VINのらんどくダイアリー

ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。 響きこし言葉に貼れるさみどりの付箋そよぎて林となりぬ

PVアクセスランキング にほんブログ村

2010年08月

今月12日毎日歌壇の選者を務められていた歌人の河野裕子さんが乳がんのため亡くなられましたね。

夫君は朝日歌壇の選者・永田和宏さん、「おしどり歌人夫婦」として歌壇では有名でした。


23歳で角川短歌賞を受賞してデビューしたのち、現代女流短歌賞や斉藤茂吉短歌文学賞など数々の賞を受け、現代の女性歌人の第一人者として活躍されていました。


短歌の世界には不案内な私ですが、感性豊かな歌の数々にこころを揺さぶられるものがたくさんありました。


「朝に見て昼には呼びて夜は触れ確かめおらねば子は消ゆるもの」

「君を打ち子を打ち灼けるごとき掌よざんざんばらんと髪とき眠る」

「病むまへの身体が欲しい雨あがりの土の匂ひしてゐた女のからだ」

「遺すのは子らと歌のみ蜩のこゑひとすぢに夕日に鳴けり」


このような歌が遺せる豊かな感性が羨ましいです。



以前このブログで朝日歌壇の投稿者・郷隼人さんの著書のレビューをアップしたとき選者である夫君・永田和宏さんについて触れたことがあります。 


医学者でもあられる永田さんのやわらかい眼差しで選ばれる歌には心に響くものが多く、歌そのものというより歌の背景にある生を重視され、見透かされたような解説が大好きで、永田さんありきの朝日歌壇のファンになっています。



九州で郷さんの帰還を何十年もの間待ちわびておられたお母さんの死去を知ったのも永田選者選の2週間前の郷さんの歌からでした。


「囚われて両親の死目に会えもせで歌詠むなどと我は愚か者」


ふるさとの特攻花の開花を知らせる手紙を終身刑の息子に送ったお母さんも息子に会わぬまま旅立っていかれたことを思うと、取り返しのつかない愚かな行為の故とはいえ母息子両方の深い哀しみが胸に迫ります。


河野さんとともに郷さんのお母さんのご冥福をお祈りします。





さて本日は白川道氏著『最も遠い銀河』上下をご紹介します。


「幻冬舎創立15周年特別書き下ろし作品」


2001年に上梓した『天国への階段』を幻冬舎の過大なるキャッチコピーに惹かれて購入しがっかりした経験があるのに今回もまた宣伝文句に惹かれて図書館で手に取りました。


2000枚以上の長編、上下2冊のハードカバーはかなり持ち重りがしました。


著者・白川道氏に関しては以前このブログで簡単な経歴と著書『カットグラス』をご紹介していますのでよかったら見てください。    『カットグラス』



著者の破天荒な生き方に反比例してというか・・・主人公に据えた男性像はほとんどがかなりのロマンティストです。


今回もその例に漏れず主人公の新進気鋭の建築家である男性は今は亡き女性との愛を生涯をかけて貫くというスタンスのロマンティスト。


身元不明の女性の遺体が小樽の海から引き上げられた事件を発端に物語がスタート。


愛した人との約束を守り建築家としての階段を上り続けている桐生晴之と、執念で事件の真相を追い求める小樽署の元刑事・渡誠一郎。

この2人のそれぞれのサイドから物語が展開、細かい点が線となり最後に一気に真相に到達する過程で過去の事件に関係した人々の運命が厳しくも悲しい結末を迎えるというあらすじです。


松本清張氏の『砂の器』を連想させるような主人公と刑事の対決というのがぴったりな感じの力作ですが、いかんせん主人公の支離滅裂な感情といい行動といい、一貫性のなさに感情移入が難しく、あまりに冗長な物語構想に中盤から飛ばし読みしてしまいました。


数々に重なった偶然が人間の運命の中に組み込まれて動かしがたいのが宿命というなら滅びるために生きる宿命を負った主人公を描いているところ、涙を誘う意図満載の作品でした。

1日中エアコンが放せません^^;


少し前から夜も寝る前にベッドルームを冷房で冷やし、寝るときには冷房からドライ29度に切り替えて朝までつけています。


先日、息子さんと2人暮らしの高齢者の男性が少ない年金のため電気とガスの契約を自ら解約して生活していたため熱中症で亡くなられた記事が出ていました。


息子さんも10年ほど前から重度の腰痛で働けなくなり父親の年金のみで生活、アパートの家賃を払うと残り4、5万円弱での生活、生活保護の相談に訪れた役所で高圧的な職員の態度に傷つきそれ以来最低のラインも保てないような生活状態だったようです。


このような記事を見ると自分が何と驕った人生を、しかも不満とともに暮らしていることかと胸がつぶれる思いがします。


全世界のそんな境遇の人たちを救うべくもないし、たとえその親子が隣に住んでいても自分がその親子の生活を支え続けることなど不可能なのに、申し訳なさでいっぱいになります。


小学生の頃より募金が好きで、外出の行きと帰りに同じ赤い羽根募金にお小遣いを入れるのを見た母に1度でいいと叱られたことがあります。


今でも何千円かの募金は折を見つけてしていますが、収入ギリギリまで削っての募金となるとできるか、と問われれば即座にうなずくことができない自分の欲も自覚します。


批判だけの正義感など何の役にもたたないのはわかっているのに、いろんなニュースを見聞きするたびに憤っています。


このブログもエアコンの適温の中で書いているのですから・・・何とも・・・ですね。



さて今日は五十嵐貴久氏著『交渉人・爆弾魔』をご紹介します。


2003年に刊行後ベストセラーとなった『交渉人』の2年後を描いた第2弾が本書です。


ちなみに第3弾『交渉人 籠城』がこの6月にハードカバーで刊行されています。


第1弾『交渉人』に関してのレビューと著者の簡単な経歴に関してはこちら→



さて本書は前作でネゴシエイターとして石田警視正の教え子であり、彼に思慕の情を抱いていた準主役・遠野麻衣子が主人公のスピンオフ作品、今年6月には若村麻由美主演でテレビドラマ化もされたので観られた方も多いのではないでしょうか。


「都内各所で爆弾事件が発生。
要求は二千人の死者を出した“宇宙真理の会地下鉄爆破テロ事件”首謀者・御厨の釈放だった。
交渉人に指名された広報課の警部・遠野麻衣子はメールのみの交渉で真犯人を突き止め、東京どこかに仕掛けられた爆弾を発見しなければならない。
さもないと東京は未曾有の大惨事に見舞われる-。
手に汗握る、傑作警察小説」



前作『交渉人』ではタイトルどおり犯人たちとの「交渉」を中心に物語が展開していきますが、今回はイレギュラーな「交渉」により進行していきます。


現実に起こり日本を震撼とさせたオウム真理教の地下鉄サリン事件&麻原を連想させる設定に思わず引き込まれますが、事件の背景をあまりに大きく設定したために現実感から離れてしまったという感じが否めませんでした。


ボイスチェンジャーを用いて直接麻衣子の携帯に要求を突きつけた犯人像の割り出しなどところどころにプロファイラーとしての麻衣子の力量が発揮されていますが、著者の「交渉人」という設定へのこだわりゆえか事件解決と「交渉」を強引に結びつけたような幕引きに不自然で意図的な感想をもってしまいました。


事件解決の過程で繰り広げられる警視庁内部のさまざまな階級の人々の軋轢や面子が興味深く描かれていてそういった面ではとても読み応えがありました。

昨日は夫の誕生日。

何日か前より久しぶりにかぜを引いたこともあり、怠け心が出ていた私はお祝ディナーを用意するのをやめて夫を誘って近所の居酒屋に行きました。


住まいの近くには大学病院や区役所、水道局など大きな建物があり、従業員目当ての飲食店がかなりあります。


引越し当時探索しては私たちなりに合格点をつけたうちの1つがその居酒屋。


チェーン店とちがい店主が1人で料理され、奥様がその補佐、あと女の子を置いている小さな店ですが、女の子たちがなかなか居つかず苦労されているようでした。


数年前友人たちを交えての会食中2度目の取り皿の追加を頼んだら、何が気にさわったのか当時の従業員の気の強そうな女の子がものすごい形相でお皿を持ってきて音を立てて投げつけるように置かれたことがあります。


それ以来足が遠のいていましたが、味がよい上に安価な魅力に惹かれてしばらくして来店したらその女の子が辞めていたのでほっとしました。


今回は新顔の女性従業員2名、そのうちひとりは70歳をかなり超えたような高齢者、もうひとりは若い中国人、どちらも注文取りも接客もぎこちなくハラハラするようでしたが、以前のヒステリックな従業員の印象があるので、ずっとずっとましだね、と話しながら帰りました。


誕生日は大過なく過ぎた感謝の日でした。




さて本日は津村節子氏著『遍路みち』をご紹介したいと思います。


津村氏といえば夫君・吉村昭氏とともにおしどり作家として有名ですね。


学習院女子短期大学時代から少女雑誌向けに小説を書き、文学仲間として知り合った吉村氏と結婚後も少女小説で生活を支えられていました。


3度の直木賞候補につぎ、2度目の芥川賞候補作『玩具』で見事芥川賞を受賞、一方今でこそ知らぬ人のない大家となられた夫君である故・吉村氏は4回も芥川賞候補になりながら受賞が果たせず、受賞されたのは奥様という経緯がありました。



2005年舌癌に罹患、その後膵臓癌にも侵され2006年7月31日に自ら点滴の管とカテーテルポートを引き抜き、看病していた長女に「死ぬよ」と告げて息を引き取られた吉村氏の死に様はあまりに衝撃的で私たちに大きな波紋を投げかけました。



「楽しいことも嬉しいこともあったはずなのに……悔いのみを抱いて生きてゆく遍路みち。
夫・吉村昭氏の死から3年あまり、生き残ったものの悲しみを描く小説集」


本書は吉村氏が亡くなる前後に書かれた4篇の短編と、ほか1篇が収録されています。



私は吉村昭フリークを自認するほど吉村氏の作品に傾倒し続けている1ファンですが、エッセイを通して覗える家族の中での氏や奥様の人柄の素朴さ、そして小説家としての吉村氏のスタンスに深い尊敬の念を抱いています。


文芸評論家の磯田光一氏に「彼ほど史実にこだわる作家は今後現れないだろう」と言わしめたように史実に基づいた作品を執筆するにあたっての念には念を入れた調査の厳しさは編集者の間で今でも語り継がれるほど。


というようなわけでこのブログでも夫君の著書は数多くご紹介していますが、奥様の津村氏に関しては今調べたところ代表作『玩具』以下女性を主人公の数々の作品はすべて読んでいるにもかかわらず『幸福の条件』のみのアップでした。

『幸福の条件』のレビューはこちら



さて本書の短篇5篇のうち表題作を含む3篇はすべて主人公に「育子」という名を借りての著者の実体験を夫君の死を軸として描いています。


「洗面所のコップの中の2本の歯ブラシを見ると、1本も虫歯のないことを自慢していたことを思い出した。
夫の母親が、おまえは口もとがいいね、と言っていたという話をからかいながら口にすると、かれはふざけて口角を少し上げて笑ってみせた。
育子はその笑顔を思い出して嗚咽した」


50年にもおよぶ長い結婚生活のうちには楽しいこともあったはずなのに、最期の1週間を自らが作家という職業故に締め切りに追われて充分な会話や介護をすることなくベッド脇の机で差し迫った仕事をしたため、生死の境にいる夫に寄り添えなかった痛恨が重くこころに渦巻いている様子が文章の間から伝わってきて胸に響きます。



「育子、眼を覚ますといない」

最期を迎える少し前書かれた故人の日記の1行が育子の胸に突き刺さり、どんなに後悔しても戻らない悔悟に苦しみます。


「仕事があるのだから毎日来なくてもいいと口では言っていたが、夜中に目覚めた時、一人で長い長い夜何を考えていたのだろう。
仕事など持つ女を妻にしたため孤独な死を遂げたのだ。
細いペンで書かれたその文字は、今も錐(きり)の先のように胸に突き刺さってさいなむ」



自分が「育子」の立場になったら同じ思いから終生抜け出せないだろうと想像すると著者の悲しみが伝わってきます。


時とともに愛する人を喪った喪失感は薄らぐといいますが、夫が自分の死ぬ時を定めようとしていたときを見過ごしたという取り返しのつかないという罪の意識は死後3年たっても消えることなく著者の中に根を下ろしている様子がわかります。


それでも自身や周囲の人々のさまざまな試みにより、あるときは死者と寄り添い、あるときは新たな現実と向き合うということを繰り返しつつ決して消えることのないものをやわらかく内包しながら進む様子が、本書執筆という行為を通して感じられます。


著者は書くことによりいくらか気持ちの整理がついたとあとがきに記しておられますが、遺された人はそれぞれの方法を手探りで手繰りながらも生き続けなければならないという事実が胸にしっかり入りました。


死者への悔悟とともに生きるには、という自分も向かわなければならない道へのしるべとなる作品でした。

長男一家の帰省に続き、夫の姉のあの世への旅立ちが重なり、忘れえぬ夏となりました。


お盆の1週間ほど前から先に来ていたお嫁さんと孫と共に海水浴に牧場、ぶどう狩りを楽しんだり、家でクッキーや動物パンを焼いたり、ゼリーを作ったりと楽しくも忙しい日々のあと、あとを追って息子が帰省、数日滞在して川崎へ帰るその日に義姉が亡くなりました。


ちょうど終戦記念日。


夫の長姉で末っ子の夫とは一回りも年長、夫にとって母のような存在でした。

夫のおこぼれで私も随分可愛がってもらった優しい人柄の義姉でした。


若い時代の出産時の大量出血の際の治療の輸血によるC型肝炎が何十年ものちに活発化して発見され、以後ミノファーゲンなどの対処療法をしていましたがだいぶ前より肝硬変に移行していました。


1980年代後半に旧ミドリ十字が製造していた非加熱製剤・フィブリノゲンにより多くの人々がC型肝炎ウィルスに感染した問題は当時大きく報道され世間を騒がせたのは今も記憶に新しいと思いますが、現在もなお患者による訴訟が続いていますね。

義姉のケースはもっと以前の不衛生な医療環境の中での輸血や手術などの医療行為に起因していたのではないかと推察しています。



年間4万人近い人が肝臓ガンで死亡するそうですが、そのうち8割がC型肝炎が原因とされているそうです。


フィブリノゲンによる感染を把握していながら厚生省がそれを放置していた間に多くの犠牲者が出たという事実には激しい憤りを感じますが、「人の命は地球より重い」といいながらこの社会にはそんな事象があまりにも多くしかも多岐にわたっていて呆然としてしまいます。



世界各地で天変地異が起こり、経済不安定、異常気温など、何かがおかしいと感じながらも私たちは起こったできごとに対処するだけで精一杯、大切なものを置き忘れているような気がします。


平和で安全な社会の保障というバトンを孫世代につなげていくにはどうしたらいいか、立ち止まって今できることを考えなければという感を強くしています。




さて本日は垣根涼介氏著『張り込み姫』をご紹介します。


リストラ請負会社・社員村上真介が主人公の第3弾。


第1弾『君たちに明日はない』
第2弾『借金取りの王子』
 それぞれのレビューはこちら →



4つのFileからなる本書は「小説新潮」に2008年から2010年にかけて掲載されたのを1冊にしたものです。


第1弾『君たちに明日はない』は今年1月から2月にかけて坂口憲二主演でテレビドラマ化されたので観られた方もいらっしゃるでしょう。


2000年『午前三時のルースター』で第17回サントリーミステリー大賞読者賞
2004年『ワイルド・ソウル』で第6回大藪春彦賞&第25回吉川英治文学新人賞&
第57回日本推理作家協会賞受賞。



上記のように著者の作家としての出発点は冒険物や推理物に材を取っていますが、2005年に上梓した『君たちに明日はない』でより多くの読者を獲得したという経緯があります。


私もこのシリーズのファンで、特に第2弾『借金取りの王子』がお気に入りの1冊に入ります。



今回のリストラの舞台はそれぞれ英会話学校、旅行会社、自動車ディーラー、写真週刊誌の出版社。


作家になる前の一時期、近畿日本ツーリストに勤務したという著者の経験が本書File2「やどかりの人生」に生かされています。


リストラの対象となるさまざまな業界に対する綿密な下調べには毎回感服しますが、旅行会社の実態を扱ったFile2にはより身につまされる臨場感がありました。


また自動車ディーラーを舞台の「みんなの力」での自動車修理工の具体的な仕事内容がマニア的な詳しさで述べられているなど、今回はリストラされる側の仕事および従業員の人生に重点を置いた構成となっているのが見所ですが、前2作を読んでの期待感が高かっただけに、少々肩透かしを食ったような印象は否めませんでした。

私たちは皆、生きることを先延ばしにしている。
今日、窓の外に咲いているバラを楽しむ代わりに、水平線の向こうにある魔法のバラの園を夢見ているのだ。



『道は開ける』や『人を動かす』など自己啓発書の先駆けとして一世を風靡した作品の著者・デール・カーネギーの言葉です。


子育て中は子どもたちの先の成長を夢見、中学になると高校進学、高校になると大学進学を夢見、大学になると自立を夢見、そしてみんな自立した現在はさすが何年か先のことを夢見るということはなくなりましたが、「今」より少し先の楽しい計画を楽しみにしていたりする自分にとっては耳が痛い言葉です。



現状に満足せず、常に前進を心がけるというのは人間の進歩にとってある意味すばらしいことですが、自分のような平凡な人間は現状を最大限に肯定し今あることに感謝する心を持つことが幸せにつながると思います。


デール・カーネギー氏著『人を動かす』


カーネギーが1937年に発表した本書は最初5000部のみ発売したそうですが、すぐに話題を呼び、日本国内で430万部、世界で1500万部以上を売り上げ、発売から70年近く経った現在でも売れ続けるという超ロングセラーとなっています。

日本でも1999年に新装版が出ています。


夫の本棚にも山口博氏訳の初版本がありました。


“ How to Win Friends and Influence People”という原題の示すようにビジネス本としてももちろんですが、一般社会の普遍的な人間関係におけるノーハウが掲示されていてサラリーマンのみならず主婦の私にとってもすばらしい啓蒙書となっています。


第一部~第六部、次のような構成です。

第一部「人を動かす原理」
第二部「人に好かれる法」
第三部「人を説得する法」
第四部「人を矯正する法」
第五部「奇跡的効果をおさめる手紙」
第六部「家庭を幸福にする法」


そしてそれぞれの部にいくつかの章立てがあり、先人などの逸話を例にとりだれにでも実行できるテクニックが掲示されています。


テクニックもさることながら古今東西の先人たちの逸話がとても興味深く、共感や深い感動を得る内容が盛りだくさんです。


主婦の私が特に参考の必要性を感じるのは第六部「家庭を幸福にする法」。


「百万の富を作るよりも、やさしい妻と平和で幸福な家庭を築く方が、男にとっては、はるかに意味のあることだが、家庭円満のために真剣な努力をかたむける男は、百人に一人もいない」


★口やかましく言わない
★長所をみとめる
★あらさがしをしない
★ほめる
★ささやかな心づくしを怠らない
★礼儀を守る


上記の項目は家庭生活だけでなくすべての人間関係に当てはめることができると思いますが、普遍的に実行するのは簡単そうでとても難しいことばかり。


また第三部や第四部のように能動的に人を説得したり矯正することの困難さは長い経験で思い知っていますが、第二部の「人に好かれる法」は私でも何とか実行できそうなので列挙してみます。


★誠実な関心をよせる
★笑顔を忘れない
★名前を覚える
★聞き手にまわる
★関心のありかを見抜く
★心からほめる


ささやかな自分自身の日々の幸せのためにあくまでテクニックとしてではなく心から振舞えるような人になりたいと思います。

 
あまりにも強い採光を遮るために5年前から植え始めたゴーヤ。

今年もリビングの窓いっぱいに緑が茂り、昼間でも電灯をつけるほどになりました。

今年は葉のわりに実のできがイマイチだと思っていたところ、この1週間ほどでぐんぐん大きくなりました。


毎日サラダにしたりチャンプルーにしたりしていますが、昨日はゴーヤの佃煮を作りました。


作り終えて一休み、ブログ友のトコさんの日記を訪れたところ、申し合わせたようにゴーヤの佃煮を作っていらっしゃったので笑ってしまいました。


レシピのURLを紹介されていたので覗いてみたところ、似たような調味料でした。

トコさんのレシピはこちら → 



ちなみに私のレシピは次の通りです。

ゴーヤ : 500g → 塩少々でさっと茹で薄切りにする
調味料 : 砂糖50g ・ みりん30cc ・ しょう油80cc ・ 酢60cc 
調味料を合わせて煮立てたところにゴーヤを入れ煮詰める。
煮汁がなくなる直前にかつおぶしを入れ、できあがりに白ゴマをたっぷりかける。



ゴーヤはビタミンC、カロテン、ビタミンB1、カリウム、マグネシウム、鉄分、リン、食物繊維などが豊富に含まれていて夏バテ予防に最適な食べ物といわれています。

苦味が苦手な人も多いと思いますが、その苦味の成分はモモルデシンとチャランチンというもので血糖値やコレステロール値を下げたり脂肪の燃焼を促進しる共役リノール酸が含まれていて肥満や高脂血症の改善に効果があるそうです。

おまけにカロリーは、100gあたり17Kcalととても低カロリー。

いうことなしの夏の食材の王様、がんばって食べましょう!




さて今日は海堂尊氏著『極北クレイマー』をご紹介します。

2008年から1年にわたって「週間朝日」に連載され、2009年に単行本化されました。


「財政破綻にあえぐ極北市。
赤字5つ星の極北市民病院に、非常勤外科医の今中がやってきた。
院長と事務長の対立、不衛生でカルテ管理もずさん、謎めいた医療事故、女性ジャーナリストの野心、病院閉鎖の危機…。
はたして今中は桃色眼鏡の派遣女医・姫宮と手を組んで、医療崩壊の現場を再生できるのか」


著者は勤務外科医ののち病理医として独立行政法人放射線医学総合研究所・重粒子医科学センター勤務の現役医師であり、現代日本の医療問題に鋭い切込みを入れた作品を数多く発表されています。


次々発表される作品はエンターテイント性があり、突出した個性あふれる登場人物の描き方で多くんファンを惹きつけ、メディカルエンターテインメントの第一人者として大活躍の作家さんです。


医師としての海堂氏の主張はAiという死亡時画像病理診断の重要性と社会制度への導入で、Aiに触れた著書も多く発表していらっしゃいます。



さて本書のメディカルテーマを要約すると「術中死を『予測不能の不幸』とするか『医療事故』とするかの判断」及び「地域医療の財政をどう支えるか」という2点に絞られると思います。


海堂氏の作品の妙味はその医学的テーマもさることながら、登場人物の造形にあり、それら登場人物が作品毎に主役として登場したり、脇役として登場したりしている点にあります。


時系列的に作品を読めばそれが一目瞭然で面白みもグンと増します。



今回の主人公は極北大第一外科の八年目の医師・今中良夫。

舞台は財政難に苦しむ極北市の極北市民病院。

そこに非常勤・外科医として赴任した1日目から物語がスタートします。


赴任するやいなや病院スタッフのモラルの低さ、不衛生な環境、そして何よりも極北市の悪化した財政苦による病院への締め付けに唖然としますが、それにプラスして病院内で唯一人徳のある産科医師・三枝の術中の患者死亡に対する不穏な動きなどが絡みながら物語が展開します。


物語が幾重にも複雑化しはじめるのはハケン医として厚労省の姫宮が赴任するあたりから。

姫宮は『チーム・パチスタの栄光』『螺鈿迷宮』などの読者にとってはお馴染みの厚労省・白鳥の唯一の部下。

今回もその特異なキャラで物語を大いに盛り上げてくれますが、ちと著者の筆が走りすぎの感ありでした。


姫宮に加え、前述の三枝産科医師による術中の患者死亡にからんで登場する得体のしれない医療ジャーナリスト、死んだ妊婦の遺族の広崎消防士、そして『ジェネラル・ルージュの凱旋』の速水、『ジーンワルツ』の清川、『ブラックペアン1988』のときは1年坊だった世良、これらおなじみの面々が続々登場し、やや混乱気味の内容となっています。


著者としては提言したいテーマが多すぎたあまりか盛り込みすぎという感が免れないのは残念でしたが、この作品の舞台となった人口10万の極北市の事情・・・際立った地場産業もなく唯一恵まれた広大な土地を利用して観光客目当てに第三セクター方式で建設されたホテルとスキー場、遊園地が1年以上も雪で閉ざされた北の大地のお荷物となり観光誘致に失敗して経営悪化の悪因となっていることなど・・・と似通った事情はわが郷里・岡山のみならず全国各地で見受けられる共通の問題として大いに学ぶところがありました。

↑このページのトップヘ