半年ほど前から運動不足解消を目的に週1で卓球をしています。
メンバーは7名ですが用事で欠席の人もいて全員が集まるのはなかなか。
当初はペンホールダーでやっていましたが、ほとんどの方がシェークハンドなので、1ヶ月ほど前から変えたシェークにやっと慣れてきました。
私がいちばん下手なので組んだ相手の方には迷惑の掛けどおしですが、少し前から参加されたAさんの巧みな誘導でラリーが少しだけ続くようになりました。
私より少し年長のAさんは卓球の腕前がすごい上、頼りになるお姉さまという感じでへたっぴぃの私を最大限に褒めてくださるのでやる気も出るというもの、身をもって体験しています。
「褒めて育てる」ことが人育ての真髄であるのはわかっていながら肝心の子育てに活用もせず、というより正反対なことをしてあえて不出来な人間を作ったような人育ての下手な私です。
この年で後悔しても先に立たずですが、せめて罪滅ぼしに孫に適用しようと褒めまくっています。
昨日は縄跳び10回連続跳達成、今日は自転車にひとりで乗れるようになったよという報告電話に「すごいね~!」を連発したところ、初めのうちは「SS(夫のこと)もすごいって言ってた?」と満足気にうなずいていたものの最後には「そんなにすごくないよ。 幼稚園ではみんなあすかよりもっと跳べるし、自転車も乗れるんだよ」との答。
さすが5歳児でも自分の立ち位置と褒め言葉のアンバランスに気づいたようです。
1回跳ぶのもやっとだったのを知っている私としては「すごい!!」という形容がぴったりだったのですが。
それにしてもあーちゃんママもパパも体育は5というのが取柄だったというのにどうしたことか。
もしかして隔世遺伝?
のっぽを利用して将来はバレーボールの選手かなと夫が馳せた夢ももうこの段階で儚く消えかかっています。
残るは本人の「ママみたくお化粧する人になりたい」という夢の延長でナオミ・キャンベルあたりを狙うのもいいかも。
夢だからいくら大きくても文句はいわせません。
さて本日は佐々木譲氏著『笑う警官』をご紹介します。
横山秀夫氏以来久しぶりに引き込まれた警察小説。
1979年デビュー作『鉄騎兵、跳んだ』でオール讀物新人賞
1989年『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞&日本冒険小説協会大賞&山本周五郎賞
1994年『ストックホルムの密使』で日本冒険小説協会大賞
2002年『武揚伝』で新田次郎賞
2008年『警官の血』で「このミステリーがすごい!」第1位
2010年『廃墟に乞う』で第142回直木賞
本書『笑う警官』は北海道警察を舞台の「道警シリーズ」の記念すべき第1弾『うたう警官』を映画化と文庫化に際し改題したものです。
「道警シリーズ」にはほかに
『警察庁から来た男』、『警官の紋章』、『巡査の休日』があります。
道警シリーズの第一弾『うたう警官』が世に出たのは、12年ほど前角川書店で編集者をしていた角川春樹氏によって『マルティン・ベックシリーズ』のような警察小説を書くよう勧められたのを受けて道警に取材を始めた時期にちょうど北海道警察内で現職の警部による覚醒剤の密売や拳銃のやらせ摘発、道警の裏金づくりという一大スキャンダルが発覚したことがきっかけだったそうです。
著者の警察小説の大きな特徴は「警察官VS犯罪者」という従来の構図を越えて、「警察官VS警察組織」の闘いに着眼している点にあり、犯罪者または犯罪者組織の闇以上に複雑かつ手ごわい警察内部の闇を描いているところに私たち読者が惹きつけられる真骨頂があるのではないでしょうか。
横道にそれてしまいましたが、本書のあらすじを簡単に記します。
ある場所で女性の変死体が発見され、北海道警察本部生活安全部の巡査と判明したところから事件がスタート。
容疑者は交際相手の津久井巡査部長と特定され、道警本部の指示で津久井に対する異例の射殺命令が出るにいたって、この決定に違和感を覚えたかつてのおとり捜査で生死を共にした佐伯警部補が相方の津久井の潔白を証明するために信頼できる有志たちとともに秘密裏に捜査をする一晩の物語。
「24 -TWENTY FOUR-」の緊迫した日本版というところ。
道警の汚職を告発するために北海道議会が開く「百条委員会」に翌朝証人として召喚されていることを津久井本人から聞いた佐伯は翌朝までのタイムリミットで津久井を無事に百条委員会に届けるため道警組織の堅牢な闇を相手に立ち向かっていく過程は息詰まるほどの臨場感がありました。
最後に本書の改題について
もとは『うたう警官』で刊行されたハードカバーですが、文庫化とを機に『笑う警官』に改題したのは前述の通り。
警官が「うたう」というのは「組織の内部を告発する」という警察用語。
本書の底に一貫して流れているのはこの「うたう」というテーマです。
「マルティン・ベックシリーズ」がお好きな角川春樹氏によって『笑う警官』という改題を勧められそれに従った旨著者はあとがきで触れていますが、なぜ「笑う」にしたのか読む前も読んだあとも首を傾げるばかり。
この改題の「笑う」の意味を作品につなげるために内容を思い起こしてみますが、いまだ疑問符だらけです。
『うたう警官』のほうがぴったりです。
メンバーは7名ですが用事で欠席の人もいて全員が集まるのはなかなか。
当初はペンホールダーでやっていましたが、ほとんどの方がシェークハンドなので、1ヶ月ほど前から変えたシェークにやっと慣れてきました。
私がいちばん下手なので組んだ相手の方には迷惑の掛けどおしですが、少し前から参加されたAさんの巧みな誘導でラリーが少しだけ続くようになりました。
私より少し年長のAさんは卓球の腕前がすごい上、頼りになるお姉さまという感じでへたっぴぃの私を最大限に褒めてくださるのでやる気も出るというもの、身をもって体験しています。
「褒めて育てる」ことが人育ての真髄であるのはわかっていながら肝心の子育てに活用もせず、というより正反対なことをしてあえて不出来な人間を作ったような人育ての下手な私です。
この年で後悔しても先に立たずですが、せめて罪滅ぼしに孫に適用しようと褒めまくっています。
昨日は縄跳び10回連続跳達成、今日は自転車にひとりで乗れるようになったよという報告電話に「すごいね~!」を連発したところ、初めのうちは「SS(夫のこと)もすごいって言ってた?」と満足気にうなずいていたものの最後には「そんなにすごくないよ。 幼稚園ではみんなあすかよりもっと跳べるし、自転車も乗れるんだよ」との答。
さすが5歳児でも自分の立ち位置と褒め言葉のアンバランスに気づいたようです。
1回跳ぶのもやっとだったのを知っている私としては「すごい!!」という形容がぴったりだったのですが。
それにしてもあーちゃんママもパパも体育は5というのが取柄だったというのにどうしたことか。
もしかして隔世遺伝?
のっぽを利用して将来はバレーボールの選手かなと夫が馳せた夢ももうこの段階で儚く消えかかっています。
残るは本人の「ママみたくお化粧する人になりたい」という夢の延長でナオミ・キャンベルあたりを狙うのもいいかも。
夢だからいくら大きくても文句はいわせません。

横山秀夫氏以来久しぶりに引き込まれた警察小説。
1979年デビュー作『鉄騎兵、跳んだ』でオール讀物新人賞
1989年『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞&日本冒険小説協会大賞&山本周五郎賞
1994年『ストックホルムの密使』で日本冒険小説協会大賞
2002年『武揚伝』で新田次郎賞
2008年『警官の血』で「このミステリーがすごい!」第1位
2010年『廃墟に乞う』で第142回直木賞
本書『笑う警官』は北海道警察を舞台の「道警シリーズ」の記念すべき第1弾『うたう警官』を映画化と文庫化に際し改題したものです。
「道警シリーズ」にはほかに
『警察庁から来た男』、『警官の紋章』、『巡査の休日』があります。
道警シリーズの第一弾『うたう警官』が世に出たのは、12年ほど前角川書店で編集者をしていた角川春樹氏によって『マルティン・ベックシリーズ』のような警察小説を書くよう勧められたのを受けて道警に取材を始めた時期にちょうど北海道警察内で現職の警部による覚醒剤の密売や拳銃のやらせ摘発、道警の裏金づくりという一大スキャンダルが発覚したことがきっかけだったそうです。
著者の警察小説の大きな特徴は「警察官VS犯罪者」という従来の構図を越えて、「警察官VS警察組織」の闘いに着眼している点にあり、犯罪者または犯罪者組織の闇以上に複雑かつ手ごわい警察内部の闇を描いているところに私たち読者が惹きつけられる真骨頂があるのではないでしょうか。
横道にそれてしまいましたが、本書のあらすじを簡単に記します。
ある場所で女性の変死体が発見され、北海道警察本部生活安全部の巡査と判明したところから事件がスタート。
容疑者は交際相手の津久井巡査部長と特定され、道警本部の指示で津久井に対する異例の射殺命令が出るにいたって、この決定に違和感を覚えたかつてのおとり捜査で生死を共にした佐伯警部補が相方の津久井の潔白を証明するために信頼できる有志たちとともに秘密裏に捜査をする一晩の物語。
「24 -TWENTY FOUR-」の緊迫した日本版というところ。
道警の汚職を告発するために北海道議会が開く「百条委員会」に翌朝証人として召喚されていることを津久井本人から聞いた佐伯は翌朝までのタイムリミットで津久井を無事に百条委員会に届けるため道警組織の堅牢な闇を相手に立ち向かっていく過程は息詰まるほどの臨場感がありました。
最後に本書の改題について
もとは『うたう警官』で刊行されたハードカバーですが、文庫化とを機に『笑う警官』に改題したのは前述の通り。
警官が「うたう」というのは「組織の内部を告発する」という警察用語。
本書の底に一貫して流れているのはこの「うたう」というテーマです。
「マルティン・ベックシリーズ」がお好きな角川春樹氏によって『笑う警官』という改題を勧められそれに従った旨著者はあとがきで触れていますが、なぜ「笑う」にしたのか読む前も読んだあとも首を傾げるばかり。
この改題の「笑う」の意味を作品につなげるために内容を思い起こしてみますが、いまだ疑問符だらけです。
『うたう警官』のほうがぴったりです。