VINのらんどくダイアリー

ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。 響きこし言葉に貼れるさみどりの付箋そよぎて林となりぬ

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2018年05月

友人に誘われて2年ほど前から始めている水彩画教室の一環で倉敷・美観地区に写生に行きました。


誘った友人は早々やめて別の教室に鞍替えしてしまった今、出遅れて今日やめようか、明日やめようかと思いながら続けている不熱心な私ですが、先生のお人柄がいいのと、周りの友人たちがやめるのを認めてくれないので、細々と続けているという裏事情。



当地では倉敷・美観地区がいちばんの人気スポットで平日にも関わらず老若男女が周辺に溢れていて、とてもスケッチ帖を広げる勇気はなく・・・



歩き回って下手な私でもどうにか描ける被写体を探しては写真に収めて人の見ていない隙を狙ってラフスケッチをして早々に引きあげました。

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人の目を盗んで・・・自分ながら犯罪者のよう(笑)


今日あらためて彩色してみた一枚がこれ。

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おかしな構図で不本意極まりない写生ですが記念に。


短歌を作るよりしんどい(ーー;)


いつまで続くか??






さて本日は眉村卓氏著『僕と妻との1778話』のレビューです。 

「妻が、悪性腫瘍のために余命一年と告げられた。
作家の夫は、妻に余計な心配をかけないようにする以外、出来ることはない。
せめて、毎日気持ちの明るくなるような話を書いて、読んでもらおうと考えた―。
第一回『詰碁』から一日一話を妻に捧げ、『最終回』まで、全1778話になった。
夫婦の歳月のなかのメモリアルセレクション52編。
五年頑張った妻が亡くなった日までの、感動の創作秘話も収録」



大腸癌で余命一年と宣告された妻が亡くなるまでの5年間、一日一話を捧げると決めて書き続けた1778話から52話を収めたメモリアルセレクションが本書です。


あくまでダイジェスト版なので全編を読みたい方は新潮新書から出ている『妻に捧げた1778話』があります。


内容的には著者の得意とするSF的ショートショートなので、話そのものに感動を求めて読むと肩透かしを食らうと思います。


娘さんによるあとがきには次のような記述があります。

「いま考えると、母が父を応援していたのだ。
自分が病気だからといって父の執筆を邪魔したくない。
そんな母の願いと父の意気込みがうまく重なった」



一話のクオリティ云々より毎日毎日書き続けて病床の妻に読んでもらう、笑ってもらう、指摘をもらう・・・夫婦共作のような営み・・・なんてすばらしい夫から妻へのギフトなんだろうとその長く続けた著者に心から敬服、胸が熱くなります。


特に終末が近づくとともに、著者のただならぬ混乱の様子が読み取れて痛みにも似た思いで最後の数篇を読了。


この最終回にこそ1778話が集約されているような・・・ご夫妻の深い愛情に胸を衝かれました。


興味ある方はぜひどうぞ。

アメリカンフットボールの定期戦での日大選手による悪質タックルで関西学院大QB選手が負傷した問題がこのところ大きな波紋を広げていますね。


試合開始直後、投げたパスが通らず空を仰ぐ青いユニフォームの関学QBに赤いユニフォームの日大選手が背後から全力疾走で迫り、プレーが終わりすっかり気を緩めていた関学QBの背中に猛烈なタックルを見舞って、不意をつかれた関学QBが激しく仰け反り、頭は激しく地面に打ち付けられたというもの。


このところ連日映像で流されているので私も少し詳しくなりました。



アメフトではプレーが終わった後の無防備な選手へのタックルは禁止されているそうです。


「アメフトでは」というよりすべてのスポーツでもそれはだめでしょう。


相撲でも白鳳の勝負がついたあとの対戦相手へのダメ押しが話題になったりしていますが・・・



騒動のあとかなりの日数の経過後、被害選手やその保護者、関学大関係者に直接謝罪に行ったあと辞任を表明した日大・内田正人監督。


会見を見ていましたが謝罪の場にふさわしくないピンクのネクタイ。


謝罪相手の関西学院大学を「かんさいがくいん」というに及んではちょっと呆れました。


しかも反則が自身の指示によるものかという騒動の核心には言葉を濁したまま、監督は辞めても日大の理事を辞任するということに言及はありませんでした。



アメフトといえば・・・

社会人アメフトチームの中で5つの強豪に上がる〈パナソニックインパルス〉。


社会人日本一を7回達成、ライスボウルでも4回優勝しているという〈インパルス〉ですが、夫がその昔、チームメンバーの所属する職場の長についていたことがあります。


多くの社会人チームは練習以外は仕事の軽重はあるものの、一般サラリーマンと変わらず会社の一員として働いているそうで・・・。


その頃、2度ほど夫について〈インパルス〉の試合を見に行ったことがありますが、ルールが難しくて観戦し辛かったという記憶があります。


あの選手たちはその後どうしているのか・・・この騒動ではるか昔の一コマを思い出しました。






内館牧子氏著『終わった人』

「大手銀行の出世コースから子会社に出向、転籍させられそのまま定年を迎えた田代壮介。
仕事一筋だった彼は途方に暮れた。
妻は夫との旅行などに乗り気ではない。
「まだ俺は成仏していない。どんな仕事でもいいから働きたい」と職探しをするが、取り立てて特技もない定年後の男に職などそうない。
生き甲斐を求め、居場所を探して、惑い、あがき続ける男に再生の時は訪れるのか?ある人物との出会いが、彼の運命の歯車を回す―」


今評判の作品。
来月、舘ひろし&黒木瞳主演で映画化もされるようです。


運よく図書館の新刊棚にてゲット。


「定年って生前葬だな」という主人公・壮介の心のつぶやきから始まる本書。


東大法学部卒と同時に大手都市銀行に勤め、役員への昇進が目の前というところで出世レースから外され子会社に出向させられて、親会社である銀行へ返り咲きすることもなく定年を迎えた壮介。


仕事一筋だった壮介の本格的な悲劇がここから始まります。


恃みにしていた妻はとっくに自立、将来に備えて美容師の資格を取り美容院に勤務、将来的に店を持つ準備に余念がない生き生きとした妻。



人生100年というこの長寿時代、定年後の人生の長さに思いを馳せることなく、現役時代、家庭を顧みることもせずただ仕事一筋を貫いた結果、途方に暮れる男。


他人事ではなくあちらでもこちらでも・・・息子たち世代まで下ればその予備軍はあふれるばかり。



かくいう夫も長きにわたりサラリーマンとしての人生を過ごし、現在残生の途上にいます。


唯一救われているのは若い頃から囲碁や音楽鑑賞、絵画鑑賞という趣味を持っていたこと。



父親の影響で学生時代から兄弟と楽しみ、壮年時代に同じく囲碁好きの上司に恵まれたのを機に、通勤の行き帰りに勉強して次々段位を取ったりしたのが現在の生活の大いなる助けになっています。



人と群れるのが嫌いな夫ですが、囲碁に関しては囲碁クラブなどで同好の人々と打つ楽しみが単調な生活のアクセントになっているようです。



話を戻して・・・

出世コースから外れたとはいえ、高学歴、大手銀行勤務というプライドを潔く捨てられない壮介の足掻きが、団塊の世代の今日的な問題と相まって手に取るようにわかってブラックユーモア的なおもしろさを醸し出しています。


スタートラインで躓いた壮介ですが、勇気を振り絞って通ったジムで思わぬ出会いがあり、最初はくすんだ壮介の未来に一条の光が射し込んだと思ったのも束の間、一挙に暗転へと物語が展開。


この後の展開はぜひ本書で。


豊かな老後とは?


お金だけではないけれどお金も見逃せない条件のひとつ、没頭できる趣味があって、そしてほどほどの健康と取り囲む家族もそこそこ安定していて・・・次々加えていくと、条件がどんどん狭められるようですが、少なくとも自分の心身の健康を維持すること、あとは付け足し付け足しで歩んでいけば余生もきらきらとはいかないまでも鈍色に輝くのではないでしょうか、私個人の願望ですが。

連休を利用して帰省していた娘と「飲む」「食べる」三昧。





作っては飲み食べを繰り返してあっという間に連休が過ぎました。


子ども3人のうち長じて飲めるのは娘だけとわかったときの夫の落胆。


文字通り一滴も飲まない息子2人。


息子と杯を交わすのが夢だったようですが、今では娘の帰省をお酒プラスで楽しみにしています。


もっぱらワイン専門の娘。



夫はいつもは焼酎のお湯割り、時にわたしとビールを飲む程度ですが、娘の帰省に合わせてワインに切り替えます。


最近は前もって娘から6本入りの厳選ワインが送られてきてそれを愉しんでいます。





さて本日は黒川博行氏著『喧嘩(すてごろ)』です。


「直木賞受賞作『破門』の続編! エンタメ小説の最高峰!!
建設コンサルタントの二宮は、議員秘書からヤクザ絡みの依頼を請け負った。
大阪府議会議員補欠選挙での票集めをめぐって麒林会と揉め、事務所に火炎瓶が投げ込まれたという。
麒林会の背後に百人あまりの構成員を抱える組の存在が発覚し、仕事を持ち込む相手を見つけられない二宮はやむを得ず、組を破門されている桑原に協力を頼むことに。
選挙戦の暗部に金の匂いを嗅ぎつけた桑原は大立ち回りを演じるが、組の後ろ盾を失った代償は大きく――」



素手の喧嘩のことを「すてごろ」というそうです。


さておなじみの「疫病神シリーズ」の第6弾!


『疫病神』 → 『国境』 → 『暗礁』 → 『螻蛄』 → 『破門』 → 『喧嘩』という時系列。


ちなみに本書の前作『破門』はめでたく第151回直木賞を受賞、昨年早々に佐々木蔵之介と横山裕のダブル主演で映画化もされたようです。


どちらもわたし的にはイメージが違う感じですが(ーー;)



さて今回も桑原と二宮が織りなす吉本漫才顔負けの掛け合いが健在!


ヤクザの嫌がらせを別のヤクザを使って抑える“サバキ”の仲介を本業とするコンサルタント業が先細りで先行き不安な日常を送っていた二宮が、北茨木の代議士・西山の私設秘書をしているという高校の同級生・長原から相談を持ちかけられたところから物語が進んでいきます。


荒調べの末、一筋縄ではいかない選挙関係のトラブルと見越した二宮は前作で破門となった桑原に応援を頼みますが・・・。


代紋なしとはいえバリバリのヤクザ根性のイケイケ桑原とヘタレの二宮の関西弁の応酬が何とも面白く、久しぶりにヤクザの世界と選挙の裏の利権争いの闇にどっぷり浸かって読了。


「クズ」として広く認可されているヤクザの世界を泳いでいる桑原をして「人間のクズ」と言わしめた代議士や秘書たち政界に関わる人たちの陰湿な生き様をたっぷりと描いています。


加えて二人の大阪弁を駆使した掛け合いが吉本漫才より面白いのでおすすめ。



ちなみにせこくてヘタレな二宮のモデルは著者ご自身だそうですよ。


興味ある方はどうぞ。

ゴールデンウィークに帰省していた娘と夫と3人で和気の藤公園に行ってきました。


当地の西に当たる和気郡は和気清麻呂の生誕地として有名で、清麻呂公の生誕1250年を記念して昭和60年に和気神社の隣に藤公園が造られたそうです。

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7000�uの芝生の園内に国内外から集めた約100種類・150本の紫・ピンク・白色の藤が咲いているという日本一の藤公園。

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少し見頃を過ぎていて枯れかかった藤棚もありましたが大半は見ごたえのあるものでした。

           

近くには江戸時代前期に岡山藩によって庶民のために開かれたという閑谷学校もあり、人気エリアの一つになっています。



若い女性たちが藤棚の下で集まっては三々五々写真を撮っていて、流行のインスタグラムにアップするんだろうなという光景ばかり。


かくいう私も記念にいくつかアップします。







さて本日はデルフィーヌ・ミヌーイ氏著藤田真利子氏訳『シリアの秘密図書館』のレビューです。


「2015年、シリアの首都ダマスカス近郊の町ダラヤでは、市民がアサド政権軍に抵抗して籠城していた。
彼らは政府寄りのメディアで狂信者、テロリストと報道されていたが、実際は自由を求める人々であった。
政府軍の空爆により建物が破壊され、隣人が犠牲となる中、ダラヤの若者たちは瓦礫から本を取り出し、地下に「秘密の図書館」を作った。
知の力を暴力への盾として闘おうとしたのだ。
そんな若者たちにインタビューする機会を得た著者は、クッツェー、シェークスピア、サン=テグジュペリといった作家の本について彼らと語り、戦争に奪われた日常、図書館によって生み出された希望を記録していく。
図書館に安らぎを、本に希望を見出した人々を描く感動のノンフィクション!」


「21世紀最大の人道危機」といわれて久しいシリアの内戦。


テレビや新聞の報道を観るたびに胸が抉られるような痛みを覚えます。


ユニセフを通してスズメの涙ほどの募金をしてもそれが何になるのか、と自分に問うほどの惨状に目を覆ってしまいます。



訳者・藤田真利子氏は会員になっているアムネスティ・インターナショナルを通してシリア難民に関心を持ったといいます。

あとがきで次のように記していらっしゃいます。

「中東は遠い。
地理的にも、意識の上でも。私の中で、シリアの人々はいつまでも顔がないままだった。
そんなとき、シリアの封鎖された町で瓦礫の下から掘り出した本で図書館を作った人たちのことを書いた本があるから読んでみませんかという話をいただいた。
あの悲惨な爆撃の下で本を読んでいる人たちがいる、しかも瓦礫から掘り出してまで。
本の好きな人なら誰しも共感以上の感情を抱くに違いない。
また、この本の中ではそのダラヤという町の若者たちの目から見たシリア内戦が語られる。
街頭デモで叫んだときの思い、何を求めてデモをしたのか、アサド大統領に対する考え、イスラーム国やジハード主義者に対する感情、国際社会への期待、また銃を取った者は数少ないが、どんな気持ちで初めて銃を手にすることになったのかなど。
ダラヤの若者たちは、多面的なシリア内乱のたった一つの面にすぎないのかもしれないが、本書を読んでようやくシリアの人たちの人間的な姿が見えてきたように思う」



本書はシリアの首都ダマスカス近郊の町ダラヤの包囲と爆撃のもとで図書館を運営する若者たちの4年間の戦いを記録したものです。


現場に入ることのできなかった著者・デルフィーヌ・ミヌーイ氏がSNSやSkypeなどを通して若者たちと連絡を取り合い、4年間の包囲生活を記録したというノンフィクション。


原題は”Les Passeurs de livres de Daraya, Une Bibliothèque secrète en Syrie”『ダラヤの本の運び屋たち――シリアの秘密図書館』。



封鎖されたダラヤには政府軍から4年間で約6000発の樽爆弾が投下されたといいます。


住民は家も農地もすべて破壊され、直接的な死とそして飢餓と対峙しながら地下での生活を余儀なくされる中、瓦礫から掘り出した本で図書館を作り、検閲のあったアサド政権下で読書の経験のなかった若者たちが宗教、政治、歴史、哲学、文学に触れながら、今ある状況を真摯に見つめ、考えを深めていく姿が心に強く響きます。



現在、日本の小都市で平和な日々の合間に本書を読み、遠いシリアの出来事にただ心を痛めてブログにあげるという行為しかできない自分がとても恥ずかしくなります。


前途多難なシリアの若者たちが無事に生き延び、新しい平和なシリアに一日も早くなりますように、心から祈ってレビューを終わります。

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