VINのらんどくダイアリー

ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。 響きこし言葉に貼れるさみどりの付箋そよぎて林となりぬ

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2014年10月

某会場で年に1度の夫の所属するグループの油彩画展が開かれています。

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昨日買い物のついでに夫と覗いてみました~。

受付に私も親しくしているメンバーが2人いて、ちょっとした差し入れを渡して話していたら・・・

夫が入ってすぐの入り口のところに貼っていた紙を許可もなく猛烈な勢いで剥がしていました^_^;

ある議員さんの作品展への挨拶状。

「こんなもん!! オレ大嫌いやねん!」

受付の2人も唖然としながら「・・まあ・・ねぇ」と。

「地盤の催し物会場に顔売るヒマがあったらやることせぇちゅうねん!」

ごもっとも^_^;

だけどなんという言葉遣い! そのスジの人かわが夫は!

子どもが大きくなったようなワガママ夫を許してくれる仲間あればこそ・・・


たしかに私が甘やかしすぎましたけど・・・すみません






さて本日は渡辺容子氏著『魔性』です。


「鈴木珠世は29歳で、独身、元OL。
引きこもりの彼女は、あるサッカーチームのサポーターになっている。
ところが試合当日、サポーター仲間の少女が何者かに殺された。どうやら犯人は彼女たちの近くにいるようだ。
犯人捜しを始めた珠世だったが、思いもよらぬ展開になっていく...。
実力派乱歩賞作家が放つ長編ミステリー」


死者に鞭打つようで申し訳ないのですが・・・凡作です(-_-;)


先日も書きましたが『左手に告げることなかれ』がよかったので著者の作品はほとんど後追いしていますが、いいのとそうでないのとの差がかなり。

まあどんな作家さんも同じことがいえるでしょうけど・・・。

いちばんの欠点は内容の割にあまりにも冗長な筋立てに続く取ってつけたようなラストの締め。


育った環境で母親に対して恐怖心を抱きそれがトラウマとなっている元OLが主人公。

会社を辞めたことが引き金となり引きこもりになった主人公・珠世があるきっかけでサッカーのサポーターのひとりである少女と知り合い、サポーター生活に生きがいを見出しますが、立ち直りのきっかけを作った少女が殺されたことから犯人探しをしながら成長するという成長譚・・といえばいえるかな??


サポーターの一群としての登場人物が多く、犯人探しのためにそれぞれの人物の行動や性格を分析していく作業が何とも上滑りで作品に薄っぺらなイメージを与えています。


かなりの長編でしたが、久しぶりに飛ばし読みの特技を発揮した作品でした(――;)

少し前孫のあーちゃんからプレゼントと手紙が届きました~^_^


この前の上京の折にお土産としてもっていったファンルームで作ったブレスレット。

あれ以来嵌ってだいぶ腕前を上げています。

もう1つは10歳の誕生日にお兄ちゃん(私の次男)からもらったフェルティミシンで作ったぬいぐるみ・・のようなもの。
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そしてお手紙がこれ→ed18ad87.jpg


1人っ子のせいか生まれつきかしらないけど、のどかで芦田愛菜ちゃんや福くんと同じ学年とは思えないくらい幼くかわいい♪


帰省した折には毎晩夫や私、お姉ちゃん、お兄ちゃんと順番にお風呂に入るのを楽しみにしているのですが、たまたま夫が風邪気味で一度も入るという約束を果たさなかったのを覚えていて、あーちゃんの家に泊まった夜夫に向かって「今度はいっしょに入るって約束したから入ろうね♪」と夫の手を引っ張りました。

と・こ・ろ・が・・・サッカーの試合を観ていた夫はサッカーの試合の方が大事とばかり・・というか大事なので「また今度」とスルーしてしまいました^_^;

小学校4年生、もう背の高さは150cm近く、気持ちだけが幼い。

これを逃したらもう一生いっしょにお風呂に入ってくれないよと夫はあとであーちゃんパパママや私に責められること!責められること!

きっと最後のチャンスを逃したと思います(ーー;)





さて本日は木内昇氏著『櫛挽道守』をご紹介します。


「神業と称えられる櫛職人の父。
家を守ることに心を砕く母
。村の外に幸せを求める妹。
才を持ちながら早世した弟。
そして、櫛に魅入られた長女・登瀬。
幕末、木曽山中。
父の背を追い、少女は職人を目指す
。家族とはなにか。女の幸せはどこにあるのか。
一心に歩いた道の先に深く静かな感動が広がる長編時代小説。
黒船来航、桜田門外の変、皇女和宮の降嫁…時代の足音を遠くに聞きながら、それぞれの願いを胸に生きた家族の喜びと苦難の歴史」


第27回柴田錬三郎賞を受賞されました~!

2011年第144回直木賞受賞作『漂砂のうたう』を読んでその充実度に注目していた作家さん。


本書も充実申し分ない作品でした~!


時代と舞台は幕末の木曽の山間の小さな宿場町の櫛職人の里。

飾り櫛とも解かし櫛とも異なる髪の垢やフケをとるために梳くのに用いる櫛「お六櫛」の職人が集まった里。

1日の大半を櫛を引くことで糧を得て生き続けてきた職人の家に生まれた娘・登瀬の半生の物語。


女は嫁いで子を産み育て夫を支えて一家を守るのが一生の仕事とされていた時代に、幼い頃より神業ともいえる父親・吾助の櫛挽きの技に魅せられた16歳の登勢が周囲の冷たい目を浴びながら一途にその道を突き進み櫛職人として成長する32歳までの半生を描いて秀作です。


舞台になっている木曽の狭く貧しい寒村の描写と繊細な櫛挽きの描写を交差させながら黒船来航や桜田門外の変など急速に幕府崩壊へと向かう幕末の時代の風を織り込むという細やかな心配りにさすが木内昇!と感服するほどの出来栄え。


個人的に私は有名な人の評伝仕立ての小説などより、日の当たらない片隅で脚光を浴びることもなく生涯を一筋の信じた道を突き進む市井の人々を主人公にした物語に強く挽かれる傾向があり、そういった意味でもこの作品には胸を打たれました。

華々しく活躍する人々もすばらしいですが、主人公・登瀬の現代人には見られないひたむきさと瑞々しさが何とも切なく、胸に迫ります。

「一途に生きる」という言葉に弱い私。

心理を自己分析すると「ないものねだり」という感じでしょうか。


余談ですが「お六櫛」について

長野県木曽郡木祖村薮原で生産される伝統工芸品で、たった一寸(約3cm)の幅におよそ30本という驚異的な細かさで櫛歯が挽かれたみねばりの小さな櫛だそうです。

今も長野県伝統工芸品として売られているそうなので目にすることもあるでしょう。


最後に著者の言葉

 「家族を描きたい、という思いが最初にありました。
登瀬の一家は、山中の宿場町で、黙々と櫛を作り続ける。
外に出て行くこともなく孤立していますが、ある意味ではとても純化した家族といえます。
現代ではすぐに家族から離れることはできますが、当時はすごく家が閉ざされていた。そんな中の軋轢(あつれき)や息苦しさを描きたかった」

2年前乳がんで亡くなられた渡辺容子氏の作品に初めて触れたのは江戸川乱歩賞受賞作『左手に告げるなかれ』でした。

今ブログを調べてみると2006年にアップしているので今から8年も前になるのですね。

スルガ警備保障保安士・八木薔子を主人公としたシリーズ、映像化もされ、ヒロイン八木薔子を演じていた天海祐希が珍しくイメージに合っていたのを覚えています。


シリーズ第3作『エグゼクティブ・プロテクション』が最後となりました。


著者の作品では特に八木薔子シリーズのファンだったので成長し続ける八木薔子がもう見られないのは残念です。


今日ご紹介するのは著者が闘病中に執筆されたものですが、その資料を検索中、がんの無治療つながりで無治療患者さんのブログを見る機会がありました。

40代の乳がんの女性の方2人。

それぞれの理由で医師の勧める標準治療-手術、抗がん剤、ホルモン療法、放射線-を拒否して自然に任せる、あるいはがんが消滅あるいは退行するという代替医療にのめり込むという道筋。


大方は抗がん剤が正常な細胞を蝕み体がかえってボロボロになる、強い抗がん剤によって逆にがん細胞の威力が強まりとてつもなく苦しい死への道のりとなるというのが考え方の1つにあるようです。

代替医療にも種々ありますが、推奨される人はがんが退行または消滅する、あるいは最悪の場合でも3大治療をした場合とちがってゆるやかな穏やかな死が迎えられるといいます。


私はがんに罹患したことはありませんが、元来過剰な化学療法に否定的でできるなら東洋医学的なものや代替医療で体を正常な状態に戻したいという願望をずっと持っていました。


夫が3度のがんになったとき、私がリウマチになったとき、思いつくかぎりの東洋医学、代替医療を行って悪戦苦闘した長い期間があります。


温熱療法、枇杷の葉療法、抗がん作用のあるきのこ各種、NK細胞が活性化するというお茶各種、玄米菜食を含む正食療法、鍼灸、交流磁気、遠赤外線、水などなど数えあげたらきりがありません。


リウマチと診断されてすぐに大学病院でステロイドを処方され、飲み続けたためにステロイド性白内障、糖尿病、高血圧、ムーンフェイスなどてんこ盛りの副作用を経験し、これはいかんと初めて勉強し調べた結果、ステロイドゼロを売り物にしていた某博士の指導する代替医療専門病院に3ヶ月入院したこともあります。

そこで見た現実、9割ががん患者さんと重症のアトピー患者さんで占めるその病院では主旨とは違ってステロイドが使われ、加えて某博士が考案したというサプリを浴びるほど服用して細胞を新しく生まれ変わらせるという療法。

外部から見たらたいへん奇妙な集団だと今は思いますが、中にいる患者たちはお互い助け合いながら必死に代替医療にのめり込んでいました。

全国津々浦々から集まった患者さんたちからも多岐に渡った代替医療の知識を得ました。


私はといえばステロイドを抜くために入ったはずなのに、その3ヶ月の間にステロイドが増量され炎症反応は下がったものの(当たり前^_^;)退院したらすぐに元の木阿弥になったりして。。


濃密な入院生活で心を寄せ合ったがん患者さんたちは一定期間の入院生活で徐々に悪化して退院後1~3年のうちに全員亡くなるという悲しい別れも山ほど経験しました。


化学療法を拒否した人たちばかりでしたが、某博士も常日頃言われていた「ゆるやかな死」とは遠い道のりを辿られた方がたくさんいました。

すべての代替医療がそのような実態とはいいませんが、その後夫のがん発症を通して学んだことはどのようなすぐれものの代替医療もがんの前にはほとんど無力であろうということ。

持って生まれた遺伝子にもよるだろうし、万人に効く代替医療があればいいんですけどね~。


30歳で手遅れに近い乳がんを発症(母親に隠していたために受診が遅れた)した姪を診察した乳がんの名医といわれている医師はあまりの患部の凄惨さに息をのんだといいます。

両親(私の弟夫婦)の前で一応手術はするが3ヶ月の命と宣告されたそうです。

その後長く続く抗がん剤に耐え、3ヶ月といわれていた余命は12年たった現在も元気で更新しています。

放置していたらどうなっていたか、きっと悲惨なそして薄氷を踏むような毎日のあとの死だったと思います。

その後のことは神のみぞ知るですが、それでも放置しなくてほんとうによかったと思える例です、夫の例も含めて。


そんなこんな様々なことを踏まえて、さて私ががんに罹患したらどうか、部位、がんの悪性度など様々な要因を検討しなければなりませんが、今までそれなりに幸せな人生を送れてきたことを感謝して放置に傾くかもしれません。

子育てしなければいけない子どももいないし。

その時点での年齢が非常に重要なポイントになるような気がします。

自分自身は若いときより生きる意欲に乏しい人間・・・例えば明日朝目覚めなくてもそれなりに満足する生だったと日頃から思っているのでアグレッシブな選択はやめにして自然に過ごす方を選ぶかもしれません。


が、これもその場になってみなければわからない、ただ後悔しない選択をしたいと思っています。


渡辺容子氏の作品に話を戻します。


渡辺容子氏著『乳がん 後悔しない治療──よりよく生きるための選択』






「ちょっと待って! その手術、その抗がん剤、本当に必要ですか?──医師の勧めに従って受ける手術や治療。でも後遺症や副作用で苦しむのは患者です。あなたは、本当に信頼できる医師から、納得できる治療を受けていますか?」


著者の乳がん発症からの経緯は出版社のコメントが明確にトレースしているので以下転載します。

―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ――  
16年前、彼女は自分の乳房に5ミリのがんを発見する。
超早期発見である。
通常なら、すぐに手術でがんを(あるいは乳房すべてを)切除するところだ。
しかし、彼女は、そのままがんを放置する。
あきらめたからでも、自暴自棄になったからでもない。
慶応義塾大学放射線科の近藤誠医師と出会い、乳がんについていろいろと学んだ彼女は、現代医学が提唱する早期発見・早期治療がいかに非科学的であるかを知っていたからだ。
現在、一般的に推奨されている乳がん治療は、がんを叩くと同時に、体に大きなダメージを与える。
それで乳がんが完治するなら悪くない。
だが、多くの乳がんは、超早期で発見して切除しても、転移するものはすでに転移をしてしまっている(なかには転移しないものもあり、これは命取りになることはない)。
手術の後遺症や、抗がん剤の副作用に苦しみながら、がんと闘っても、延命効果はないのである。
それならば、体へのダメージを最小限におさえた治療を受けながら、自分の人生を十分に味わって生きていこう。
信頼できる医師と相談しながら、自分に適した治療法をひとつひとつ自分で選択していく彼女は、与えられた薬についても、その効果をいちいち確かめながら自分で適量を定めて飲む。
納得のいく治療を受け、後遺症や副作用を最小限に抑えて前向きに生きる。
彼女の実践は、乳がん患者だけでなく、いずれは死んでゆく私たちすべてに、不安や恐れを克服して生きる道を教えてくれる。
―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― 

近藤医師の推奨される「乳がんをいつ手術しても結果は同じ」という説を信じているだけでなく乳がん検診や術後の定期検診も否定されていたそうです。

近藤医師の著書は我が家にもずらりと並んでいますが、学説的には厳しい反論も多く、一般人である私にはどちらが正しいのか、あるいは一部が正しいのか判断に苦しみますが、彼の説に共感を持ち、納得して揺らがないという渡辺氏の信条はりっぱだし、なによりも渡辺氏ご自身は迷いがないという点においては幸せだったのではないでしょうか。

人間は遅かれ早かれいつかは必ず死にます。


著者の選択がベストだったか、そうでなかったかというのは別として、人生の限りをまだ人生途上半ばで知り、しっかりと見据え、豊かで意味あるものにする努力をしたということに最大の敬意を払いたいと思います。

身の回りの秋を拾ってみました~。
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夕映えを戦火と見紛ふことのなきまほろばの世の永くあれかし
金木犀の香に立ち止まり見上ぐればかなたに褪せゆく夕茜雲


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コスモスのうすき花びらそつと撫でやさし秋風 天つ風となる
秋風にコスモス淡く揺れてをり遠き昔の片恋想ふ



さ緑のふうせんかづらのかろき実にいのち育む小宇宙あり


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一房の葡萄食みつつ秋を聴く新月の夜の〈Yesterday Once More〉


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庭隅に〈みせばや〉咲けりいにしへのひとの想ひも知らで密かに




さて本日は岡田信子氏著『たった一人の老い支度』をご紹介します。


「結婚に破れ、家族も財産も手放したとき、私はもう五十歳だった―。
持ち前の明るさと頑張りでゼロから再出発、仕事・お金・友人・住まいを少しずつ獲得して人生を再建した著者が、思い切って明かす前向きマル得生活術。
老いと向き合う年代を、楽しく賢く堂々と生き抜くためのユニークな知恵と工夫に、あっと驚き、ぐっと納得、じんわり共感させられる、元気いっぱいエッセイ集」

データベースより著者・岡田信子氏の簡単な経歴を拝借・転記すると・・・

早稲田大学政治経済学部卒。アメリカに留学しミリガン大学、ジョージタウン大学大学院に学ぶ。州のケースワーカーを経て、1979(昭和54)年に「オール読物」新人賞を受賞。帰国後は小説、ドキュメンタリー、実用書を執筆。早稲田大学オープンカレッジ講師、ラジオ日本「早起き一番館」パーソナリティーなども務める。


本書を執筆された2002年に70歳になられたというと、現在82歳、本書執筆と平行して老いらくの恋を実らせ再婚されたという情報があります。


長年のアメリカ暮らしで築き上げられた夫と子どもたち(息子と娘)との生活から離婚という選択をして離れ、単身無一文で日本に帰国、親兄弟との関係も悪化して名実ともに独り身になった著者が老後を生き抜くための知恵や情報が満載なのは頷けます。


が、なにしろ今から14年前の社会情勢の下に書かれた本書、盛りだくさんの役に立ちそうな情報があまりにも古く、現在の身辺に置き換えて利用しづらいというマイナス要素は否めませんが、老後に起こりうる生活の困難な要素への解決方法を微に入り細にわたって記されている点は実用書としてはりっぱです。


独り暮らしの老後を過ごす上での心構えなどの精神面はとても参考になりますが、いかんせん著者ほどのバイタリティがあればの話。


著者の言われる「老後に悠々自適はない」というのは、年々年金額が目減り、消費税アップの現在では妙に実感を持って受け入れられる言葉です。


けっこうお金の話が多く、独力でご自身の口を養われている身としての視線での工夫があれこれあり、節約術を駆使して月10万円で豊かに暮らせるといいます。


独り身でいちばん恐ろしいのは呆けて自分自身の処置ができなくなったときであると指摘していますが、これは独り身だけの問題ではありません。


寂しさと引き換えの独り身の気楽さについても言及、気持ちしだいで楽しく暮らせる工夫もたくさん列挙してあります。


少々情報が古いのを我慢すれば参考になること多々あります。

温帯低気圧に変わってやっと収束した台風19号ですが、皆様被害はなかったでしょうか。

当地は13日夕方~夜半にかけて強い風と雨に見舞われましたが、ほとんど影響もなく今朝は秋晴れのよいお天気でした。

多忙のためお盆に帰省しなかった娘が3連休を利用して帰宅していましたが、刻々と変化する台風の影響により帰りの新幹線を早めて13日午後一で東京に帰宅しました。

9月24日に米国アップルのパソコン「マック」やサーバー、通信機器などが攻撃されるという「シェルショック」が発覚してからというもの不眠不休で対応していたらしく、少々やつれていました。

娘の職場は不穏な動きをするウィルスなどを24時間遠隔監視するセンターにあり、そこのマネジャーをしているので10日に収束宣言が出されるまでの2週間あまり土日も返上していたそうです。


家でのんびりとパソコンで遊んでいる私は娘から修羅場の様子を説明してもらってもなんのこっちゃという感じですが、世界で次から次に生まれるウィルスの害から顧客を守るために24時間体制で1秒たりとも休まず監視している人たちがいるということだけはわかりました。


台風が来たら来たで、2交代制で勤務している人たちの出勤や帰宅を確保するための電車の様子などチェックして万が一を予測してホテルをリザーブするのもマネジャーの仕事の一環ということで慌てて帰京しました。


こんな苛酷な職場、一刻も早くやめてほしいというのが母の願いです。





さて本日は中野信子氏著『脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体』をご紹介したいと思います。


「セックス、ギャンブル、アルコール、オンラインゲームー人間はなぜ、これらをやめることができないのか。
それは中脳から放出される“脳内麻薬”ドーパミンが『快感』を司る脳の各部位を巧みに刺激しているからである。
コカインや覚醒剤はこの脳内回路『報酬系』を誤動作させて過剰な快楽を与え、依存症を招くものだ。
だがこのドーパミンは他人に褒められたり、難易度の高い目標を達成するなど、『真っ当な喜び』を感じる時にも大量に放出されている。
なぜ人間の脳はこんなしくみになっているのか。
話題の美人脳科学者が人体の深遠なる謎に迫る」


2004年東京大学大学院医学系研究科医科学専攻修士課程修了。
2008年東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。
2008年~2010年フランス原子力庁サクレー研究所で研究員として勤務。
フジテレビ「平成教育委員会2013!!ニッポンの頭脳決定戦SP」で優勝、「日本一優秀な頭脳の持ち主」の称号を得る(「BOOK」データベースより)


毎日の生活で時には心が浮き立つことがあります。

実際は何もできないのに何かできそうな万能感というか・・・そんな感情を瞬間的に抱いた経験のある人は多いと思います。

私も年に数えるほど。

持続できれば何かをなし得られると思いますが、いかんせん長続きしない。


そんな高揚感の元となる犯人がドーパミンというのは新聞やテレビなどで知っている人も多いと思います。

本書によると次のようなときヒトの脳の中にはドーパミンが分泌されているそうです。

◆楽しいことをしているとき
◆目的を達成したとき
◆新しい行動を始めようとするとき
◆意欲的な、やる気が出た状態になっているとき
◆好奇心が働いているとき
◆恋愛感情やときめきを感じているとき
◆セックスで興奮しているとき
◆美味しいものを食べているとき


このドーパミンが過剰に分泌されると・・・

★興奮状態になり、時には攻撃的になる
★アルコールやタバコの依存症など、ある種の行動が止められなくなる
★幻覚を見たり、妄想を抱いたりする(統合失調症)

反対にドーパミンが不足すると・・・

☆意欲や興味、好奇心などが減退し、無気力な状態になる
☆パーキンソン病


脳で作られる快楽物質にはドーパミンのほかに苦痛を和らげる快楽物質としてオピオイドがあるそうです。

時に応じて自然に人体で作られるものですが、人類の長い歴史の間にこれら快楽物質に照準を定めて合成されたのが覚醒剤や麻薬、鎮痛剤です。

特に鎮痛剤は傷の痛み、手術中の痛み、出産に伴う陣痛、ガンによる痛み、そして神経が損傷された時の痛みなど、多くの痛みを和らげるのになくてはならないものとしてオピオイドの合成に到っています。

あとになりましたがドーパミンに注目して外部から人体に入れて作為的に興奮状態を作るものとして古くからアヘンなどの麻薬やヒロポンとして戦時中合法的に求められていた覚醒剤などがあります。


これらを分類してわかりやすく解析しているのが本書。


少し前ASKA氏の覚醒剤や合性麻薬への依存が話題になりましたがこれらに対する依存症は決して心の弱さといったものが原因ではなく、脳内の物質の異常から来る病気であると説明しています。

本書は素人にもわかりやすく快楽の正体について多くの実験結果や知見を用いて統計的かつ科学的に説明されていますが、特に目新しいものやアイディアはないので脳内麻薬のメカニズムを学びたい人には入門書的な効力を発揮すると思います。

依存症には薬関係のみならずアルコール、ニコチン、セックス、過食やギャンブル、果ては買い物、インターネット、携帯電話など幅広い分野があり、どれも源は同じ原理であることを解いています。


自分は関係ないと言い切ることができないような・・・人間は何かに依存しないと生きていけないですものね。

本書を通して、私が不治の病に罹患した暁にはぜひぜひドーパミンとオピオイドを浴びるほど摂取させてほしい、多幸感の中で旅立ちたいと思います。

台風のラッシュですね。

当地は台風の警報が出ても直前に進路を変更してくれたりというありがたい地域、そういう特性のためか、夫の元同僚や先輩など、当地に勤務したことがない人たちもリタイア後の住まいとして岡山を選ばれている方々がたくさんいらっしゃいます。

ここのところ台風ラッシュですが、今週の初め予定していた鳥取・米子への一泊旅行も難なく行くことができました。


ずっと昔夫の転勤で1年半ほど米子に住んでいたことがあり、そのとき親しくなった友人3人で懐かしい皆生の宿に集いました。

それぞれ転勤族だったのであと全国に散らばりましたが、その土地土地でも行き来して現在に到っています。


本当はあと1人メンバーがいましたが、転勤先の宮崎の地でうつ病を発症、飛び降りという方法で自死、今から20年ほど前のことです。


若かった30年ほど前の米子での毎日は楽しく、テニスや陶芸、冬は大山に毎週スキーに行ったり、陰鬱な天候ながら山陰を謳歌していました。


上の2人の子どもたちと年が離れて次男が生まれたのも米子、1歳になったときに転勤で離れたので、そのころの知り合いは次男の現在の写真を見て驚きます。


そんなこんなで懐かしい皆生温泉に一夜を集い、夜中3時過ぎまで語り明かしました。


神々の創り給ひし弓ヶ浜見護る松はいとものふりて
話の内容は・・・過去の思い出、これからの行く末、体の調子、老後の蓄え、お葬式の形態、お墓の話、そして夫の言動で困ったことなどなどなど。

いずこも同じ・・・という感想でした。


そして帰宅した翌日、先日の不整脈の検査のため友人の勧めてくれた専門病院を受診しました。

血液検査、心臓のレントゲン、心電図、超音波、聴診器


旅行前丸1日半ほど頻脈が続き虚脱で何も出来なかった状態から脱したものの、徐脈が時々起こっている状態だったので結果が不安でしたが、やはりひどい状態のとき以外は異常脈は拾えないらしく、「とてもきれいです」とのこと。

不整脈専門医の提案で[不整脈チェッカー]という器械を2週間借りて、その間頻脈が起こったら自分で波形を取るという指導をしてもらいました。
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これを左の掌に包み込み、右手の親指と他の4本で掴むようにして電源をonすると自動的に3分間波形を記録して自動的にoffしてくれるそうです。

果たして運よく(?)2週間のうちに悪くなるか、心もとないですが。。。





さて本日は安東能明氏著『出署せず』です。


「柴崎令司警部は、今回も綾瀬署を離れることができなかった。
その一方で、同世代のキャリア・坂元真紀が署長に着任。
現場経験に乏しいコンビが誕生してしまった。
職務にまつわる署内の不祥事、保護司による長男殺しの闇。
そして、女性店員失踪事案の再捜査が、幾つもの運命を揺さぶりはじめる――。
ミステリ×人間ドラマの興奮。
日本推理作家協会賞受賞作を継ぐ、シリーズ第二弾」


柴崎令司シリーズ『撃てない警官』に次ぐ第二弾。

一作目と同じく地味な内容ですが、期待に背かない充実した作品でした。

4編の短篇と中編が1編。


奇を衒った警察モノも多い中、著者は元警察官?と誤解するくらいすばらしい取材力、絵空事ではなさそうなところに挽きつけられます。


現在のポジションに不満を持ち、一刻も早く抜け出したいと思っている上昇志向の強い主人公ながら、職務に忠実に一歩一歩着実に事件を検証していく様子が人間的。


上司や部下などの人間考察も地に足が着いていて共感を呼ぶ構成で物語が展開していきます。


スマートな推理や行動で読者をあっと言わせる仕掛けはありませんが、誠実な警察ものであることにちがいありません。

お勧めです。

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