VINのらんどくダイアリー

ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。 響きこし言葉に貼れるさみどりの付箋そよぎて林となりぬ

PVアクセスランキング にほんブログ村

カテゴリ: 堂場瞬一

yjimageFW2766JV

(                        ゆったりと生きてゆかむか高空に祈りのかたちに咲く白木蓮


)

新型コロナの影響で外出もままならない日々。


少人数で週一やっている卓球はなんとか継続している状態です。

それぞれの予定がすべてキャンセルになった友人たちは口々に退屈を訴えていましたが、わたしは家にいてもいつも通り、けっこう時間を取られることが多い。

 

料理したり、ピアノを弾いたり、ブログを書いたり、短歌をしたり、縫い物をしたり。

 

 

読書はベッドで寝る前にしか読まないばかりか、テレビでドラマなどほとんど観ない毎日・・・なのに忙しい。

 

テレビを観るのは朝晩の食事のときのニュースが主。

 

番組表も見ないのでたまに観たい番組も夫に聞いてやっとわかる程度。

 

 

観たい番組は限られていて、マラソンや好きなお笑い芸人の漫才。

 

今はサンドウィッチマンと和牛とノンスタイルと東京03に、最近M-12位のかまいたちと3位になったペコパが加わりました(^^)

 

そんなテレビ事情の中、いまいちばん好きなのはBSで放映される空港ピアノ&駅ピアノ。

 

これはネットで放送日をチェックして必ず予約しているほど。

 

一昨日は「エストニア・タリン空港」が舞台の「エストニア・タリンVo1.1」。

 

空港や駅に置かれた一台のピアノ。

 

通りかかった人たちがちょっと立ち寄って自分の好きな曲や思い出の曲を弾いて立ち去るというもの。

 

ピアノ台に備えつけられたカメラに向かっそれぞれ語るピアノへの思いや人生が心に響く番組・・・いまいちばん好きなプログラムです。

 


今度の日曜日には「エストニア・タリン
Vo1.2」が放映される予定です。

 

音楽が好きな方、一度観てみてくださいね。

 

 

 

 

 

51HEd-FM-fL._SX350_BO1,204,203,200_[1]
さて今日は
堂場瞬一氏著『グレイ』のレビューを少し。

 

1983年東京。波田は、アルバイトで生活費を稼ぐ20歳の大学生。                    冷房もない部屋で食事や銭湯代に事欠く日々だ。                            夏休みも帰京せずにいいアルバイトはないかと探すうち、あるチラシを目に留め、日給1万円の街頭調査のバイトを見つける。                                            町行く人に声をかけ、アンケートを取り、そのデータをコンピュータに入力する仕事だ。要領のいい波田はすぐに業務になじんでいった。                                      意識調査を行うその研究所は羽振りがよく、予想外の大金を手にする。                  優秀さを買われ契約社員となった彼は、所長が正義のためという怪しい仕事に……。            バブル前夜、罠にはめられた青年が、正義も悪も踏み台にして孤独な闘いに挑む姿をリアルに描く。                                          警察小説の旗手が挑むピカレスク・ロマン」 


バブルの少し前の東京が舞台の、地方から上京してアルバイトに精を出す貧乏学生・波田を主人公の物語。

成長譚といったらいいか・・・普通の貧乏大学生が裏の世界に絡めとられ、そして自らその裏道への一歩を踏み出すまでが描かれています。

堂場作品には警察モノのほか、スポーツモノも多く、わたしは中でもマラソンや駅伝を描いた『チーム』や
ヒート』が大好き。

貧乏学生の波田が応募した街頭調査のアルバイト。

テレビなどで見かける著名な経済評論家・北川啓が主宰する「北川社会情報研究所」が親元ということに安心感を得て街頭調査に精を出したところ北川に見込まれ破格な待遇で学生の身ながら正社員並みに採用されます。

飛びぬけた才能もない波田をあの手この手で取り込もうとする北川サイドの行動自体が怪しさ満杯というところですが、お金に目がくらんで取り込まれた波田がある商事会社の動向を探るプロジェクトに参加したところで、拉致、監禁、逮捕というジェットコースターのような事態が展開。

特段の頭脳も才能もない一学生である波田の造形にまず違和感。

そこまでして波田を取り込む必然性のなさに次の違和感。

「ピカレスク・ロマン」と銘打っていますが、どこがロマン?

重ねて中途半端なピカレスク。

堂場作品としては★★というところ、残念な作品でした。

1894b86d.jpg
歌会が行われている部屋からの紅葉

今日は死ぬのにとてもいい日だ

生きているものすべてが、わたしと調和している
すべての声が、わたしと歌をうたっている
すべての美が、わたしの目の中で休もうとして来る
すべての悪い考えは、立ち去っていった

今日は死ぬのにとてもいい日だ
わたしの大地は、わたしを穏やかに取り囲んでいる
畑には、最後の鍬を入れてしまった
わたしの家は、笑い声に満ちている
家に子供たちが帰ってきた
うん。今日は死ぬのにとてもいい日だ

(プエブロ・インディアンと生活するナンシー・ウッドの詩より引用)

このような最期が迎えられたら最高だろうなと思うこの頃です。


週1度の服薬の影響で軽い吐き気があり、その後しばらく胃腸が不調になるので林檎ばかり食べている私の状況を知っている友人が「小蜜」という小さな蜜りんごを送ってくれました。
8e70ca68.jpg

一般的な縦切りではなく輪切りに、という説明書通りに切ると実のほとんどに蜜が・・・。

そして今日は別の友人から柚子や大根、かぶ、ほうれん草、春菊などの冬野菜をたくさんいただきました。

柚子ジャムや千枚漬などの保存食を作ったり、一日野菜の処理をしていました。
57615f5d.jpg

2e059516.jpg

夜はかぶと白菜とベーコンのクリーム煮、ほうれん草の白和えなどなど野菜づくし。

野菜のストックが冷蔵庫にあるととても心が豊かになります。






さて本日は堂場瞬一氏著『神の領域』のレビューです。


「あの日、誰よりも速かった君は、俺たちの神々しい英雄だった-。
発見された長距離走選手の死体。
横浜地検の本部係検事・城戸南は、ある殺人事件を追ううちに、陸上競技界全体を蔽う巨大な闇に直面する。
それは、箱根駅伝途中棄権という城戸自身の苦い過去とその後の人生に決着を迫る闘いとなった。
あの『鳴沢了』も一目置いた横浜地検検事の事件簿」




鶴見川の河川敷の橋の袂で発見された撲殺事件を担当することとなった横浜地検の本部係検事・城戸南が主人公。

かつて箱根駅伝のレース中膝の痛みが襲い、たすきをアンカーに渡す前に棄権してしまった苦い過去をひきずったままの城戸南。


堂場氏の作品は大きく分類すると警察小説とスポーツ小説に分けられますが、両者が交じり合ったものとして注目されている本書。


元箱根駅伝走者だった城戸が検事として横浜地検に赴任して起きた殺人事件を通して、かつて神と崇めた男と対決するというのが簡単なあらすじ。


事件の解決が柱というより、新しい主人公・城戸という人間にスポットライトをあて、陸上選手としてすべてを賭けていた学生時代、箱根で崩れた瞬間、心の傷を秘めて一念発起して司法試験に合格したこと、検事としての日々と職場での諸々、変則的な家庭生活・・・これらを事件の経過に微妙にからめながら物語が進んでいきます。


警察からの情報を待つだけでは事件の真実はつかめないとばかりに、検事でありながら活動的に捜査に立ち向かう「検事・城戸南」の第1作、著者はきっと次作を視野に入れて魅力的な主人公を造形したのではないかと思われましたが、いまだ登場していません。

多作な著者なので・・・いずれそのうちに、と期待して。

募金箱に落とす硬貨の音かそか復興の道長きを思ふ
小学生の頃から募金が好き。

その頃は募金の目的とか何に募金するのかということも知らなかったのできっと四角い募金箱にお金を入れるという行為にぼんやりしたあこがれがあったのかもしれません。

母と外出中の行き帰りの同じ道で同じみどりの羽根の募金箱に2度お小遣いを入れて母に「1度でいいの!」と注意されたこともあります。

赤ちゃんのころ子どものなかった実父の妹夫婦の家にもらわれて、豊かだった実家に比べつましい暮らしの養家でつましく育ったのでお金をばら撒くという感覚はありませんでしたが、幼い頃からの不幸な人々へのかわいそう感がなぜか半端なくそれが募金好きという行為に繋がったような。

長じて平均的なサラリーマンに嫁ぎ、いまは夫婦ふたりの年金暮らしの中でも募金箱を素通りできなくてささやかなお金を入れています。

硬貨が主なので募金をしていると胸を張っていえるような額ではありませんけど。

夫も負けず劣らずお金に執着が薄く災害などにもっとたくさん募金しているようで・・・

心の中でそんなにまで!・・などと思うときも多々あり。

宝くじを買うなら断然募金。

なのでついついお金持ちの政治家の方々は次々起こる災害で家や家族を失った人たちにポケットマネーをボ~ンと出してほしいと思ってしまいます・・・。

気前がいい代表格の安倍首相。

安保法案の次は国連の常任理事国入りが悲願なのかどうか970億円もの難民支援金を出すことを国連総会で表明しましたね。

どうかその視線を国内の困った人たちにも向けてくださいとお願いしたい気持ちでいっぱいです。






さて本日は堂場舜一氏著『標なき道』をご紹介します。

「『絶対に検出されないんです』最後の五輪代表選考レース直前に一本の電話がかかってきた。
『勝ち方を知らない』ランナー・青山に男が提案したのはドーピング。
卑劣な手段を拒んだ青山だが、すでに男の手がライバルにも伸びていたことを知り…。
男たちの人生を懸けた勝負が始まる」

著者の二本柱-警察モノとスポーツモノーの後者の一冊。


走りに安定感があるものの万年3位に甘んじている青山。

日本最高記録保持者でありながら怪我に悩まされるガラスのエース・須田。

選考レースで優勝したにもかかわらず陸連を批判して自らチャンスを逃し満を持して挑むアウトロー・武藤。

同じ大学の駅伝部出身のこの3人のオリンピック選考レースまでの心理的駆け引きとその結末が描かれています。

途中の目玉はドーピングを勧める謎の男の出現。

全試合すべて途中棄権なく完走するも万年3位の成績、自他共に認める気概に欠けるランナー・青山が本書の主人公。

そんな青山の前にドーピングを勧める男が現れます。

決して検出されないというドーピング。

断れど断れどアタックしてくる男。

徐々に揺れ動く青山の心理描写が丹念に描かれていますが、青山にからむスポーツ記者として登場する女性がかなり目障りというか・・・登場人物として必要だったのか?

こんな疑問は残りましたが著者のスポーツ小説の書き手としての筆力はさすが、ラストの数行が感動ドラマ仕立てです。

2週間ほど前のこと。 d6d19b91.jpg


外出先の駐車場の車止めに足をかけて不覚にも顔から転びました。

コンクリートの床に思いきり顔をぶつけ目から出た火花をしっかり確認するほど。

そのあと友人たちと待ち合わせして行くところがあったので、友人たちに迷惑はかけられないと思い、同伴の夫に取りあえず自宅に連れかえってもらい、計画はそのまま遂行してほしい旨伝えましたが、かなりの打撲ということで友人たちにその旨伝えて近くの病院を受診しました。

医師の指示でCTを撮り、鼻に小さな骨折がある以外大きな骨折がなかったのを確認。


その後手当てのために何度か通院しましたがそれも終わりやっと人心地つきました(^^)


その間いくつか外出しなければならないところもあり、大きなマスクをしていても何度か不審そうな眼差しに遭いましたが、知らない人に事情を説明することもできず・・・下を向いてこそこそ過ごした2週間(――;)


初診の折、外科の医師はこんな簡単な傷、とばかりにかなり面倒そうに傷の手当をしてくれていましたが、怪我をした状況を聞くときだけは真剣に身を乗り出し、それも夫と私にそれぞれ何度も同じ説明を促すのでおかしいなと思っていましたが、帰宅してDVを疑っていたのではないかと気づきました。

友人たちにそのことを話して・・以後DV夫の話題でしばらく盛り上がっています。


それにしても新しく作ったばかりのメガネが修復不可能な壊れ方をしたのがくやしい^_^;

周りの人々は最小限の被害でよかったといいますが・・・。




さて本日は堂場瞬一氏著『アナザーフェイス』のレビューです。

「警視庁刑事総務課に勤める大友鉄は、息子と二人暮らし。
捜査一課に在籍していたが、育児との両立のため異動を志願して二年が経った。
そこに、銀行員の息子が誘拐される事件が発生。
元上司の福原は彼のある能力を生かすべく、特捜本部に彼を投入するが…。
堂場警察小説史上、最も刑事らしくない刑事が登場する書き下ろし小説」


堂場氏といえばスポーツ小説と警察小説というまったく異なる分野で充実感のある作品を数多く生み出していらっしゃる作家さんです。

スポーツ小説の分野では陸上競技、野球、水泳、ラグビーなど多岐にわたって私たちを魅了してくれています。

特に箱根駅伝を描いた『チーム』は私の大好きな作品、選手の息遣いが感じられる秀逸の作品に仕上がっています。


警察小説はといえば、「刑事・鳴沢了」シリーズや「警視庁失踪課・高城賢吾」シリーズ、「警視庁追跡捜査係」シリーズ、「アナザーフェイス」シリーズなど驚くほど多岐にわたっています。


今回ご紹介するのは「アナザーフェイス」シリーズの第一巻。

今から5年前の作。

既に本書を含め7巻まで書き下ろしていらっしゃいます。


シリーズにはそれぞれ魅力的な主人公を配していますが、本書に登場する主人公は妻を交通事故で亡くしたシングルファーザー・大友鉄。

かつては捜査一課の第一線で活躍していましたが、育児との両立のため異動を志願して時間的に余裕のある警視庁刑事総務課に移り2年が経過した大友。


現場から離れ刑事としての資質を捨てたような大友の将来を案じた以前の上司であり刑事部特別指導官・福原の計らいによって突然誘拐事件の現場に放り込まれた彼がその資質を生かして事件解決に向けて潜在能力を再び発揮して活躍するというストーリー。


シリーズの第一巻となる本書、著者はシリーズ化を念頭に置いたのでしょうか、主人公や周辺のガイダンス的な説明を多用してそれぞれの人となりのアウトラインを描いているのが目立ちます。


ストーリー自体は特に斬新なものではなく、今日のところはまず大友鉄のお目見えで・・・的な内容。


著者は他のシリーズでもそれぞれ別タイプの刑事を顕たせているのを意識してか、主人公のキャラクターの説明にかなりの筆を費やしているのが目に付きました。


その意味では同じ警察モノで別々の主人公を書き分けていらっしゃる今野敏氏と似ています。


残念なところは「大友」という三人称で書かれている文章の途中で突然「僕」という表記が出現するなど、少々繊細さに欠ける著者の書きなぐりとともに校正のお粗末さを感じる個所が多々。


しかしまだ初巻のみの読了なので著者の力量に期待して機会があれば次の巻も読んでみたいとは思っています。

SNSで親しくしていただいている年若い友人のUさんが日記に若いころからの読書歴を書いていらっしゃったので私も整理してみました。707fda2a.jpg



小学校の頃は2歳下の弟といっしょに近所の貸し本屋さん(懐かしい言葉!)でもっぱらマンガ本を借りては枕元に積み重ねて競って読んでいました。

さいとうたかをがそのころのお気に入り。

「ゴルゴ13」でブレイクする前の作品群でオカルティックな作風だったと記憶しています。

弟と共同で借りるので少女マンガはなし。


中高一貫校の中学に入学したとき大好きだった5歳上の姉が高校3年で図書委員長をしていたのに影響を受けて、その頃から急激に本を読むようになりました。

図書館で手当たり次第という感じ。

覚えているのは『赤毛のアン』の読書感想文が校内で代表となって外部のコンクールに提出されたこと・・・その後どうなったか記憶にないところをみると選外だったのか。

京都の大学に入学した姉が帰省するたびにヘッセの作品をお土産に買ってきてくれたのもその頃。

〈堀辰雄〉と〈ヘッセ〉が大好きだった姉の影響を受けて『風立ちぬ』や『車輪の下』『春の嵐』『知と愛』『デミアン』など読んでいました。

特に『デミアン』はその後の私の読書生活に大きな影響を与え、今に到るまで折り折りに読む大切な本となりました。


高校生になってからは密かに慕っていた先生の影響下、自然主義文学へと傾倒して、島崎藤村の『破壊』『夜明け前』や田山花袋の『蒲団』、徳田秋声の『縮図』など、精一杯背伸びして読んでいましたが、どこまで理解していたやら^_^;


大学に入学してからはもっぱら欧米の文学作品、それも1800年代のものがほとんど。

アルバイトで稼いだお金をつぎ込んだ河出書房の全集は結婚後の引越しの度にいっしょに移動していましたが、ある時期すべてを処分して今は手元にありません。

ユゴー、ゲーテ、トルストイ、ドストエフスキー、モーパッサン、ブロンテ姉妹、ディケンズ、バルザック、ゴーゴリ、ゾラ、T・S・エリオットなど羅列してみると懐かしさがこみ上げます。

卒論にジョージ・エリオットの『フロス河畔の水車小屋』を選び、大方1年ほどかけて資料を集めて書きました。

ジョージ・エリオットはあまり面白みのない作家ですが、『サイラス・マーナー』に心惹かれたきっかけがあり選んだのですが、資料が乏しく苦労したことを覚えています。


それにしてもあの頃の学生って私を含めみんな真面目だったなあ。

アルバイトの連続と学業・・・特に勉学が好きだったわけでもないのに。


卒論を書くため、教会で牧師さんに頼んで英文タイプを借りて、独学でブラインドタッチを練習しましたが、今に到るまで指が覚えています。

また外国文学のほかに、学生運動が盛んな時期だったのでお定まりの柴田翔の『されどわれらが日々』や『三太郎の日記』など・・・たいした悩みもないのに(――;)


そして結婚、相手も話してみると毎日の読書が習慣になっている人でしたが、まったく噛み合わず・・・今に到るまで。。


欧米ミステリを読み漁ったのは30代から50代、アガサ・クリスティから始まってエラリー・クイーン、レイモンド・チャンドラー、パトリシア・ハイスミス、ジョン・グリシャム、トマス・ハリス、エドガー・アラン・ポー、R・D・ウィングフィールド、ルース・レンデル、サラ・ウォーターズ、P・D・ジェイムズ、スコット・トゥロー、メアリ・H・クラーク、スー・グラフトン、トマス・クック、パトリシア・コーンウェルなどなどなど・・・思いつくまま羅列したので年代不順。

この中で特に大好きだったのがスー・グラフトンのABCシリーズ!

随分楽しませてもらいました^_^


夫は私とは分野が違う欧米スパイ小説が好みで、あらゆるスパイ小説が本棚にひしめいています。


そして60代前、ブログのレビューをアップし始めた頃と一致しますので、それ以後の傾向は・・・川の水が高きから低きに流れる例に漏れず、より楽な方へと走っております。


というわけで今燃えているスポーツ系エンタメ!

堂場瞬一氏著『水を打つ』

「競泳自由形の日本記録を持つ矢沢大河は、前回の五輪の4×100mメドレーリレーでは僅差でメダルを逃がし、雪辱を期している。
そこに現れたのが高校3年生の小泉速人。
不穏当な言動で選手の反発を買う小泉は、新型水着『FS‐1』を身につけて好記録を叩き出す―
個人競技におけるリレーとは何か、ツール(水着)とは何かを迫真の筆致で描く問題作」

「突拍子もないことは書くべきでないと思うんです。
甲子園で場外ホームランを打つ高校生とか、水泳男子の100メートル自由形で、いきなり45秒台を出す選手は出てこない。
小説ですからファンタジーへ振るのはアリですが、僕自身の好みではなくて。サスペンスと融合させないのも、スポーツを汚すことにならないか、という気持ちがあるから。
スポーツ小説をマンガ的にとらえている方には、僕の作品は物足りないかもしれません・・・
スポーツ小説にも名作と言われるものはたくさんありますが、中学生とか高校生の成長過程を描くのがひとつのパターンとなっている。
それはもちろんアリで、感動的でもあるんだけど、僕はあまり好きじゃなくて(笑)。
てっぺんに来ていて、物凄くワガママな人を書きたい。
アスリートって、基本的にエゴイストじゃないですか。
チームスポーツでもそうで、レベルが上がるほどそういう傾向は強まる。
実は爽やかなものでなく、エゴのぶつかり合いがあって、それによって技術が高められている。
人間臭いいやらしさは絶対にあるわけで、それを表現したい」

著者・堂場氏は登場人物の造形についてこのように述べていらっしゃいます。

前にアップした箱根駅伝が主題の『チーム』の「水泳版」というところでしょうか。


主な登場人物は自由形の日本記録を持つ矢沢と前回のオリンピックにおいて銀メダリストの今岡。

そして新型の高速水着・FS-1を着用して平泳ぎの日本記録を泳ぐたびに更新する高校3年の小泉速人。

前回のオリンピックの競泳において僅差でメダルを逃した矢沢と今岡はまもなく開催される東京オリンピックでの雪辱を心に期していますが直前の平泳ぎ予選で腰を痛めたのがきっかけで現役を引退した今岡の代わりに新人の小泉が競泳に加わることになりますが、まわりの先輩たちに傲岸不遜な態度をとり続ける小泉を監督初めコーチ、先輩たちは扱いかねる中、オリンピックの代表コーチになった今岡は小泉の頑なな態度の背景にあるものを探るために北海道の小泉の実家や中高時代の小泉と接触した人々を訪ね歩くという作業を通して小泉の心に近づいて解きほぐしていくというのが1つの骨子。

この作品のもう1つの柱は小泉他多くの選手が身につけて記録を塗り替えている新型水着とその開発者・久本の努力と苦悩の物語。


世界的に有名なメーカーとは比べようのない小さなスポーツメーカーの開発した新型ハイテク水着は、その極小メーカーの政治力のなさゆえにオリンピック委員会に着用を認可されないという最悪の事態になったことで、今まで身に着けて泳いでいた選手たちに大きな打撃を与えます。

たかが水着、といえどこれほどまでに選手に動揺を与え、泳ぐ活力を失わせるものとは!

アスリートにとって「道具」とはかくに心理的に、または身体的に依存するものなのか?


近年のスポーツ記録の飛躍的向上は人間の運動能力やトレーニング法の進歩もさることながら、施設や用具、ユニフォームなど競技側面の改良が大きく寄与していることは否めないと本書の解説を担当していらっしゃるノンフィクション作家の後藤正治氏も書いていらっしゃいます。


しかし本書のクライマックスはその依存を乗り越えてメドレーリレーに挑む場面です。

結果はここでは記しませんが、感情的に縺れた糸が一気に収斂していく過程を読んでほしいと思います。

お勧め作品です!

先日行われた大阪国際女子マラソン。390af2a4.jpg


マラソン好きな方、見られました?

招待選手のウクライナのガメラ選手が優勝しましたが、日本選手としては当地・天満屋デパートの女子陸上競技部の重友梨佐選手が見事3位に入りました!

2012年の第31回大阪国際マラソンで初優勝してロンドンオリンピック日本代表に選出されましたが、直前に痛めた右足首をそのままにして強行出場した結果惨敗となり、その後もいくつかのマラソン大会に出場するも不本意な成績に終わり、一時は引退も考えたほどすっかり自信をなくしていたとインタビューで話していました。


天満屋女子陸上競技部は過去に2000年シドニーオリンピック代表・7位入賞の山口衛里選手や2004年アテネ五輪代表・坂本直子選手、2008年北京五輪代表・中村友梨香選手という先輩選手を輩出しています。

なにはともあれ再起をかけたレースに好成績をマークできてほんとうによかった!


私が通っているスポーツ鍼灸の院長先生が重友選手の調整をしていらっしゃるので身近な感じでいつも応援していたので嬉しいです。

そして今回のレースはペースメーカーなしだったそうな。。



先日ブログで話題にした「アイシング」と同様、「ペースメーカー」という言葉も紛らわしい。


すぐ思い浮かぶのは心臓疾患のため体に埋め込んで心臓の代わりをする医療機器。

もう1つはマラソン競技などでみられる「ペースメーカー」。

これは私でも2つとも知っております。


高水準かつ均等なペースでレースや特定の選手を引っ張る役目を果たす走者のこと。

ラビットと呼ばれることもあるそうです。

ペースメーカーを導入することにより、レース序盤でライバル選手を意識しすぎてペースを乱すことがなくなり高記録が期待できたり選手の風除けの役割も果たすのだそうです。

言葉は悪いけど「捨て駒」みたいな・・・。


Wikiによると、日本ではペースメーカーの存在はマラソンのテレビ中継等では半ば触れるのはタブー視されていた時期もあり、途中で棄権したペースメーカーに対しアナウンサーが敢えてアクシデントであるかのごとき実況をする事もあったそうですが、2003年12月7日に行われた福岡国際マラソンで日本陸連がレースでペースメーカーを使うことを初めて公表し、中継で触れる事が可能になったという経緯があるそうです。




さて本日はマラソンにおいての選手とペースメーカーにちなんだ作品です。


堂場瞬一氏著『ヒート』


「『山城に、世界最高記録を狙わせろ!』
『こんなレースはインチキだ――』
日本男子マラソンの長期低迷傾向に歯止めをかけるため新設された『東海道マラソン』。
神奈川県知事の指令のもと、あらゆるお膳立てがなされたレースは終盤、思いがけない
展開を見せる――
困難と矛盾をはらんだ『世界最高記録』をめぐる男たちの人間ドラマと、疾走感100%のレース展開を圧倒的な筆力で描ききる、著者渾身の書き下ろし長編!
箱根駅伝を描いたベストセラー『チーム』のその後を描いた、傑作陸上小説」


先日アップした『チーム』の続編といえる本書。


『チーム』に登場した天才ランナー・山城とペースメーカーとして走ることになった甲本のそれぞれの息詰まる葛藤を描いた作品。


本書の後半、『チーム』でお馴染みの浦や吉池監督も登場しているので、もし読まれるなら『チーム』、『ヒート』という順に読まれることをお勧めします。


さて本書の舞台は神奈川県。


常日頃日本男子マラソン界の低迷を憂慮していた神奈川県知事の発案によって「東海道マラソン」という高速マラソン舞台を新設し、世界最高記録を日本人にとらせるという目的のための一大プロジェクトが県庁職員をあげてスタートします。

世界最高記録を出す可能性があるランナーとして名指しされている山城。


その山城の出場説得に向けてあの手この手で秘密裏に説得が繰り返されますが、首を縦に振らない山城。


一方山城の走りを誘導するペースメーカーに選ばれた甲本。

ペースメーカーに選ばれること自体ランナーとしての敗北と捉える甲本もOKを出しませんでしたが、提示された破格の報酬と扱いに結果的に役割を受けます。


紆余曲折があり最終的には出場を決めた山城でしたが、そのきっかけになったある人との邂逅があまりにも作為的なのが小さな瑕疵ですが、それ以外は読み応えのある作品でした。


それにしても初めて知ったマラソン設定の舞台裏、とてもおもしろかったです。


公認コースは42.195kmの1000分の1まで許されるというコースの長さ、世界記録を出させるために42mだけ短いコースを設定しようと画策する県庁職員たちの奔走の様子。

全コースを何度も走って体で感じる風の様子などを細かにチェック、風速が強くなるビル風などの風避けのために看板を設置するなど、超過保護なマラソンに敏感に反発する山城の様子も見どころです。


そして圧巻はペースメーカーとしての役割を全うしようとする甲本と、自分の記録更新のためにのみ設定されたコースに嫌悪し、自らがペースメーカーになろうと試合直後から先頭に飛び出す山城。

この2人の切磋琢磨がそれぞれの走りの中での独白のかたちで綴られています!


『チーム』でも感じましたが、ランナーの走りの風と汗が感じられて臨場感溢れる作品となっています。

↑このページのトップヘ