短篇集。

クリスマスが舞台なのに梅雨明けに読むのはどう???という感じですが、そろそろ読む物が枯渇してきて・・・。

エドワード・D・ホック『クリスマスツリー殺人事件』

引退後のレオポルド元警部が主人公。

暇を持て余すレオポルドに、後輩のフレッチャー警部迷宮入りした殺人事件を調べるよう依頼30年前の事件周辺の人々に聞き込みをし捜査をスタート。
結末はちょっと貧弱、短篇にありがちな〆を急ぎすぎた感あり・・・仕方ないか。★2つ。


ナンシー・ピカード『Dr.カウチ大統領を救う』

獣医のフランクリン・カウチ孫娘フランキーへの自分昔語り。

第二次大戦を終えた1945年のクリスマスの夜若きDr.カウチが寒さのなかミズーリー州のインディペンデンス市の街のなかで散歩中にトルーマン大統領に偶然出逢うというストーリー。
ミステリーとしては期待できないものの、老いたフランクリンと孫娘フランキーの交互の情愛にほのぼのとしたあったかさを感じる物語。★4つ


ダグ・アリン『あの子は誰なの?』

わたしにとって未知の作家さんですが、物語の運びが秀逸。

主人公ブルース・ドラモンド警部補の造形も魅力的。★4つ。


レジナルド・ヒル『お宝の猿』

神経質で心配性のピーター・バスコー主任警部と楽天家のダルジーズ警視の掛け合いが面白く、第一次大戦時のドイツ軍とイギリス軍とのクリスマスの夜の逸話を絡めた内容も秀逸。★4つ。


マーシャ・マラー&ビル・プロンジーニ『わかちあう季節』 

夫ビル・プロンジーニとマーシャ・マラーとの夫婦合作短編。

マラーの描くマコーンとプロンジーニのウルフという探偵が活躍する物語。★2つ。


ピーター・ラブゼイ『殺しのくちづけ』

著者おなじみの主人公
ダイヤモンド警視夫妻がクリスマスを共に過ごすためにダイアモンド夫人の姉のエリーをブルックリンに訪ねたときの物語。★2つ。


R・D・ウィングフィールド『夜明けのフロスト』

ィングフィールド著の「フロスト」シリーズは全部読んでいますが、本書は『クリスマスのフロスト』を短篇用にまとめたような作品。

ファンにはおなじみの下品極まりないジョーク連発のフロスト警部は相変わらず健在。

クリスマスの早朝、デントン署に顔を出したフロストを待ち構えていたようにさまざまな事件が発生するのもいつものこと。

相変わらずのドタバタ劇をうまく短篇用にまとめた巧みさに★4つ。


訳者・芹沢恵も相変わらずの名訳。

長男作成の大量のCDが夫宛てに送られてきました。

 

賢吾 CD

先ごろわたしが頼んで作ってもらった世界の著名なピアニストによる〈ラ・カンパネラ〉のCDをみた夫が羨ましがって、長男に頼んでいたもの。

 

在宅中はずっとCDを流し続けている大の音楽好きの夫。

 

持っているレコードやCDジャケットの数も半端ないのですが、一枚のうちには夫的に★5つのもあれば★1つのもあるという。

 

できれば★5つのものを集めて聴きたいという欲の深さ。

 

ということで事前に夫がピックアップして送ったリストに合わせて長男が作成してくれたのがこれ。

 

80分CDが全部で18枚!@@!

 

クラシックありジャズありラテンありポップスありオペラあり民族音楽あり・・・要するに洋楽なんでもありのてんこ盛り。

 

結婚以来耳たこ状態で聴かされていた曲ばかり。

 

子どもたちも然り。

 

長男は編集しながら、聴きながら成長した折々を思い出して懐かしかったようです。

 

夫が大喜びしたのはいうまでもありません。

 

 

アタラクシア
さて本日は
金原ひとみ氏著『アタラクシア』 のご紹介です。 

擦り切れた愛。暴力の気配。果てのない仕事。そして、新たな恋。ままならない結婚生活に救いを求めてもがく男と女―。芥川賞から15年。危険で圧倒的な金原ひとみの最新長編(「BOOK」データベースより)

著者について・・・

1983年東京生まれ

2003年『蛇にピアス』で第27回すばる文学賞130回芥川賞受賞

2010年『TRIP TRAP』で第27回織田作之助賞受賞

2012年パリへ移住

2012年『マザーズ』で第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞

2018年帰国


2020年『アタラクシア』で第5回渡辺淳一文学賞受賞

 

『蛇にピアス』というセンセーショナルなタイトル及び内容で、綿矢りさの『蹴りたい背中』とともに第130回芥川賞同時受賞されたことでも有名・・・ともに20歳という若さ

ちなみに著者の父親は翻訳家・児童文学研究家・法政大学社会学部教授である金原瑞人氏。


岡山市出身です。


さて本書について・・・


タイトルの「アタラクシア」・・・聞きなれない単語なので調べてみました。


三省堂の大辞林によれば、古代ギリシャの哲学者エピクロスの統べる学派が幸福の必須条件として主張したもので、「幸福は快楽になるが、外的なものにとらわれず欲望を否定した内的な平静こそが最大の快楽である」というもの。


「他のものに乱されない平静な心の状態」だそうです。



本書の主な登場人物は
6名。                                 


由衣・・・元モデルで一時パリに住んでいたとき瑛人と知り合う。


瑛人・・・パリで修行ののち、東京で友人とともにフランス料理店を経営。由衣と不倫中。


英美・・・瑛人の店で働くパティシエ。そりが合わない母親、浮気性の夫、暴力的な息子と暮らし、心に爆弾を抱えている。


桂・・・由衣の夫。盗作疑惑が流れて以来、スランプに陥って書けなくなった作家。由衣に変質的に執着している。


真奈美・・・由衣の友人の編集者。アルコール依存症である作曲家の夫のDVに怯えながらストレスを浮気で晴らしている一児の母親。


枝里・・・由衣の妹で援助交際中。


6人が6人とも内面に歪なものを抱え息苦しくなるような閉塞的な日常を営んでいるという設定。


誰もがアタラクシアを求めて人間関係を構築しようとしていながら、流れは逆行していくというもの。


外見的には平穏を保っているかに見える人々の内面の歪みをこれでもかと炙り出す著者の手法には舌を巻いてしまう。


一歩踏み外せば奈落に落ちそうな危ういほど細い糸の上を微妙なバランスを取りながら生きている様子の描き方が上手い作家さんです。


登場人物のだれの生き方にも共感できない、けれどその危うさから目を離せない・・・そんな作品でした。


ラストに至るまでも危うい不均衡に収まりがつかないという感じを受けるのに、著者はそれでも飽き足らないのか、最終章で更に驚きの展開を用意しています。

 

「私も結婚して15年くらい。一緒にいればいるほどわかりあえなさが見えてくる。わからないのだとあきらめてしまえば、スムーズにまわっていく。

かといって、すごく共鳴する人との関係は互いに背負いすぎてつぶれがち・・・

最近はぶつかり合いや摩擦が随分減ったなあと感じます」

 

朝日新聞2019年6月12日版に上記の一文を掲載した著者。

 

自らの結婚生活に言及していらっしゃいます。

 

余談ですが、わたしの平平凡凡な結婚生活はこんな感じ。

あまたなる妥協・諦念・忖度を積みて共棲む歳月のあり

 

興味ある方はどうぞ。

↑このページのトップヘ