VINのらんどくダイアリー

ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。 響きこし言葉に貼れるさみどりの付箋そよぎて林となりぬ

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2014年07月

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天蓋の花となれかし向日葵よ〈憎悪〉なる木の茂らぬやうに


台風の影響かこの2、3日少し凌ぎやすいですね。

あまりの炎天に中止していたひまわりを観に岡山県の西の端に位置する笠岡に友人の運転で出かけました。

海沿いの干拓地5ヘクタールに植えられた百万本のひまわり。


長い期間楽しめるようにと早咲きと遅咲きの種を場所ごとに蒔いていて、まさにひまわり真っ盛りという感じでした。
ひまわりは太陽に向かって咲くといわれていますが、それは開くまでの蕾で、開いた花は太陽が移動してもそれに合わせて回るわけではなく、いつも東を向いているそうです。

1つ学びました。

海からの風があり、比較的過ごしやすかったとはいえ、やはり炎天下、ひまわり見物は短時間で切り上げたところ、全国を回って芸を披露しているという大道芸人を自称する若者のガラス玉を操る芸をひとしきり観て帰途に着きました。2f45905e.jpg









さて本日は奥田英朗氏著『港町食堂』のレビューです。

「旅はいい。感じる風がいつもとちがう。
ただし、わたしは無精者である。
誰かに背中を押してもらわないと出かけられないのだ――。
旅雑誌の企画に乗り、さまざまな港町を船で訪れることになった作家・奥田英朗。
その行く手には、美女と肴と小事件が待ち受けていた!
土佐清水、五島列島、牡鹿半島、佐渡島、ちょいと足を伸ばして釜山。
笑い、毒舌、最後はしみじみの、寄港エッセイ」

新潮社発行の雑誌「旅」に掲載されたエッセイをまとめたものが本書です。

2005年の作、今から約10年前の『空中ブランコ』で直木賞を受賞された前後の紀行エッセイ。

毎回船で港に入り、港町を探索して紀行文を書かせようというのが雑誌「旅」の企画。

編集者とカメラマン随行の3人旅、ときどき編集長が加わるというシンプルな船旅の行き先に選ばれたのが次の6ヶ所、なかなか興味深い港町であります。

1. 高知・土佐清水編
2. 五島列島編
3. 宮城・牡鹿半島編
4. 韓国・釜山編
5. 日本海編
6. 稚内・礼文編

上記の港町では名の知れた観光名所の訪問は例外として、そのほとんどが地元で評判の食堂とかスナックを巡って地元の住民と心温まる触れ合いをするというもの。

といっても心温まる触れ合いは、巡った結果的に得たもので恣意的な目的ではありません。

船旅とか港町に関する考察が書かれていることを期待する読者の方には甚だ不本意な一冊であろうかと思われますが、軽いほうの奥田作品のファンである私にとっては楽しませてくれた一冊でした^_^

カメラマンのシンゴ君が企画最後の稚内・礼文島への旅への出発時、初めて著者を尊敬の眼差しで見つめて接してくれたというエピソード。

その最後の旅の直前に初めて著者の長編小説『最悪』『邪魔』を読んだのがきっかけと。

「やっと同行作家の偉大さに気づいたようである。
この連載をお読みのみなさんも、できましたら小説の方も一読いただければ、冗談だけで禄を食んでいるわけではないことがおわかりいただけるかと存じます」と続けています。

このような示唆の通り、同行者たちのご自身への扱いの決して作家に対するようなものでないぞんざいさに愚痴をこぼしたり、冗談か本気かわからないような紀行文の中に著者独特のおかしみ満載!

ついでに真実も!

本書で浮き彫りになる著者は、味オンチながら食い意地だけは人一倍、社会正義に関心なし、名所旧跡に興味なし、周囲のおだてを待つも叶わずいじけ心満載などなど、なんとも人間味あるかわいらしいお人柄です。

それにしてもそれぞれの港町の食堂の土地の名産のおいしそうなことといったら!

とにかく出てくる料理がどれも美味しそう。

奥田作品のお勧めの一品です。

ことのほか酷暑を実感する毎日ですが皆様お元気でお過ごしでしょうか。

書中お見舞い申しあげます。

週1で集っている仲間との卓球、集中して体を動かしているのはこれだけという危機感から気持ちを振り立たせては参加しています。

フルメンバーたった6名の小さな集まりですが、他のメンバーも似たり寄ったりの年齢なので同じような状況で集っています。

メンバーをチェンジしては打って休み、打っては休みを繰り返して2時間ほど、この施設には卓球台が12ほどありますが、こんなにゆる~いメンバーは私たちのグループだけ、他は試合に参戦するような団体が主で、一日中借り切って練習に明け暮れています。

その中には私たちより高齢と思われる方々もたくさんいて、短パン、バンダナで面構えもすごい!!

掛け声とともにカットの練習などに余念なく、見とれてしまいます。  1811fffb.jpg


そんな中、ラリーより休み時間の方が長く、それぞれの持ち寄りのおやつを食べながらおしゃべりの方に余念がない私たちグループは一際いい加減さが目立つのもやむを得ないと開き直っています(――;)


そんな不届きな卓球で人一倍汗を流したせいか、翌日から脱力感と肩の痛みがカムバック、その翌日には首が回らない^_^;
百八でラリー途切れて嘆声と歓声響く卓球場に

急いで湿布を貼りまくって急場を凌ぎました。





さて今回は先日ご紹介した富樫氏のSROの第二弾です。


富樫倫太郎氏著『SRO警視庁広域捜査専任特別調査室�U 死の天使』


「強く死を願う患者の前に現れて、その願いを叶えてくれる―
栃木県・下野東方病院関係者の間でささやかれる『死の天使』の噂。
担当患者が亡くなった責任を取らされ、退職を強要された看護師からの投書を調べるうちに、新九郎たちSROは奇妙なことに気付く。
新時代警察小説、待望のシリーズ第二弾」


子供だましみたいな、といったら著者にすごく失礼なんですけどストーリーが取ってつけたようなアメリカかぶれのシリアルキラーを題材にしていて、やめようと思いながらその奇抜さと読みやすさについつい第二弾に突入しました^_^;

今回は快復を見込めない、且つもうこれ以上長らえたくないと患者自身が思っている重病患者を安楽死させるという「死の天使」がテーマ。


第一弾と異なるのは本書は犯人が最初からそれらしき様相で登場していること。

ただ病院が舞台の医療関係の事件だけに立証が甚だ困難な事件ということが捜査を複雑化させているのも予定調和通り。

がんじがらめの警視庁という組織の中で最初から型破りな成り立ちで構成されたSROだけに、今回も規則破りに次ぐ規則破りで犯人を追い詰めていくストーリーはスーパーマンの映像を観ているよう。

そんなばかな、とつぶやく個所は今回も多々。


犯人の医師は少年の頃から心に殺人衝動を持つものの、前途のある優秀さでそれを内部に潜めたまま医師となりますが、妻子が殺されるという経験を通して少年時代から温存していた衝動が目覚め、医師という立場を利用しての完全犯罪をスタートさせていくというのが大まかな背景。


敬虔なクリスチャンでもある彼は自分の内なる殺人衝動を信仰に結び付けて人助けと正当化することに成功。

他人を欺くというより自分自身を欺き、強い信念として前向きに殺人を繰り返しているというもの。

 
最後は追い詰められて自滅するという筋書きですが、こんな医師が身近かにいてくれたらいざというとき是非お願いしたいと危うく頼りにしそうになりました。

唐突ですが、先日をもって私、ガラバコス原人からスマート文明人となりました。

ついに携帯をガラケーからiphoneに替えざるを得ませんでした、といったほうがいいか。

ずっと調子悪かったガラケーがここ2週間ほどメールを一行ほど打つと電源が突然切れて画面が真っ黒になることを繰り返すという末期的症状を呈していて、周囲から替えるならiphoneにしなよ、と言われていましたが、周囲の友人たちの操作模様を横で見ているとかなり面倒くさそうで購入前から腰が引けていました。


PCの操作やipadの操作ができるのだから簡単なものよ、と言われても最近はなんだか機械モノに振り回される生活に嫌気がさしていたのと料金が高い!というのが躊躇していた理由。


仕方なくショップに行き、新しくガラケーにしてもらった場合とiphoneにした場合の料金や内容比較をしてもらった結果、先月はメールの送受信だけで7000円も使っていたことが判明、通話は家族間無料以外は極力避けていて、来るメールに返信しただけという感覚だったので驚きました^_^;

こういう人はメールの送受信&通話無料を入れたものがよかろうということで、一般のiphoneより安い高齢者用のiphoneを購入しました。

いまはやりのゲームやLineなどのアプリが入れられないのがマイナス要素だということでしたが、そんなにまでして時々刻々とLineで繋がりたい人がいるわけもなく、ただ海外に行く確率の高い娘との交流には便利そうですが、パソコンもあるし。。

持ち帰って操作してみると高齢者用だけあってすごく簡単、早くに慣れました(^^)

といってもメールと通話だけですが。

普通のiphoneやスマホより2000円ほど安いのがプラス要素・・・かな。



さて本日は松下幸之助翁の評伝をご紹介します。


岩瀬達哉氏著『血族の王 松下幸之助とナショナルの世紀』


「米相場で破産、没落した家名を再興すべく、松下幸之助は九歳で大阪へ丁稚奉公に出た。
事業拡大への飽くなき執念は、妻と始めた家内工業を従業員38万人の一大家電王国へと成長させた。
されど、好事魔多し。
盟友だった義弟との訣別、GHQの圧力、後継者問題、スキャンダル…。
激動の時代を背景に、数々の神話に彩られた『経営の神様』を、新資料と徹底取材で丸裸にした評伝決定版」

著者・岩瀬氏について簡単に・・・
1955年和歌山県生まれ
2004年『年金大崩壊』『年金の悲劇』により講談社ノンフィクション賞
同年「文藝春秋」に掲載した「伏魔殿社会保険庁を解体せよ」によって文藝春秋読者賞をそれぞれ受賞


夫が長年勤めていた関係で我が家の書棚にもりっぱな装丁の『画伝 松下幸之助 道』を初めさまざまな評伝が捨てられずにあり、それらを通してや夫の口を通してさまざまな幸之助氏の姿を一般の人より知ってはいるつもりでしたが・・・本書はすごい!!


「経営の神様」として神格化された姿もさることながら、実に生の人間としての幸之助氏の姿を膨大な資料や積み重ねた綿密な取材を通してより正確に実際に近づけている渾身の作といっても過言ではないでしょう。


私たちが知る有名人の虚像と実像の間には大きな落差があるのは理解していますが、前半の丁稚奉公の時代から功なり名を遂げて30万人を擁する家電王国の創業者となるまでの成功部分のエピソードはもとより、本書の後半に描かれている幸之助翁の「経営の神様」とはかけ離れた地位や家名などに対して我執に囚われた姿も余すところなく描いていて圧巻です。


二股ソケットや砲弾型自転車ランプから出発した町工場起業の時代から苦労を共にした義弟・井植歳男氏との別離とその後同氏が設立した三洋電機への嫌がらせ、自分を凌ごうとする部下への徹底した嫌がらせ、娘婿・松下正治氏が一族以外の初の社長に抜擢した山下俊彦氏への嫌悪、孫・正幸氏を社長にすることで血脈を繋ごうと燃やした執念などなど。


同じ和歌山出身の著者が小学校の遠足で幸之助生家跡の松の木を観光バス窓外に見て以来、同郷の大先輩である彼の人生の軌跡について、≪書くことが運命づけられている≫と感じ、積年の思いを込めて緻密に辿ったという本書は「松下電器」や「PHP研究所」など身近かな協力は仰がないと固く決めて著者独自の目と足と手で集めた資料の総集成として色めがねとは無縁の幸之助氏の姿が見られる書です。


是非どうぞ!!

今朝の連続ドラマ「花子とアン」が評判のようですね。

私は連ドラや大河ドラマといわれるものを観たことがないので噂だけ^_^;

この連ドラが始まるずっと前から夫と絵画教室の仲間たちが計画していたカナダ旅行・・・「赤毛のアンの故郷を訪ねよう!」を目的の旅が終わって先日夫が帰ってきました。

10日間の夫の不在は久しぶりの天国で友人たちが泊まったり、遊びに来たりで私なりに謳歌しました~^_^

1497年にイギリスの探検家ジョン・カボットがニューファンドランド島のセント・ジョンズに上陸、1534年にはフランスの探検家ジャック・カルティエがガスペ半島に到達しヌーヴェル・フランスを宣言したことに始まるといわれているカナダの歴史。

1864年にモンゴメリの故郷・シャーロットタウンで最初の建国会議が開催されてから3年後の1867年、ついにカナダ連邦が誕生したという経緯があります。

それから150年を経て2017年7月1日のカナダデー(建国記念日)に建国150周年を迎えます。

今年2014年は2年後の祝典に向けての準備スタートの年として、特にシャーロットタウンでは賑わいを見せているそうです。

旅行メンバーの友人がシャーロットタウン在住ということで始まった計画、パック旅行では味わえない様々な触れ合いを体験できた貴重な旅だったようです。

で、ただいまと帰った夫のスーツケースを開けてびっくり。 dd5ec965.jpg


出るわ出るわカナダのアイスワイン!@@!

何と8本!

娘に聞けばねっとり系の甘いワインらしく冷やして飲めば舌がまひして飲めるらしいいのですが、誰が飲むの?

夫も娘もドカンとくる辛口ワインが好みでこのようなワインは飲まないのに。

聞けば1本8000円ほどだそうですが現地のマーケットで3000円~4000円という破格の値段だったからと嬉しそうに。。。


主婦の私は3000円でも目の玉が飛び出るのに、それも8本も!

ほかにも子どもたちや孫にはTシャツ、私にはスカーフ、カナダ名産のメイプルシロップなどなどありましたけど。





さて気を取り直して本日は富樫倫太郎氏著『SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室』をご紹介したいと思います。

「警視庁に新設された広域捜査専任特別調査室、通称〈SRO〉。
総勢7名の小所帯にもかかわらず5人がキャリアという、管轄の枠を越えた花形部署のはずが、その内実は訳ありだった。
山梨で発見された白骨死体をきっかけに、史上最凶の連続殺人犯『ドクター』を追う調査員たち。
警察組織の限界に迫る、新時代警察小説の登場」


1961年北海道生まれ
1998年デビュー作『修羅の跫』で第4回歴史群像大賞受賞


既に主役級の警視正・SRO副室長・芝原麗子を木村佳乃さん、警視長・SRO室長・山根新九郎を田辺誠一さんという配役でテレビで映像化されて話題になったようです。

ついでに犯人役・近藤房子は戸田恵子さんだそうです。


総理の鶴の一声で警視庁に新設された広域捜査専任特別調査室・通称SRO。

キャリアエリート5人+事務官2人だけで構成される新設部署。

ありえんだろうという設定の警察小説、破天荒な設定ながら警察内部の人間模様は従来の上下関係を踏襲しているので、現実と非現実とのバランスが危うくも微妙に保たれているというところでは成功しているといえるのではないでしょうか。

本書の核となるのは「ドクター」と名づけた「日本版シリアルキラー」の存在をあぶり出し、追い求めて捕まえるという一連の作業。

これまた主人公の警視長・SRO室長・山根新九郎が本場FBI仕込みのプロファイリングを駆使して犯人を追い詰めるという設定ですが、これにはあまりにも薄い書き込みでちょっと引けました。

最初個性豊かな7名でスタートしたSROですが、前部署での失態などそれぞれ暗部の過去を抱えた一癖も二癖もある7名だけに一致団結とはほど遠い状態から室長の人柄に惹き寄せられるように、ひとり、またひとりと心を通わせ、最後はお互いが一丸となって犯人を追い詰めるという件はなかなか読み応えがありました。


『羊たちの沈黙』のようなサイコサスペンス色の濃い内容、「ドクター」が登場してからラストへ向かう展開が非常に速く、唐突感がある上、ティピカルな犯人設定がちょっと肩透かし的。

尼崎の大量殺人の主導的犯人・角田をイメージしているような。


とはいえ次回作も購入したので次のレビューも続きます、悪しからずですけど(――;)

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夕闇に淡く浮かびゐしあぢさゐの藍色哀しうたかたにして
今日は7月7日、七夕。

子どもたちが小さかったころはどこからか笹を調達して親子で色紙を使っていろんな形に切って、願い事を書いた五色の短冊に紙で作ったこよりを通して結び、門口に飾った思い出があります。

もっと昔の私が子どものころは短冊に願い事を書くために朝露を硯に集めて墨を磨った記憶。

で、2014年7月7日今日の我が家は夫がカナダ旅行で留守なのでひとりの七夕。

終日雨です。

七夕当日の雨は、織姫と彦星の1年ぶりの逢瀬の後の惜別の涙または逢えなかった時の悲しみの涙が雨になるということから洒涙雨(催涙雨)というそうです。

催涙雨そぼ降る天にひた祈る〈憲法九条をノーベル賞に〉




さて本日は古市憲寿氏著『だから日本人はズレている』のレビューです。

「リーダーなんていらないし、絆じゃ一つになれないし、ネットで世界は変わらないし、若者に革命は起こせない。29歳の社会学者が『日本の弱点』を突く。
この国の『大人たち』は、いつもどこかズレている。
ジョブズのようなリーダーに憧れ、夢と絆で一つになれると信じ、『日本の良さ』は必ず伝わると疑わず、若者には変革を期待し、学歴や就活は古いと嗤い、デモやSNSで世界は変わると訴える。
この『勘違い』はどこからくるのか? 
迷走を続けるこの国を二十九歳の社会学者が冷静に分析。
日本人が追い続ける『見果てぬ夢』の正体に迫る」



【目次】
「リーダー」なんていらない
「クール・ジャパン」を誰も知らない
「ポエム」じゃ国は変えられない
「テクノロジー」だけで未来は来ない
「ソーシャル」に期待しすぎるな
「就活カースト」からは逃れられない
「新社会人」の悪口を言うな
「ノマド」はただの脱サラである
やっぱり「学歴」は大切だ
「若者」に社会は変えられない
闘わなくても「革命」は起こせる
このままでは「2040年の日本」はこうなる」

29歳の若者が上梓した本書、すでに7刷9万部と反響を呼んでいる作品です。

1985年東京都生まれ。社会学者。東大大学院博士課程在籍。慶大SFC研究所訪問研究員(上席)
若者の価値観や生き方を研究し、同世代の本音を代弁する若手論客としてメディアでも活躍
2011年『絶望の国の幸福な若者たち』で第11回新潮ドキュメント賞候補
2014年『誰も戦争を教えてくれなかった』など

TVの朝の情報番組などでコメンテーターとしても活躍されているそうなのでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

次の文章は著者ご自身が語られた本書のあらすじ。

「国や企業の偉い人たちの考え方は、往々にして、ピントがズレていたり、大切な何かが欠けていたりする。
ただ『強いリーダー』を待望するだけで、なかなか自分では動き出さない。
『クール・ジャパン』や『おもてなし』と言いながら、内実は古臭い『挙国一致』の精神論。
これからは実力主義の時代だと煽りながら、結局はひとを学歴や社歴でしか判断できない。
自分ではそれほどITを使えないのに、やたら『ネット』や『ソーシャル』の力を信じている――。

僕がこの本で考えてみたいのは、なぜこの国はいつも大事なときにズレてしまうのか、ということだ。
本書は、世間知らずの『若者』が、日本に棲息する多数の偉い人や、立派なサービス、巨大なプロジェクトに出会い、感じ思ったことを記した観察録でもある」


29歳の若さで社会学者というエリート街道まっしぐらの著者ならではの自信に満ちた辛口批判文言が満載。

世間で論争になった道徳の副教材「心のノート」を「J―POP歌詞の劣化コピー」と指摘するあたり、なかなか怖いもの知らずの若者らしい潔さに共感を覚えました。

「心」を過大視する傾向に対して警告を発し、「独りよがりのポエムで国は変わらない」と結んでいます。

総力を決して権力を持つ上層部が考え出したことに対する「ズレ」の指摘には大いに頷けますが、ならば是非、その若さを最大限に生かして政治の世界で「ズレ」をなくする努力をしてほしいと切に願いたい。

Wikiで著者の経歴を検索したら、昨年から安倍内閣の「経済財政動向等についての集中点検会合」委員および内閣官房行政改革推進本部事務局「国・行政のあり方に関する懇談会」メンバーに抜擢されているようですし、どうかその切れ味鋭い舌鋒で安倍内閣の完全にズレた憲法や国民の平和に関する論法を切って矯正してほしいと思います。


ちなみに著者のご指摘の「ズレ」をこのまま放置すると・・・

2040年には人口減や少子高齢化、貧富の格差が進行し、多くの有能な日本人は海外に移住し、完全な階級社会となり、上昇の夢が閉ざされた結果、人々の生活満足度や幸福度が奇妙に高まっているそうです。

幸福度が高まったとしても、出身や環境によって自分の人生を選べない状況に陥っているというのが彼の推論だそうです。

興味ある方はどうぞ。

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