
誘った友人は早々やめて別の教室に鞍替えしてしまった今、出遅れて今日やめようか、明日やめようかと思いながら続けている不熱心な私ですが、先生のお人柄がいいのと、周りの友人たちがやめるのを認めてくれないので、細々と続けているという裏事情。
当地では倉敷・美観地区がいちばんの人気スポットで平日にも関わらず老若男女が周辺に溢れていて、とてもスケッチ帖を広げる勇気はなく・・・
歩き回って下手な私でもどうにか描ける被写体を探しては写真に収めて人の見ていない隙を狙ってラフスケッチをして早々に引きあげました。



人の目を盗んで・・・自分ながら犯罪者のよう(笑)
今日あらためて彩色してみた一枚がこれ。

おかしな構図で不本意極まりない写生ですが記念に。
短歌を作るよりしんどい(ーー;)
いつまで続くか??

「妻が、悪性腫瘍のために余命一年と告げられた。
作家の夫は、妻に余計な心配をかけないようにする以外、出来ることはない。
せめて、毎日気持ちの明るくなるような話を書いて、読んでもらおうと考えた―。
第一回『詰碁』から一日一話を妻に捧げ、『最終回』まで、全1778話になった。
夫婦の歳月のなかのメモリアルセレクション52編。
五年頑張った妻が亡くなった日までの、感動の創作秘話も収録」
大腸癌で余命一年と宣告された妻が亡くなるまでの5年間、一日一話を捧げると決めて書き続けた1778話から52話を収めたメモリアルセレクションが本書です。
あくまでダイジェスト版なので全編を読みたい方は新潮新書から出ている『妻に捧げた1778話』があります。
内容的には著者の得意とするSF的ショートショートなので、話そのものに感動を求めて読むと肩透かしを食らうと思います。
娘さんによるあとがきには次のような記述があります。
「いま考えると、母が父を応援していたのだ。
自分が病気だからといって父の執筆を邪魔したくない。
そんな母の願いと父の意気込みがうまく重なった」
一話のクオリティ云々より毎日毎日書き続けて病床の妻に読んでもらう、笑ってもらう、指摘をもらう・・・夫婦共作のような営み・・・なんてすばらしい夫から妻へのギフトなんだろうとその長く続けた著者に心から敬服、胸が熱くなります。
特に終末が近づくとともに、著者のただならぬ混乱の様子が読み取れて痛みにも似た思いで最後の数篇を読了。
この最終回にこそ1778話が集約されているような・・・ご夫妻の深い愛情に胸を衝かれました。
興味ある方はぜひどうぞ。