あとづけの理由いくつか用意して衆院解散 混沌の渦
突如小池新党が名乗りを上げて与党野党混沌となってきました。
北朝鮮からの脅威から国民を護ることを第一義として・・・力強い安倍氏の演説・・・ならばミサイル連発のこの時期になぜ突然の解散??? と突っ込みたくなってしまいます。
SNSの友人のUさんがつぶやきで「いまこそ共産党が改名し選挙に臨んでは?」と提案されていたのに大いに共感しました。
戦後のレッドパージの時代から非合法政党としてのイメージをいまだ完全に拭い去れないという人々も多い中、ここで思い切って改名したら、解体寸前の某党のリベラル議員さんたちもジョインしやすくなるのでは?
Uさんは「共生党」を候補に挙げていらっしゃいましたがなかなかにいい名前(^.^)
私も夫も共産党にはアレルギーがある世代ですが、共生党なら応援してもいいかな。

「乳癌と診断されながらも、完治したように見えるなか、彩子は夫から勧められた会員制プールに通い始める。
そこで声をかけられたのが、中学校時代の同級生・光洋だった。
早熟で独特の雰囲気を放っていた男との思わぬ出会い。
さらに夫の言葉が、時を隔てた再会に微妙な色合いを与えて…。
表題作ほか1編を含む、悩める女性たちに贈る篠田流スパイシーな恋愛小説」
1955年東京都生まれ
1990年に『絹の変容』で小説すばる新人賞
1997年『ゴサインタン』で第10回山本周五郎賞
1997年『女たちのジハード』で第117回直木賞
2009年『仮想儀礼』で第22回柴田錬三郎賞
2011年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞
そのほか『薄暮』『廃院のミカエル』『長女たち』『秋の花火』『はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか』『コミュニティ』『ミストレス』『ブラックボックス』『銀婚式』など著作多数
篠田節子氏の作品は興味惹かれるものが多々あり、このブログにも多々アップしていますのでよろしかったら読んでくださればと思います。
上記の作品中、アンダーラインが引かれているのがそれらです。
本書には中篇が2篇―「スターバト・マーテル」と「エメラルドアイランド」―が収録されています。
表題作となっている「スターバト・マーテル」は13世紀に生まれたカトリック教会の聖歌の一つで日本語では「悲しみの聖母」(「聖母哀傷」)と呼ばれているものです。
中世以来、多くの作曲家がこの詩に曲をつけているので聴かれた方もたくさんいらっしゃると思います。
キリストが磔刑になったときの母マリアの極限の悲しみが歌われています。
私はドヴォルザークのものを聴いたことがあります。
話を本書に戻します。
乳癌と診断され手術を受けた彩子が主人公。
前向きで快活をよしとする夫は病気を機に内面にいつも死を内包しているような彩子を持て余しつつも会員制のプールに行くことを薦め、彩子が気が進まないながらそれに従ってプールに行くところから物語がスタートします。
そこで中学のときのクラスメート光洋に再会した彩子。
回想の中の光洋は頭脳明晰ですべての能力に長けつつも容易に分け入ることのできない雰囲気を持った男子でしたが、あることをきっかけに瞬間的に2度淡い交流を持った2人。
長じてプールで再会した光洋はだれもが想定したようなエリートコースから外れた人生を過ごしてきたことを徐々に彩子は知るようになります。
2人の中学時代の出会いから、具体的な行動は何もないのに、すでにとても官能的な雰囲気を醸し出していて、行き着くところは・・・と先読みしてしまいそうになる筆運びでしたが、中盤あたりからどんどん予想外の展開に。
意図的ではなくもイスラエルの武器製造に協力していたという光洋の背景が徐々に明らかにされるあたり、あまりにも荒唐無稽の急展開とあっけないラストにちょっと引けてしまいました。
生と死は同一線上にあるという一見虚無的にも見える彩子の内面は、がむしゃらに生きたいと思わない私にはとても共感できるというのが収穫かもしれない作品でした。