

実家を整理していて大量に出てきた母の着物。
今はどこの家庭でも眠っていて処分に困っているという話をよく耳にします。
我が家では茶道をしている娘が着られるものは利用してくれているので助かっていますが、行き場のない着物、皆さんはどうしていらっしゃいますか。
友人が着物をリフォームしてくださる方を紹介くださり、先日夏の喪服がすてきな上着に変身しました。
写真はうまく撮れていませんが、布地を斜めに使ったりあちこちにすてきなアイディアが施されていて人目を引くすてきなデザインなんです。
写真2は男性のしごきの絹の帯をリフォームしたもの。
夏はそのままブラウスとして、冬は重ね着のベスト風に。
この帯は昭和期の労働運動家として名を馳せた元総評議長太田薫さんが生前愛用されていた帯なんです。
太田薫さんの息子さんのお嫁さんと私が中高大を通しての同窓で今も親しくお付き合いする間柄、過日彼女の家を訪問したとき着物リフォームの話が出て、彼女が選んだ廃品にする着物の中から拝借したもの。
今は形骸化している春闘をかつて定着化して労働者の生活の安定に貢献された太田薫さんが現在の正社員と派遣社員の格差などの現状を見られたらどんな感想を抱かれるかなと思ったことでした。

「メガバンクに巣食う悪党どもに鉄槌を…
巧妙な罠に嵌り黒部一石は出世街道から、真っ逆さまに落ちた。
重役、部長、支店長みんな叩き潰せ!
″平成の岩窟王”の至難の復讐劇が始まった。
池井戸潤の金融長編ミステリー第8弾。
最高の痛快作!!」
得意先企業と銀行役職者との不正金品授与を挟んでの黒い癒着・・・著者の真骨頂である銀行モノの得意テーマです。
今まで著者の作品を読み続けて、当然ですがやはり作品によって出来不出来があるのは否めません。
本書は惜しくも終了したテレビドラマ「水戸黄門」シリーズと同じく、そんなバカなと思いながらもダーティなものが一掃される世界を描いて『仇敵』同様ラストが爽快なのが得がたい魅力ですが、満身創痍の主人公の元に突然現れる社内の助っ人の存在など現実味に欠ける構成がいくつか目についたのも事実。
ということで★3.5というところでしょうか。
それにしてもどこの企業でもあるでしょうが、自己の保身のみに固執する上司の下についた部下の不運といったら!
とんでもない上司にあたったら正統な評価を求めることなど論外、上司自らの仕事上のミスの責任をすべて押しつけられ果ては本書の主人公のように日の当たらない閑職へ飛ばされるなど日常茶飯事のサラリーマン人生は運不運の比重がかなり大きいような気がします。
それら上司の指先1つの采配で天国行き地獄行きが決められるサラリーマンの紙一重のハラハラ人生をたっぷり味わってください。