ばらの大輪

家での巣ごもりが長引くと必然的に売れる商品があるという。

 

食料品や食材は別にして、書籍とかDVDとか・・・あと意外にも日記帳。

 

この歴史的非常時を記録しておくという目的か、ただ単に在宅時間が増えて

日記をつけるという習慣に目覚めたのでしょうか?

 

新聞などの読者の投稿欄を見ていると、日記をつけ始めた人が

多いのがわかります。

 

そんな流れに逆行するようですけど、わたしは昨年末から長年続けていた

日記と手帳をやめました。

 

短歌やレビューなどはすべてPCwordを活用、予定はスマホに入れているのに加えて、

日々の予定などは日記&手帳&カレンダーに重複して書いていたのが

煩わしくなったのが一因。

 

日記は10年連用や5年連用を用いていましたが、何気なく過去の日記を

パラパラ捲ってみたとき、懐かしさというより失くしたものの多さに

切なくなって閉じてしまったことに加え、自分の死後

誰にもみせたくない個人的なものという考えに至って

大掃除の折、今までの日記をすべてシュレッターにかけました。

 

長く介護していた母とヘルパーさん、看護師さんとの連携の

大量の介護日記も未だに見られないし・・・

過去はふり返りたくないと決めてすっきりしてる現在です。

 

わがめぐり断捨離すればわが裡の思ひ出のみが礎(いしじ)となりぬ

 

 

怪盗ニック

エドワード・
D・ホック氏著&木村二郎氏訳『怪盗ニック全仕事1
  

人から依頼されて動くプロの泥棒、怪盗ニックが盗むのは「価値のないもの、もしくは誰も盗もうとは思わないもの」だけ。
そんな奇妙な条件にもかかわらず、彼のもとには依頼が次々舞い込んでくる。ターゲットはプールの水、プロ野球チーム、恐竜の尾…それらをいったいどうやって盗む?

短編の名手ホックが創造したユニークな怪盗の全仕事を発表順に収録した文庫版全集第1弾(「BOOK」データベースより)

著者について

1930年ニューヨーク州生まれ
1955年死者の村』でデビュー
以降50年以上にわたり短編ミステリの第一人者として活躍し続け
2001年アメリカ探偵作家クラブ(MWA)生涯功労賞受賞
2008年没

以前早川書房から出されていた単発の短篇を読んだことがあり、とても軽妙でおもしろかったので
手に取った本書、既に全
6巻が刊行されているという。

ユニークな怪盗ニックを主人公の第1作が発表された1966年から
最後の第
87作が上梓された2007年。

ほぼ40年にわたってのロングラン、見事です!

まずは第1巻。

「斑の虎を盗め」
「プールの水を盗め」
「おもちゃのネズミを盗め」
「真鍮の文字を盗め」
「邪悪な劇場切符を盗め」
「聖なる音楽を盗め」
「弱小野球チームを盗め」
「シルヴァー湖の怪獣を盗め」
「笑うライオン像を盗め」
「囚人のカレンダーを盗め」
「青い回転木馬を盗め」
「恐竜の尻尾を盗め」
「陪審団を盗め」
「革張りの柩を盗め」
「七羽の大鴉を盗め」

長篇が主体の欧米ミステリ界で異端ともいえる短篇ミステリを発表し続けた著者。

さすが飽きのこない筋書、巧みなプロット。

短篇なのでナイトキャップ用にもってこいの作品群です。

主人公は、価値のない物、誰も盗もうとしない価値のないものだけを
依頼されてターゲットとするプロフェッショナル
怪盗ニック・ヴェルヴェット。

その報酬は一律2万ドル。

依頼の対象は上に羅列した数々の奇妙極まりないもの。

依頼者はなぜこのような価値のない奇妙なものをほしがるのか?

ニックは依頼品をどのようにして盗むのか?

この謎を追うだけでもなんとも楽しい小品の数々。

個人的には「プールの水を盗め」や「陪審団を盗め」が秀逸でした。


ニックの生い立ちやのんびりした日常にも触れられてちょっと楽しい作品。

 

ヒマの手慰みにどうぞ!