VINのらんどくダイアリー

ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。 響きこし言葉に貼れるさみどりの付箋そよぎて林となりぬ

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2012年12月

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                            ※ベランダから見た夕焼け


知人に最高級品といわれるウーロン茶をもらいました。da7549ef.jpg



それにしても一見レンガのような塊で・・・本場中国では一旦圧縮した茶葉を削って飲むというのは、数年前旅行に行ったとき入ったお茶専門店で体験していますが、黒い塊を前に手が出ず・・・
しばらく放置して、やっと意を決して削りました~。



削る間期待した芳醇な香りもしないし、本当に高級なのかどうか・・・悲しいかなチャン語に不不不案内なものでわからず・・・首を傾げながら削った茶葉を一掴み急須に入れて味わってみたところ、すごく味わい深くおいしい!!



削り甲斐がありました(*^。^*)






さて今回は吉村昭氏著『赤い人』のレビューです。


本書は何度か読み返した作品ですが、最後に読んだのが2ヶ月ほど前。


ブログ友のトコさんのブログの読書録に書いていらっしゃったのを通して思い出し、まだレビューを書いていなかったので記憶を遡って書いてみようと思い立ちました。

 トコさんの『赤い人』のレビューはこちら → ★



吉村フリークの私はほとんどの作品を読んでいますが、このブログにアップしていない作品が多々あり、追々アップしていきたいと思っています。



さて本書レビューに戻ります。


「赤い囚衣の男たちが石狩川上流に押送されたのは明治14年のことだった。
国策に沿ってかれらに課せられた死の重労働。
鉄丸・鎖につながれた囚徒たちの労役で原野が切り開かれていく。
北海道開拓史の暗部に横たわる集治監の歴史。
死を賭して脱走を試みる囚人たちと看守たちの、敵意にみちた命がけのドラマ」



本書は明治14年の樺戸集治監設置から大正8年の廃止まで約40年に及ぶ北海道監獄史を、その建設に関わった囚人たちを中心に描いた克明な記録小説です。



全国隈なく歩き、埋もれた資料を弛まぬ努力で発掘、それを基盤に事実を踏まえて精緻をモットーとした小説に仕上げるという吉村作品の特徴が隅々に表れた優れたドキュメンタリー作品といえます。



私事ですが、内地から屯田兵として北海道にわたった経歴を持つ夫の祖父に与えられたという開拓地に近い場所が舞台だけに、もちろん本書の主役ともいうべき囚人たちの筆舌に尽くしがたい過酷な労働と屯田兵の開拓では比較になりませんが、会ったこともない義祖父や夫の父親の兄弟などの苦労の足跡を辿る思いで興味深く読みました。


内地の囚人たちが送り込まれた樺戸郡月形町は当時は札幌から北東に約20キロ離れた人里離れた石狩川沿いの人跡未踏の極寒の森林で、そこに今で言う刑務所-当時の呼び名で集治監-や道路の建設を目的に目を背けたくなるほどの苛酷な衣食住と労働を強いられた囚人たちの日常に強い憤りを感じたというのが正直な感想です。



自らを監禁する牢屋の建設を満足な食料も衣服も与えられず文字通り命がけでやらされる囚人たち、極寒期には凍傷で手足をなくすもの、栄養失調で命果てる囚人が続出、いきり立った囚人たちと看守たちとの激しい摩擦の中で空しい逃亡を企てる囚人も出るのは必然といえますが、捕まれば厳しい制裁を受け、なお抵抗するものに対しては見せしめのため切り刻むという人を人とも思わぬ扱いはいかに囚人といえども許される範疇を超えていると思わせる事実がこれでもかと突きつけられて胸を締め付けられる読後感でした。



このように囚人たちを主に描いているものの、主役らしい人は登場せず、ほとんど言葉も発しない、そんな抑えた筆致に返って凄みが感じられる文章、唯一彼らが発した言葉といえば、極寒の地への護送の末、味噌汁を提供されたときに発した「極楽」という言葉。


現在の傲慢な境遇に疑いもせずどっぷりと漬かっている自分が恥ずかしくなりました。


今はサラリーマンの憧れの転勤地として名前の挙がる札幌を中心とする北海道のイメージですが、このような苛酷な開拓の歴史の上に成り立っていることに衝撃を受ける作品でした。


是非どうぞ!

世間はクリスマスで盛り上がっているみたいですけど、今年の我が家は例年の鳥足などのクリスマスバージョンのディナーもなくひっそりしたもの。


わずかに知人友人からかわいい箱のチョコレートやクッキーが届けられて気持ちが和みます♪

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ROGER WAGNER合唱団のクリスマスソングをレコードでずっと流して楽しんでいます。



先ほど事前に贈ったささやかなX’masプレゼントへのお礼の電話が孫のあーちゃんからかかりました。


少し前、水疱瘡を発症した同級生の男の子と手をつないだことから発症する可能性をママから聞いていましたが、見事な的中率で発症、終業式は欠席したようですが、ワクチンのおかげで症状はとても軽く元気そうで安心しました。



電話で一生懸命体の発疹の箇所と数を説明してくれるんですけど、「あのね、ここに3つとここに2つ」などあまりの拙さにおかしくて笑ってしまいました。


あーちゃんにめっぽう弱いパパとママによって病気のあーちゃんのところには一足早いサンタさんから3DSのプレゼントがあったそうで、興奮してサンタさんのことを話していました。



小学校2年といえばそろそろ様々な世間知ができてもよかりそうなものの、1人っ子の孫はそういう情報には著しく疎く、体は小学校5年といっても通る大きさに精神年齢は幼稚園年中くらい、とはママの弁。


その純な幼さがいつまでも続いてほしいと願う一方、大丈夫かしらと不安もありの複雑な気持ちです。


まあ健康で大きくなればよしとしなければ(*^。^*)





さて本日は2012年ベストセラー堂々の2位、80万部を突破した作品です。


渡辺和子氏著『置かれた場所で咲きなさい』



有名な方なのでご存知の方も多いと思いますが、当地にとってとてもなじみ深い方です。



当年85歳になられる著者は2・26事件で暗殺された教育総監・渡辺錠太郎氏の次女に当たる方で9歳のときわずか1m先で父親が銃弾に倒れるのを目のあたりにしたことがその後の人生に大きな影響を与えられたそうです。


18歳でキリスト教の洗礼を受け、その後36歳の若さで当地岡山のノートルダム清心女子大学の学長になられ30年近く長きにわたり教壇に立たれ、多忙と心労で50歳のときにはうつ病を発症、入院も余儀なくされたという経験も本書で生きています。



著書は多数で『愛と祈りで子どもは育つ』『目に見えないけれど大切なもの』『美しい人に』『愛と励ましの言葉366日』『幸せのありか』『マザー・テレサ 愛と祈りのことば<翻訳>』など、当地の書店では著書の棚にずらりと多数の著書が並んで人目を引いています。




無宗教の私に著者との直接の接点はありませんが、作品には宗教を超えて共感できる部分がとても多く押し付けがましくなく語られる言葉の数々には慰められることもしばしばです。



本書も例外ではなくまさに珠玉の作品といえます。



レビューをググッてみるとタイトルの「置かれた場所で咲きなさい」という命令口調に押し付けがましさを感じる、と書かれている方もいらっしゃいましたが、全体を通して私はそのような感じは受けませんでした。



「時間の使い方は、そのまま、いのちの使い方・・・
置かれたところで咲いていてください。
結婚しても、就職しても、子育てをしても、『こんなはずじゃなかった』と思うことが、次から次に出てきます。
そんな時にも、その状況の中で『咲く』努力をしてほしいのです。
どうしても咲けない時もあります。
雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんな時には無理に咲かなくてもいい。
その代わりに、根を下へ下へと降ろして、根を張るのです。
次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために」


丁寧に生きなければならないといつも自分に言い聞かせていますが、自分は命をすり減らすように時間の重みを感じて生きてきたか、と問われればうなだれるしかありません。



「不機嫌は立派な環境破壊だということを、忘れないでいましょう。
私たちは時々、顔から、口から、態度から、ダイオキシンを出していないでしょうか。
これらは大気を汚染し、環境を汚し、人の心をむしばむのです」


私はあまり感情の波に翻弄されることは戒めていますが、自分の好意が相手に届かなかったり、誤解されたり、といった自分の予想する反応と違ったものが返ってくると心が不機嫌というか哀しみでいっぱいになることがあります。

戒めなければ。


「信頼は98%。あとの2%は相手が間違ったときのゆるしのためにとっておく」

ずしんと重く胸に響く言葉です。


相手を許すということ自体自分の傲慢さの表れだと思いますが、いつも相手に許されていることを心に深く留め置くことの大切さ、心したいと思います。

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夫が無事に退院したのは嬉しいことですけど、毎日の食事の用意に追われまくりです。


元々スリムな上に手術や何やかやで落ちた体重をアップさせなければならないのに加え、手術した右半分にまだ麻痺が残っていて食事内容が柔らかいものに限定されるので3度の食事作りがけっこう大変^_^;



で、圧力鍋や退院前に購入したいろんな種類のスープが作れる電気鍋をフル活用して、様々な野菜スープやおじや、おかゆなどを毎日作っています。



昨夜は友人から圧力鍋で煮込んだトロトロポトフの差し入れがあったりで・・・助かりました(*^。^*)



今はまだアルコールは遠慮していますが、食前酒なしの食事に慣れていない我が家では火が消えたよう。


写真は夫の入院前の景気づけに娘が持参したアルゼンチンのMAGDALENA TOSOというワイン。56c6a929.jpg




お店などで飲むとかなり高価なものだそうですが、入院前夜家族で楽しみました。



早く酒肴が作れる状態に戻れたらなと思います。






さて本日ご紹介するのはミステリーの女王といわれたクリスティーの晩年の作品です。




アガサ・クリスティー氏著『終わりなき夜に生まれつく』


「海をのぞむ美しい眺望で人々を魅了する“ジプシーが丘”。
が、同時に呪われた地として皆から恐れられてもいた。この地で男女が出会い、恋に落ちた。
だが、まもなく乗馬に出かけた女は馬から落ちて死亡してしまう。
果たして、“ジプシーが丘”の呪いなのか?
斬新な手法を駆使し、著者が自信を持っておくる異色作」




著者の作品は集中して読んだ若い時期があり本書も再読ですが、数多い作品の中でもいちばん好きなのはクリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で書いた『春にして君を離れ』です。



『春にして君を離れ』のレビューはこちら →



さて本書に戻ります。


タイトルの「終わりなき夜に生まれつく」はイギリスの著名な詩人・ウィリアム・ブレイク
の「罪なき者の予言」の中の詩から採っています。


夜ごと朝ごと
みじめに生れつく人あり
朝ごと夜ごと
幸せとよろこびに生れつく人あり
幸せとよろこびに生れつく人あり
終りなき夜に生れつく人あり



タイトルから想像できるように、読後感はかなり切なくビターテイストです。



序章は身分違いの男女の恋愛物語という感じがスローなテンポで続きますが、その中にときおり登場する不穏な雰囲気に首を傾げているうち物語に大きな展開があって、しかもラストはどんでん返しを用意しているところはミステリの女王たる所以といえるでしょう。



本書も含めクリスティーの作品の醍醐味は、前述の『春にして君を離れ』に代表するように人間観察の深さにあると思います。



人間が本来持っている業の深さというか、心の奥に潜む闇を見事に浮き彫りにする巧みさが圧巻です。

久しぶりのアップです。


最終のアップを見てみると11月24日だったので約1ヶ月近くご無沙汰していたんですね。



整理、記録のためにもその間の我が家の騒動について書いておこうと思います。



まずは最終アップを遡ること11月6日の出来事から。



長年右親知らずのトラブルに悩まされていた夫がその日意を決して長年歯のメンテナンスに通っていた近所の大学病院歯科で親知らずを抜いたことが事の発端。


頬を腫らして帰った夫が、抜いた歯を担当医が組織検査に出した、と言ったことが悪夢のスタート。


2日後に抜歯を担当した医師から自宅に電話があり、抜いた歯の下の骨にがん細胞が見つかった旨報告があり、翌日からジェットコースターのような急ピッチで様々な検査が始まりました。



夫は過去に2度がんに罹患している要注意者なので、今回のがんが過去のがんの転移か、それとも原発が別のところにあるものかを突き止めるのにPET他あらゆる検査を駆使した結果、大変珍しい下顎骨の限定がんであるという不幸の中でもラッキーな結論に達しました。



口腔内の手術は即食べることと直結しているので、これからの人生でQOLの確保が最大の問題点ということで家族や本人に手術に対する躊躇があり、東京在住の子どもたちも含めてんやわんやであらゆる治療法を検索、セカンドオピニオンも含め模索しましたが、やはり手術以外にないということで大掛かりな手術を選択。



その間、今までおとなしくしていたがんが抜歯という刺激によって急激に暴れる可能性があることを考慮して、検査しながら自宅で抗がん剤を飲んで手術まで待機、11月28日に無事手術を終えました。

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手術に関しては担当医から術中術後のあらゆるリスクも開陳され、術中に開けた段階で思わぬ浸潤があれば更に大掛かりな手術になる可能性etcが伝えられていたので9時間の手術中は子どもたちも含め生きた心地がしませんでしたが、術中に出した周辺の組織検査も大丈夫で考えうる最小限の切り取りで済んだことはとても幸運でした。



とはいえ、右顎の骨や神経、リンパも切り取り、チタンのプレートを入れて顔の変形を極力抑えるという難手術、様々な後遺症は避けられない内容。



今回の夫の最も幸運だった点は、たまたま抜歯してくださった歯科医師が口腔外科の腫瘍科専門の講師だったこと、そして抜歯後少し糜爛が厚いというほんの小さな異変を感じてすぐ組織検査に出してくださったことです。


後にセカンドオピニオンの医師にPETのCDROMその他を見ていただいたとき、この状態で組織検査に出す医師は十中八九いないでしょうと感嘆していらっしゃったほど。



そしてもう少し抜歯時期が早かったら組織検査に出すほどの小さな異変はなかっただろうし、もう少し遅い時期に抜いていたなら、すでに骨の中のがんがすぐ近くのリンパに流れていただろうという予測。



転移がんなら手術をせず余命が短期間でも運命に逆らわず安らかなQOLを選択したいがそれでも許してくれるかと夫に言われ、これ以上闘ってというのはあまりにも酷だと娘と話し合って泣いた時期も過ぎ、もうすぐ退院という幸運に深く感謝しています。



今回のことは私一人では到底乗り切れなかった事態・・・東京から帰り夜はずっとパソコンを通して仕事をしながら手術前後を共に過ごしてくれた子どもたち、夫のために涙して交代で励まし協力の手を差し伸べてくれた夫と私の共通の友人たち、子どもたちが帰ったあとずっと泊り込んで共にいてくれた親友のSさん、料理の差し入れをしてくれたMさん、夫のために玄米スープを作って送ってくれた義姉・・・感謝の言葉も見つかりません。
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ほんとうにありがとう!






さて久しぶりのアップ、真山仁氏著『ハゲタカ』のご紹介です。


「ニューヨークの投資ファンド運営会社社長・鷲津政彦は、バブル崩壊後、不景気に苦しむ日本に戻り、瀕死状態の企業を次々と買収する。
敵対するファンドによる妨害や、買収先の社員からの反発を受けながらも、鷲津は斬新な再プランを披露し、業績を上げていく。企業買収、再生の真実を克明に描いた問題作」


映画化&TV化して話題になった作品の原作、上下巻で約1000ページの読み応えある作品です。



バブル崩壊後の日本を舞台に、ピアニストとしての夢を抱いてジュリアードで学んだという異色の過去を持つ主人公・鷲津政彦がニューヨークの投資ファンド運営会社をバックに日本支社長として、大量の不良債権を抱える三葉銀行(旧三和銀行)のバルクセールを挟んで企業買収に挑むという内容。


バルクセールという名前は本書で知りましたが、銀行が抱える不良債権をまとめてファンドに売ることで銀行側は融資時の不祥事を隠す目的で身辺を整理でき、ファンド側はそれを安く買い叩いて債券回収して利益を得るという構図だそうです。


本書を読むと、外資をハゲタカと侮蔑的名称で呼びますが、日本の金融機関も似たり寄ったり、同じ穴の狢というところでしょうか。


バブル崩壊後の大手と呼ばれた金融機関-長銀や拓銀、山一証券などの破綻の様子が事実と見紛うエピソードを交えて詳しく描かれていてとても興味深い作品になっています。


とにかく主人公の鷲津の現実離れしたかっこよさは一読の価値があります。

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