小林麻央さんが亡くなられましたね。
これほど多くの人々に愛されて祈られたのに、思いは届きませんでしたね。
海老蔵さんのことも麻央さんのこともファンというわけでもなく関心もなかったのに、これほど遠い存在の人に元気になってほしいと心から願ったのは初めてです。
愛する海老蔵さんやお母さん、お姉さん、そして何より小さな2人の子どもたちを遺して逝かなければならない気持ちはどんなだったのだろう。
人の命の理不尽な不公平を感じて切なくなります。
親しい人々との永劫の別れに慣れる日がくるのだろうか?
この頃よくこんなことを考えます。
麻央さんの海老蔵さんへの最期の言葉は「愛してる」だったそうです。
最期に言葉を発する機会を与えてもらえたら、、、感謝の言葉が言えたら嬉しいな、と。
勝海舟の最期の言葉は「コレデオシマイ」だったそうですが、言えなかった人々は墓碑という形で生前の心情を遺していますね・・・故人になりかわって親しい人たちが。
有名なのをいくつか・・・
小津安二郎氏の墓石には「無」
スタンダール:「生きた、書いた、愛した」
ヘミングウェイ:「起きることが出来なくてすまんな」
エミリー・ディキンソン:「呼び戻された」
カレン・カーペンター:「地上の星 天国の星」
アル・カポネ:「神よ、あわれみ給え」
ジョン・キーツ:「その名水に書かれた人ここに眠る」
カール・マルクス:「全国の労働者よ団結せよ。哲学者たちはただ世界をいろいろな風に解釈してきた。だが、世界を変革することこそが大事なのだ」
リルケ:「バラよおお清らかな矛盾たれが夢にもあらぬ眠りをあまたなる腕のかげに宿すよろこび」
シンプルに勝る最期の言葉や墓碑はなし・・と思います。
さて今日は大崎善生氏著『ロストデイズ』のレビューを少し。
「30半ばで娘を授かった西岡順一は、子供の誕生の喜びとは裏腹に、妻との関係がこのまま在り続けるのか不安を抱く。
妻との距離をつかめなくなった矢先、意に沿わぬ人事異動の命が。
アルコールに逃げる順一を、しかし、妻・由里子は静かに見守るだけだった。
そんなある日、大学時代の恩師で娘の名付け親でもある大島危篤の報が。
二人は急遽、教授夫妻の住むニースへ旅立った。
夫人の勧めで二人はさらにジェノヴァへと向かう。
旅の中で二人がたどり着いたものとは?
自分たちは人生の頂に近づいているのか、頂を過ぎこれからは下っていくのか?
切なく胸に染み入る至高の恋愛小説」
昨年映画の大ヒットで話題になった「聖の青春」の原作者。
ご自身も将棋に精通されていて、一時期「将棋世界」の編集長をされていました。
その時代に上梓された『聖の青春』がベストセラーとなり、続編というべき『将棋の子』を書かれたのち、小説家としてスタートされました。
このブログでも何作かアップしています。
今朝も新聞で久しぶりに大崎善生氏の名前を拝見。
公式戦29連勝の歴代新記録を樹立した将棋の史上最年少棋士・中学3年生の藤井聡太四段へのコメントが掲載されていて・・・。
恐るべき中学3年生!
昨年の映画に続き、藤井聡太君のお陰で将棋がすごい勢いでクローズアップされています。
将棋に関して何にも知らない私ですが、棋譜が読めたら楽しいだろうな、と思えます。
将棋人口がどんどん増えたらいいな。
さて本書に戻ります。
人生という坂道をいったんは妻と登り、親となり幸せを掴んだはずだったのに、ふと立ち止まったところで人生の意味を見出せなくなってどんどん下り坂を下りていくような虚無に苛まれながら過ごしていた西岡の視点から物語が展開していきます。
そんな西岡と妻に転機が訪れる物語。
著者の描く男性像のほとんどがこの主人公のように生き難い繊細さを持っていて、それは著者の内面にあるものが滲み出ているのだろうな、といつも感じながら読んでいます。
本書でも女性側の感じ方は置いてきぼりで、主人公の夫が高揚感や脱力感を独り占めしているという感じ。
著者の描く心象風景は美しく、読み応えはありますが、主人公のひとり相撲的な感情の起伏にちょっと辟易させられた内容でした。
これほど多くの人々に愛されて祈られたのに、思いは届きませんでしたね。
海老蔵さんのことも麻央さんのこともファンというわけでもなく関心もなかったのに、これほど遠い存在の人に元気になってほしいと心から願ったのは初めてです。
愛する海老蔵さんやお母さん、お姉さん、そして何より小さな2人の子どもたちを遺して逝かなければならない気持ちはどんなだったのだろう。
人の命の理不尽な不公平を感じて切なくなります。
親しい人々との永劫の別れに慣れる日がくるのだろうか?
この頃よくこんなことを考えます。
麻央さんの海老蔵さんへの最期の言葉は「愛してる」だったそうです。
最期に言葉を発する機会を与えてもらえたら、、、感謝の言葉が言えたら嬉しいな、と。
勝海舟の最期の言葉は「コレデオシマイ」だったそうですが、言えなかった人々は墓碑という形で生前の心情を遺していますね・・・故人になりかわって親しい人たちが。
有名なのをいくつか・・・
小津安二郎氏の墓石には「無」
スタンダール:「生きた、書いた、愛した」
ヘミングウェイ:「起きることが出来なくてすまんな」
エミリー・ディキンソン:「呼び戻された」
カレン・カーペンター:「地上の星 天国の星」
アル・カポネ:「神よ、あわれみ給え」
ジョン・キーツ:「その名水に書かれた人ここに眠る」
カール・マルクス:「全国の労働者よ団結せよ。哲学者たちはただ世界をいろいろな風に解釈してきた。だが、世界を変革することこそが大事なのだ」
リルケ:「バラよおお清らかな矛盾たれが夢にもあらぬ眠りをあまたなる腕のかげに宿すよろこび」
シンプルに勝る最期の言葉や墓碑はなし・・と思います。

「30半ばで娘を授かった西岡順一は、子供の誕生の喜びとは裏腹に、妻との関係がこのまま在り続けるのか不安を抱く。
妻との距離をつかめなくなった矢先、意に沿わぬ人事異動の命が。
アルコールに逃げる順一を、しかし、妻・由里子は静かに見守るだけだった。
そんなある日、大学時代の恩師で娘の名付け親でもある大島危篤の報が。
二人は急遽、教授夫妻の住むニースへ旅立った。
夫人の勧めで二人はさらにジェノヴァへと向かう。
旅の中で二人がたどり着いたものとは?
自分たちは人生の頂に近づいているのか、頂を過ぎこれからは下っていくのか?
切なく胸に染み入る至高の恋愛小説」
昨年映画の大ヒットで話題になった「聖の青春」の原作者。
ご自身も将棋に精通されていて、一時期「将棋世界」の編集長をされていました。
その時代に上梓された『聖の青春』がベストセラーとなり、続編というべき『将棋の子』を書かれたのち、小説家としてスタートされました。
このブログでも何作かアップしています。
今朝も新聞で久しぶりに大崎善生氏の名前を拝見。
公式戦29連勝の歴代新記録を樹立した将棋の史上最年少棋士・中学3年生の藤井聡太四段へのコメントが掲載されていて・・・。
恐るべき中学3年生!
昨年の映画に続き、藤井聡太君のお陰で将棋がすごい勢いでクローズアップされています。
将棋に関して何にも知らない私ですが、棋譜が読めたら楽しいだろうな、と思えます。
将棋人口がどんどん増えたらいいな。
さて本書に戻ります。
人生という坂道をいったんは妻と登り、親となり幸せを掴んだはずだったのに、ふと立ち止まったところで人生の意味を見出せなくなってどんどん下り坂を下りていくような虚無に苛まれながら過ごしていた西岡の視点から物語が展開していきます。
そんな西岡と妻に転機が訪れる物語。
著者の描く男性像のほとんどがこの主人公のように生き難い繊細さを持っていて、それは著者の内面にあるものが滲み出ているのだろうな、といつも感じながら読んでいます。
本書でも女性側の感じ方は置いてきぼりで、主人公の夫が高揚感や脱力感を独り占めしているという感じ。
著者の描く心象風景は美しく、読み応えはありますが、主人公のひとり相撲的な感情の起伏にちょっと辟易させられた内容でした。