ご家族が地引網に行かれたということで友人に獲れたての魚をいただきました。
エビにイカ、チヌ、シズ、アナゴ。
5才以上だと思われるチヌは切り身にするときあまりに骨が硬くて出刃包丁と金槌で格闘、アナゴを背開きにするのにまたまた摑みにくくて格闘
チヌは軽く塩をして、アナゴは白焼きできるように下拵えして、イカもそれぞれ下拵えして冷凍しました。
夕食に食べたのはエビの素揚げとシズのムニエルでしたが、新鮮で美味しかったこと!
当分豊かな在庫を楽しめそうです(*^。^*)
さて本日は柳美里氏著『ファミリー・シークレット』
をご紹介したいと思います。
「柳美里が小説に閉じ込めてきた『過去』と向き合った感動ノンフィクション。
『柳美里に虐待疑惑』――臨床心理士・長谷川博一氏とのカウンセリングを受けながら、みずからの過去の闇を照らす作業に入る。
(柳美里のカウンセリングを行う長谷川博一氏は秋田連続児童殺害事件で畠山鈴香の心理鑑定を行うなど、心理療法、犯罪心理<心理学的鑑定>を専門とする臨床心理士)」
◆「肩書きも、洋服も、そして顔の皮膚さえ剥き去って、血を流し痛みにのたうちまわりながら、家族に、自分に正面から向き合う―。
ここまでしなければ“治癒”に至らないのだとしたら、精神科医として私がやって来たことはウソなのか。精神科医をやめたい、とはじめて思った」-香山リカ氏(精神科医)
◆「柳美里は『親と子』の関係を、もっとも濃密な愛情ともっとも激しい憎しみが混ざり合う戦場として描いた。一度読み始めれば、読者は目をそらすことができない。
そして、最後に、これが絶望を希望に変える戦いの記録であることに気づくのだ」-高橋源一郎氏(作家)
◆「闇は、すべての家族にある。
この本は、その闇を消し去るための光ではなくて、その闇を見るための光だ。
そしてもしそうであるなら、光が光として在るための闇、という言い方も、できるのかもしれない」-江國香織氏(作家)
◆「生きていることの意味を知れば、どう生きてゆくかを見つけるのは容易い。
柳 美里 悲しいくらいに繊細で美しい人」-土屋アンナ氏(モデル・女優)
発端は2008年、著者が日々の出来事を綴ったブログの中で当時8歳の長男の嘘の混じった言動や行動に制裁を加えた様子を赤裸々に記したことでブログが炎上、結果として児童虐待の疑いで児童相談所から福祉関係の方々が訪れました。
そのときの出来事をきっかけに、著者自らが自分の生立ちを振り返り、消し去ることのできない心の深い闇に臨床心理士・長谷川博一氏の力を借りて立ち向かった渾身の記録が本書です。
柳氏にとってそのカウンセリングがどれほど苛酷な作業であるか、事前の長谷川氏の言葉から推し量ることができます。
「二つの約束をしていただきたい。
一つは、自分の命を消さないということ。
もう一つは、ほかのひとの命を消さないということ。
約束できますか?」
著者の作品としては、長男出産に至るまでのその父である彼との不毛な不倫、そして高校中退後劇団員と主催者として東京キッドブラザーズの東由多加氏との運命的な出会いと10年にわたる同棲と度々の別れを経て彼を看取るまでを描いたベストセラー『命』に続く4部作、そしてそれ以前に書いた『家族シネマ』『ゴールドラッシュ』『石に泳ぐ魚』など、それに本書を上梓する直前に書いた『オンエア』を読んでいます。
『命』のレビューはこちらからどうぞ → ★
『オンエア』はこちら → ★
『命』以前と以後では著者の作品に対する私の評価は天と地ほどの開きがあり、決して好きな作家というわけではありませんが、『命』以後強く挽かれる作家の1人となったのは否めません。
長男虐待騒動に関しては新聞やテレビで取り上げていた時期に漏れ聞いたくらいでしたが、本書を通して、赤裸々に語られた著者のそれに至った心情と目を背けたくなるほどの特異な生い立ちの環境を知るに及んで、ここまで自分を曝け出した作家はほとんど記憶になく、物書きの業を一身に背負うプロという表現が浮かびました。
この物語の最後に、カウンセラー・長谷川博一氏を交えて彼女の闇の加担者である父と26年ぶりの対決をしますが、それによって彼女の心の闇がクリアになるという劇的なラストは起こりようもなくこれからも険しい人生を感じさせるラストで終わっています。
ただ私生活を公に晒すことによって読者の好奇心を引き寄せていると悪評価する向きもありますが、『命』から続くドキュメンタリー方式の作品群はそんな生易しい状態で書かれたとは決して感じられないほどの削った命がうごめいているような文章が散りばめられていたと感じたのは私だけでしょうか。
「本人は過去を忘れても、過去は本人を覚えている」
幼児期の壮絶な体験は大人になってからのトラウマとして、自分の身に起きた苛酷な体験を無意識に繰り返してしまう「再演化」という性質があるそうです。
幾多の困難を乗り越えて産んだ愛する息子さんに著者と同じ「再演化」の道を歩む人生を送らせないためにも長谷川氏のカウンセリングでの気づきが功を奏しますように。
エビにイカ、チヌ、シズ、アナゴ。
5才以上だと思われるチヌは切り身にするときあまりに骨が硬くて出刃包丁と金槌で格闘、アナゴを背開きにするのにまたまた摑みにくくて格闘

チヌは軽く塩をして、アナゴは白焼きできるように下拵えして、イカもそれぞれ下拵えして冷凍しました。
夕食に食べたのはエビの素揚げとシズのムニエルでしたが、新鮮で美味しかったこと!
当分豊かな在庫を楽しめそうです(*^。^*)
さて本日は柳美里氏著『ファミリー・シークレット』

「柳美里が小説に閉じ込めてきた『過去』と向き合った感動ノンフィクション。
『柳美里に虐待疑惑』――臨床心理士・長谷川博一氏とのカウンセリングを受けながら、みずからの過去の闇を照らす作業に入る。
(柳美里のカウンセリングを行う長谷川博一氏は秋田連続児童殺害事件で畠山鈴香の心理鑑定を行うなど、心理療法、犯罪心理<心理学的鑑定>を専門とする臨床心理士)」
◆「肩書きも、洋服も、そして顔の皮膚さえ剥き去って、血を流し痛みにのたうちまわりながら、家族に、自分に正面から向き合う―。
ここまでしなければ“治癒”に至らないのだとしたら、精神科医として私がやって来たことはウソなのか。精神科医をやめたい、とはじめて思った」-香山リカ氏(精神科医)
◆「柳美里は『親と子』の関係を、もっとも濃密な愛情ともっとも激しい憎しみが混ざり合う戦場として描いた。一度読み始めれば、読者は目をそらすことができない。
そして、最後に、これが絶望を希望に変える戦いの記録であることに気づくのだ」-高橋源一郎氏(作家)
◆「闇は、すべての家族にある。
この本は、その闇を消し去るための光ではなくて、その闇を見るための光だ。
そしてもしそうであるなら、光が光として在るための闇、という言い方も、できるのかもしれない」-江國香織氏(作家)
◆「生きていることの意味を知れば、どう生きてゆくかを見つけるのは容易い。
柳 美里 悲しいくらいに繊細で美しい人」-土屋アンナ氏(モデル・女優)
発端は2008年、著者が日々の出来事を綴ったブログの中で当時8歳の長男の嘘の混じった言動や行動に制裁を加えた様子を赤裸々に記したことでブログが炎上、結果として児童虐待の疑いで児童相談所から福祉関係の方々が訪れました。
そのときの出来事をきっかけに、著者自らが自分の生立ちを振り返り、消し去ることのできない心の深い闇に臨床心理士・長谷川博一氏の力を借りて立ち向かった渾身の記録が本書です。
柳氏にとってそのカウンセリングがどれほど苛酷な作業であるか、事前の長谷川氏の言葉から推し量ることができます。
「二つの約束をしていただきたい。
一つは、自分の命を消さないということ。
もう一つは、ほかのひとの命を消さないということ。
約束できますか?」
著者の作品としては、長男出産に至るまでのその父である彼との不毛な不倫、そして高校中退後劇団員と主催者として東京キッドブラザーズの東由多加氏との運命的な出会いと10年にわたる同棲と度々の別れを経て彼を看取るまでを描いたベストセラー『命』に続く4部作、そしてそれ以前に書いた『家族シネマ』『ゴールドラッシュ』『石に泳ぐ魚』など、それに本書を上梓する直前に書いた『オンエア』を読んでいます。
『命』のレビューはこちらからどうぞ → ★
『オンエア』はこちら → ★
『命』以前と以後では著者の作品に対する私の評価は天と地ほどの開きがあり、決して好きな作家というわけではありませんが、『命』以後強く挽かれる作家の1人となったのは否めません。
長男虐待騒動に関しては新聞やテレビで取り上げていた時期に漏れ聞いたくらいでしたが、本書を通して、赤裸々に語られた著者のそれに至った心情と目を背けたくなるほどの特異な生い立ちの環境を知るに及んで、ここまで自分を曝け出した作家はほとんど記憶になく、物書きの業を一身に背負うプロという表現が浮かびました。
この物語の最後に、カウンセラー・長谷川博一氏を交えて彼女の闇の加担者である父と26年ぶりの対決をしますが、それによって彼女の心の闇がクリアになるという劇的なラストは起こりようもなくこれからも険しい人生を感じさせるラストで終わっています。
ただ私生活を公に晒すことによって読者の好奇心を引き寄せていると悪評価する向きもありますが、『命』から続くドキュメンタリー方式の作品群はそんな生易しい状態で書かれたとは決して感じられないほどの削った命がうごめいているような文章が散りばめられていたと感じたのは私だけでしょうか。
「本人は過去を忘れても、過去は本人を覚えている」
幼児期の壮絶な体験は大人になってからのトラウマとして、自分の身に起きた苛酷な体験を無意識に繰り返してしまう「再演化」という性質があるそうです。
幾多の困難を乗り越えて産んだ愛する息子さんに著者と同じ「再演化」の道を歩む人生を送らせないためにも長谷川氏のカウンセリングでの気づきが功を奏しますように。