VINのらんどくダイアリー

ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。 響きこし言葉に貼れるさみどりの付箋そよぎて林となりぬ

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カテゴリ: 海外ミステリ

3か月に一度の総合病院受診日。

 

9時に着いてまず血液検査と尿検査、そして1時間半後が診察という運び。

 

朝食抜きで血液検査をするのが正しいのは知っているのですが、

これくらいの血液検査ではたいして影響はないだろうという
いい加減な解釈でいつもは軽く朝食を摂っていくところ、

今日は久しぶりにヌキで検査してみました。

 

帰宅後、前の検査数値表と比べたところ素人目にはほとんど変化なし。

 

変化があるとすればコレステロールや血糖値くらいかなと思っていますが、糖尿病の既往症はないので、わたしの検査項目には血糖値関係の数値はピックアップされていないのでわからない・・・。

 

ということで血液と尿を採取したあと院内カフェで朝食。

 

Breakfastの外食もなかなかいいな(^^)

 

友人作のマスクホルダーを初めて使ってテーブルに(^^♪

マスクホルダー

これから診察予約までたっぷり1時間半はあるのでゆっくり

トーストを食べながら持参の文庫本を読み・・・

 

そして予約時間ぴったり10時半に待合室へ。

 

それから待つこと3時間強・・・なんのための予約!@@!

 

文庫本も読み終わり、仕方なくスマホでソリティアをしていると

充電ランプが切れかかってしまった"(-""-)"

 

やっと名前を呼ばれて診察室へ・・・ドクターと二言三言約10分。

 

会計が終わって時計を見たら15時過ぎ。

 

9時から6時間の長丁場に疲れ果てました。

 

帰り道、食材を買って帰宅したら別の友人から手作りの

なんともかわいらしい切手が貼られた封筒が!

やーちゃん2やーちゃん1
開けるとマトリャーシカのようにもう一つかわいらしい手書きの封筒。

 

友人のお母さま作のマスクと、読みたかった友人の手作り短歌冊子。

 

タイトル「螺旋階段」という短歌集。

やーちゃん4やーちゃん3

わたしの娘くらいの若い友人の感性をたっぷり楽しませていただいたことは
言うまでもありません。

 

疲れが吹っ飛びました(^^♪

 

Yちゃん、ありがとう!!

 

そしてマスクホルダーのUちゃんも!

 

 

ザリガニ

ディーリア・オーエンス氏著&友廣純氏訳『ザリガニの鳴くところ』
 

 

ノース・カロライナ州の湿地で男の死体が発見された。
人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。
6歳で家族に見捨てられたときから、カイアは湿地の小屋でたったひとり生きなければならなかった。
読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女のもとを去ってゆく。
以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。
しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく
みずみずしい自然に抱かれて生きる少女の成長と不審死事件が絡み合い、思いもよらぬ結末へと物語が動き出す。
全米500万部突破、感動と驚愕のベストセラー(「BOOK」データベースより)

 

著者について

1944年ジョージア州生まれの動物学者、小説家

1981年カラハリ研究プロジェクトでロレックス業績賞(元夫のマーク・オーエンズと共同受賞)

1984年『カラハリ―アフリカ最後の野生に暮らす』ジョン・バロウズ賞受賞

1985年米国自然史博物館のジョン・バロウズ賞受賞 

1993年カリフォルニア大学優秀卒業生賞

1994年黄金の方舟の漕手賞

2019年『ザリガニの鳴くところ』で小説家としてデビュー

「このミステリーがすごい!」2021年度版海外編第2位
2020年週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第2位
「ミステリが読みたい! 2021年度版」2020年ミステリ・ベスト・ランキング海外編第3位

 

ずっと読みたかった作品。

 

図書館の棚で見つけたとき嬉しくて小躍り・・。

 

1969年、アメリカ合衆国の南東部ノース・カロライナの湿地で

地元のアメフトのスター選手・チェイス・アンドルーズの変死体

発見されたところから物語がスタート

地元有力者の息子。

事故か殺人か・・・警察の捜査で浮かび上がったひとりの女性・カイア。

時は遡って1950年代、黒人への人種差別が歴然としていたなか、
白人のなかでもホワイトトラッシュと呼ばれる最下層に属していた両親の間に生まれたカイア。


暴力が日常化していた父親、やさしい母親と兄ジョディと湿地の掘立小屋に住んでいたが、
やがて次々家族が出ていき、
6歳のころからたったひとりで暮らすことになったカイア。


差別と悪意
を小さな身に享けながら懸命に生きようとする孤高の姿がなんとも切ない。


しかし切ないだけではない、
湿地という豊かな自然のなかでカモメ、ホタル、カマキリ、
そしてきのこなど自然の食べ物に囲まれ、貝の採集で倹しい生計を立てながら
湿地に育まれ美しい女性に成長していくカイア。

ホワイトトラッシュの子という蔑みのなかでもカイアに温かい眼差しを向けてくれる
少数の温かい人々にも恵まれ、ボーイフレンドもできて幸せに手が届きそうだった矢先、
突然起こった事件。


本書はミステリーとして上梓したようですが、ミステリーという味つけがなくても
すばらしい小説として深い余韻の残る作品でした。


舞台になっている湿地の描写の美しさ。


湿地は、沼地とは違う。

湿地には光が溢れ、水が草を育み、水蒸気が空に立ち昇っていく。


特に湿地に棲む昆虫たちの描写のすばらしさ・・・動物学を本業とする著者ならではの巧みな筆致。


その自然と寄り添いながら孤高に生きていくカイアの成長する過程の心模様の描写の繊細さ。


どれをとっても秀逸の内容。


ミステリーであり、カイアの成長譚であり、生物の桃源郷のような湿地帯は
人間にとって決して手離すべきではないという生物学者としての示唆。


レイチェル・カーソンの氏の『沈黙の春』に通じるものがある内容。


ぜひどうぞ!!

ばらの大輪

家での巣ごもりが長引くと必然的に売れる商品があるという。

 

食料品や食材は別にして、書籍とかDVDとか・・・あと意外にも日記帳。

 

この歴史的非常時を記録しておくという目的か、ただ単に在宅時間が増えて

日記をつけるという習慣に目覚めたのでしょうか?

 

新聞などの読者の投稿欄を見ていると、日記をつけ始めた人が

多いのがわかります。

 

そんな流れに逆行するようですけど、わたしは昨年末から長年続けていた

日記と手帳をやめました。

 

短歌やレビューなどはすべてPCwordを活用、予定はスマホに入れているのに加えて、

日々の予定などは日記&手帳&カレンダーに重複して書いていたのが

煩わしくなったのが一因。

 

日記は10年連用や5年連用を用いていましたが、何気なく過去の日記を

パラパラ捲ってみたとき、懐かしさというより失くしたものの多さに

切なくなって閉じてしまったことに加え、自分の死後

誰にもみせたくない個人的なものという考えに至って

大掃除の折、今までの日記をすべてシュレッターにかけました。

 

長く介護していた母とヘルパーさん、看護師さんとの連携の

大量の介護日記も未だに見られないし・・・

過去はふり返りたくないと決めてすっきりしてる現在です。

 

わがめぐり断捨離すればわが裡の思ひ出のみが礎(いしじ)となりぬ

 

 

怪盗ニック

エドワード・
D・ホック氏著&木村二郎氏訳『怪盗ニック全仕事1
  

人から依頼されて動くプロの泥棒、怪盗ニックが盗むのは「価値のないもの、もしくは誰も盗もうとは思わないもの」だけ。
そんな奇妙な条件にもかかわらず、彼のもとには依頼が次々舞い込んでくる。ターゲットはプールの水、プロ野球チーム、恐竜の尾…それらをいったいどうやって盗む?

短編の名手ホックが創造したユニークな怪盗の全仕事を発表順に収録した文庫版全集第1弾(「BOOK」データベースより)

著者について

1930年ニューヨーク州生まれ
1955年死者の村』でデビュー
以降50年以上にわたり短編ミステリの第一人者として活躍し続け
2001年アメリカ探偵作家クラブ(MWA)生涯功労賞受賞
2008年没

以前早川書房から出されていた単発の短篇を読んだことがあり、とても軽妙でおもしろかったので
手に取った本書、既に全
6巻が刊行されているという。

ユニークな怪盗ニックを主人公の第1作が発表された1966年から
最後の第
87作が上梓された2007年。

ほぼ40年にわたってのロングラン、見事です!

まずは第1巻。

「斑の虎を盗め」
「プールの水を盗め」
「おもちゃのネズミを盗め」
「真鍮の文字を盗め」
「邪悪な劇場切符を盗め」
「聖なる音楽を盗め」
「弱小野球チームを盗め」
「シルヴァー湖の怪獣を盗め」
「笑うライオン像を盗め」
「囚人のカレンダーを盗め」
「青い回転木馬を盗め」
「恐竜の尻尾を盗め」
「陪審団を盗め」
「革張りの柩を盗め」
「七羽の大鴉を盗め」

長篇が主体の欧米ミステリ界で異端ともいえる短篇ミステリを発表し続けた著者。

さすが飽きのこない筋書、巧みなプロット。

短篇なのでナイトキャップ用にもってこいの作品群です。

主人公は、価値のない物、誰も盗もうとしない価値のないものだけを
依頼されてターゲットとするプロフェッショナル
怪盗ニック・ヴェルヴェット。

その報酬は一律2万ドル。

依頼の対象は上に羅列した数々の奇妙極まりないもの。

依頼者はなぜこのような価値のない奇妙なものをほしがるのか?

ニックは依頼品をどのようにして盗むのか?

この謎を追うだけでもなんとも楽しい小品の数々。

個人的には「プールの水を盗め」や「陪審団を盗め」が秀逸でした。


ニックの生い立ちやのんびりした日常にも触れられてちょっと楽しい作品。

 

ヒマの手慰みにどうぞ!

2018年にノーベル医学・生理学賞受賞された本庶佑氏による新型ウイルスのワクチン開発についての記事。


この新型ウイルスは二重らせん構造のDNAウイルスとちがって一重らせんの
RNAウイルスで変異しやすいという。


現在解析してわかっているものだけでも武漢型とイタリア型が混在。


7月半ばに開かれた
参議院予算委員会参考人として登場された東京大学先端科学技術研究センター名誉教授の児玉龍彦氏がその時点で深刻な事態を迎えつつある東京のエピセンター化(震源地化)についての注意喚起のなかで、武漢型とイタリア型に次いで東京・埼玉型の発生の可能性に言及していらっしゃいました。


こういったことを踏まえて、いま世界中でしのぎを削っているワクチン開発に問題を提起されている本庶氏。


「中国で発生して以来、世界各地に広がっていく過程で変異を繰り返し、
5月末ですでに数百の変異があるという報告があります。ワクチンが完成しても、開発当初とは異なる遺伝子のウイルスが蔓延しているかもしれない。そうなると、一部のウイルスにしか効かないことも十分にあり得ます」


特効薬も未だ開発されていない中、
ワクチン開発に一縷の望みを抱いている私たちとしてはどうしたらいいのやら?


DNAウイルスとRNAウイルスの違いなど、普通に生活しているだけでは増えない知識ばかりがどんどん積み上がって・・・何だか途方に暮れてしまいます。

 


さて、今回はちょっと軽めのアドベンチャーワールドへ。


主人公は
65歳オーバーというアメリカの果敢なおばちゃま。


勇気が出る作品です
(^^♪

 

おばちゃま
ドロシー・ギルマン氏著
柳沢由実子氏訳『おばちゃまは飛び入りスパイ』 

ミセス・ポリファックスは、自分の住む市のガーデン・クラブの役員で、病院でボランティアをする、要するにどこにでもいるアメリカのおばちゃまだ。それがある日、突然思いたってアメリカ情報組織の本拠、CIAに乗り入んで「わたしをスパイにしてください」「そんなばかな、ご冗談を」ところが、どういうわけか彼女の夢はほんものになってしまったのだ。元気印のポリファックスがさっ爽世界に登場(「BOOK」データベースより)

 

夫を亡くし2人の子どもたちも結婚し、ボランティアなどの優雅な独り暮らしにも飽き、これから先の生きる指針を見失ってうつ状態に陥ったMrs.ポリファックス

 

ある日思い立ってスパイ候補としてCIAに面接に乗り込んだおばちゃま。

 

1966年に始まったこの「おばちゃまはスパイ」シリーズは2000年までに14巻刊行するという人気シリーズとなり、2010年にはアメリカ探偵作家クラブ巨匠賞を受賞していらっしゃいます。

 

本書はシリーズの記念すべき第一巻。

 

 

ダメモトで応募したCIAのスパイに任命されたMrs.ポリファックスは初の任務地メキシコシティーに旅立ちます。

 

「未知のことに賭ける、それが人生」

 

今から30年以上前に書かれた本書。

 

当然世界情勢も今とはかなりかけ離れた感はあるものの、時代を超えたおもしろさ満載。

 

内容的には奇想天外、ありえないストーリー運びなのにハラハラワクワクが止まらない。

 

なんといってもMrs.ポリファックスのキャラが際立ったカッコよくもハートフルな物語。

 

どんなに年を重ねても好奇心を喪わず、そしてユーモアに富んでいてチャーミング・・・そんな人にわたしもなりたい(^^)

週一で朝日新聞に掲載されている徳永進医師のエッセー「野の花あったか話」。

 

終末医療に携わっておられる氏の患者さんとの交流のこぼれ話には毎回胸を打たれます。

 

今週は嚥下困難になられ命の終息に向かう患者さんたちが好む食べ物、またはどんな食べ物が適切かというお話。

 

病棟を中心に夏季限定調査をしたところ、1位モモ、2位スイカ、3位メロンだったそう。

 


エッセイを見て思い出したこと・・・。

 

最後まで自宅で過ごし、多くの介護の方々や訪問看護師さん、医師の方に支えられて終末期に入った母の元に通っていたとき。

 

亡くなる2週間ほど前から医師の指示による点滴も終え徐々に徐々に命の火が消えていった母。

 

それでも水分を取らせることに最後まで拘っていたわたしはポカリなどを無理やりに口に含ませたり、少しでも水分を吸収できるように加湿器を全開にしたりしていました。

 

ほぼ意識が薄らいできた1か月ほど前、最後に固形物として口に入れて食べさせたのがメロン。

 

たったスプーンで一口だったけど狂気乱舞という感じで嬉しかったことを思い出します。

 

母の死への道は医師に言わせれば理想的といえる状態だったなぁと今は思えますが、その理想的な終末を確保するまでの道のりの長かったこと。

 

寝たきりになってからの5年ほど、どれだけ精神的に苦しかったかと想像すると今でも胸が苦しくなります。

 

なるべく思い出さないでおこう、と思っているのに「野の花・・・」見たばかりに思い出してしまいました。

犬田で犬田で

一本道のかたえにイヌタデふりむけばわれを見送る母がいた夏

 


さあ、頭から取り払ってピアノでも練習するかな。

 

いつまでたっても上達しない独学ピアノ・・・

 

せめて楽譜の記号とか譜読みができるように月一で「譜読み」に特化した教室に通っています、今更ながら( ;∀;)

 

 


夜明けのフロスト
さて今日は
R・D・ウィングフィールド氏著『夜明けのフロスト』 

平穏無事で和やかなクリスマスであってほしいと願うフロストだったが、期待はむなしく裏切られた。早朝、商店の戸口に赤ん坊が捨てられていて、その着衣には血痕が付着していた。少女失踪事件も発生し、また一方で、百貨店の事務所の金庫が荒らされ大金が盗難に遭っていた。署内はてんやわんやの大騒ぎ。しぶしぶながらフロストが捜査に乗り出し…(表題作)。『ジャーロ』収録作品のなかから7編を厳選した傑作クリスマス・アンソロジー

『ジャーロ』傑作短編アンソロジー第3弾

今回は7名の作家によるクリスマスにちなんだ短篇集。

クリスマスが舞台なのに梅雨明けに読むのはどう???という感じですが、そろそろ読む物が枯渇してきて・・・。

エドワード・D・ホック『クリスマスツリー殺人事件』

引退後のレオポルド元警部が主人公。

暇を持て余すレオポルドに、後輩のフレッチャー警部迷宮入りした殺人事件を調べるよう依頼30年前の事件周辺の人々に聞き込みをし捜査をスタート。
結末はちょっと貧弱、短篇にありがちな〆を急ぎすぎた感あり・・・仕方ないか。★2つ。


ナンシー・ピカード『Dr.カウチ大統領を救う』

獣医のフランクリン・カウチ孫娘フランキーへの自分昔語り。

第二次大戦を終えた1945年のクリスマスの夜若きDr.カウチが寒さのなかミズーリー州のインディペンデンス市の街のなかで散歩中にトルーマン大統領に偶然出逢うというストーリー。
ミステリーとしては期待できないものの、老いたフランクリンと孫娘フランキーの交互の情愛にほのぼのとしたあったかさを感じる物語。★4つ


ダグ・アリン『あの子は誰なの?』

わたしにとって未知の作家さんですが、物語の運びが秀逸。

主人公ブルース・ドラモンド警部補の造形も魅力的。★4つ。


レジナルド・ヒル『お宝の猿』

神経質で心配性のピーター・バスコー主任警部と楽天家のダルジーズ警視の掛け合いが面白く、第一次大戦時のドイツ軍とイギリス軍とのクリスマスの夜の逸話を絡めた内容も秀逸。★4つ。


マーシャ・マラー&ビル・プロンジーニ『わかちあう季節』 

夫ビル・プロンジーニとマーシャ・マラーとの夫婦合作短編。

マラーの描くマコーンとプロンジーニのウルフという探偵が活躍する物語。★2つ。


ピーター・ラブゼイ『殺しのくちづけ』

著者おなじみの主人公
ダイヤモンド警視夫妻がクリスマスを共に過ごすためにダイアモンド夫人の姉のエリーをブルックリンに訪ねたときの物語。★2つ。


R・D・ウィングフィールド『夜明けのフロスト』

ィングフィールド著の「フロスト」シリーズは全部読んでいますが、本書は『クリスマスのフロスト』を短篇用にまとめたような作品。

ファンにはおなじみの下品極まりないジョーク連発のフロスト警部は相変わらず健在。

クリスマスの早朝、デントン署に顔を出したフロストを待ち構えていたようにさまざまな事件が発生するのもいつものこと。

相変わらずのドタバタ劇をうまく短篇用にまとめた巧みさに★4つ。


訳者・芹沢恵も相変わらずの名訳。

友人にせとかをもらったのでそのうち3つほどをマーマレードにしてみました。


クックパッドで検索してみると、皮は甘くて薄いので皮のゆでこぼしは不要とありましたが、けっこう苦味があるので念を入れて3度ゆでこぼしの処理。


薄皮をとった実も入れて、すべての重量の約3分の1のきび糖。


弱火でアクをとりながら煮詰めて直前にレモン汁を絞って・・・出来上がりました。



並行して、塩&砂糖を摺りこんで一晩寝かせていた鶏むね肉でとりむねハムを作って朝のトーストに乗せて食べました(^.^)







さて今回は再読のもの。


インフルエンザでこもっていたとき読み物が枯渇したので、本棚からスー・グラフトンのABCシリーズを手当たり次第出してきてずっと没頭していました。

大大大好きなスー・グラフトンのABCシリーズ。


どれから読んでもすぐ主人公・キンジーの世界にすうっと入り込めます。


アルファベットのAから始めてZまで完結する、というのが著者の強い目標だったのがYを冠した作品が最後となったそうです。


娘さんの話では、2019年に『ゼロのZ』の出版を計画しておられたそうで、ご本人はさぞ無念だったことでしょう。


2017年12月28日永眠 享年77歳。


生前、アメリカミステリ界で権威ある団体・アメリカ探偵作家クラブ(MWA賞の選考を行う団体)の会長をされていた著者。


ミステリ界での受賞歴も華々しいものがあります。

1986年『泥棒のB』でアンソニー賞長編賞受賞、シェイマス賞長編賞受賞
1987年『死体のC』でアンソニー賞
1987年『パーカー・ショットガン』でアンソニー賞短編賞受賞
1989年『証拠のE』でアンソニー賞長編賞ノミネート
1991年『探偵のG』でアンソニー賞長編賞受賞、シェイマス賞長編賞受賞
1991年『逃亡者のF』でファルコン賞受賞
1995年『殺害者のK』でアンソニー賞長編賞ノミネート、シェイマス賞長編賞受賞
2004年ロス・マクドナルド文学賞受賞
2008年英国推理作家協会カルティエ・ダガー賞(功労賞)受賞
2009年アメリカ探偵作家クラブ功労賞受賞
2011年アガサ賞功労賞受賞


今回は7冊ほど再読しましたが、代表として『アリバイのA』を一応ポストしておきます。

レビューは7冊の中から思いつくところをピックアップして。



スー・グラフトン氏著『アリバイのA』




事件によって登場人物は様変わりしますが、いつも変わず登場して読者を楽しませてくれるのが主人公の女探偵キンジー・ミルホーン・・・主人公なので当たり前!?


カリフォルニア州でのライセンスを持ちサンタテレサという海辺の小さな町で私立探偵をしている32歳(『アリバイのA』時)。

2度の離婚歴を持つ独身、身長5フィート6インチ、体重118ポンド、髪はダークでストレート。

美容院代がもったいないのでいつも6週間おきに爪切りバサミで自分で切る、化粧はほぼしたことがなく、ほとんどタートルネックセーターとジーンズで過ごすおしゃれとはかけ離れた女性。


ついでにいうと料理には無頓着、ピクルスとゆで卵のサンドイッチを作る以外もっぱらマクドナルドなどのコレステロールの多いジャンクフードを好物としていて、その埋め合わせのように早朝のマラソンを習慣化しています。



そして登場人物の中で絶対欠かせないのが彼女の家主のヘンリー・ピッツ81歳(『アリバイのA』時)。


かつてパン屋を営んでいて引退後はクロスワードパズル製作を趣味とし、前職の腕を生かして食パンや菓子パンを焼いては近くのレストランに持っていき代わりに食事をただにしてもらったりの充実生活をしているヘンリー。


キンジーが店子として2年間暮らしたアパートが爆弾で木っ端微塵に吹き飛ばされたのでヘンリーの設計の下、キンジーのために建てられた新しいアパートができあがったのが『探偵のG』。


このアパートの様子を書くためにこのレビューを書いている、というほどのステキな内装に唸ってしまいました。


こんな家に住みたい!


― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―

アパート全体は船の内部を思わせた。

壁はつやのあるチークとオークの板が張られ、どの壁にも棚と引き出しが作られていた。

キチネットは以前と同じに右手にあったが、小型のレンジと冷蔵庫がついたギャレー・スタイルになっていた。

あらたに電子レンジとトラッシュ・コンパクターも備えられていた。

キッチンのわきには上に乾燥機がついた洗濯機が置かれていて、その隣が小さなバスルームになっていた。

リヴィング・ルームとなるスペースには、出窓の内側にソファーが作りつけられ、二脚のロイヤル・ブルーのカンヴァス地のディレクターズ・チェアが向かい合わせに配置されて、「団欒の場」を作っていた。

ヘンリーはソファーが客用のベッドに変わることをすばやく実演してみせた。

要するに、収納できる補助ベッドだった。

中央の部屋の大きさは、依然として一辺が15フィートほどの四角形ではあったが、こんどはかつての収納スペースだったところに小さな螺旋階段がついて、その上に寝るためのロフトが作られていた。

前のアパートのときは、わたしはたいてい裸でキルトにくるまってカウチの上に寝ていた。

これで、わたしも自分のベッドルームというものを持つことになる。

階段を上がると、驚いたことに下に引き出しがついたダブルサイズのベッドが床に固定されていた。

ベッドの上の天井には、丸いシャフトが屋根まで伸びていて、透明なプレクシグラスの天窓から、朝の日の光がブルーと白のパッチワークのベッドカヴァーの上に降り注いでいた。

ロフトの窓は一方は海に、もう一方は山々に面していた。

奥の壁には、シーダー材で内張りされた広いクロゼット・スペースがあって、服を掛けるための長いパイプにいくつかの小物掛け、靴棚、それに床から天井まで続いている引き出しがついていた。

ロフトのすぐわきには、小さなバスルームがあった。

作り付けのシャワーがついたバスタブは埋め込み式で、窓はタブとちょうど同じ高さにあり、木の下枠には鉢植えが並べられていた。

緑の葉に囲まれて、雲が泡のように盛り上がっていく海を眺めながら、バスタブの湯に浸かれるというわけだった。
タオルはコットンのシャグ・カーペットと同じロイヤル・ブルーだった。

練り仕上げの卵形をした石鹸までがブルーで、丸い真鍮の洗面台のはしに置かれた、白い陶磁器の小皿に入れられていた。

・・・わたしがふりかえって彼を言葉もなく見つめているのを見て、ヘンリーは声をあげて笑い、彼の計画が見事に成功したことに大喜びした。

こみ上げてくる涙をこらえて、わたしが額を彼の胸に押し付けると、彼はぎこちなくわたしの背中をたたいた。

彼ほど素晴らしい友人は世界じゅうを探してもいなかった。

― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―


81歳のヘンリーにほとんど恋をしているような天涯孤独のキンジー32歳。


まるで年の離れた父親のようにキンジーの身を案じ、包み込むヘンリー。

2人の交流はほのぼのとしていて作品に深い陰影を与えています。


この他、所の居酒屋の女主人・ロージーや、一時期恋愛関係に陥っていたロブ刑事などが周囲を固めていて、それに多彩な依頼人からの案件を、時には危険を冒して、時には混ぜ合わせた嘘で証言を引き出したりしながら八面六臂の活躍するのも楽しい。


奇しくも同じ時期に華々しく登場したサラ・パレツキーの描くシカゴの女探偵V・I・ウォーショースキーと比較されることも多々ありますが、V・I・ウォーショースキーが元弁護士で格闘技にもすぐれた戦闘的性格に比して、高卒の元警官で容姿も目を惹かないキンジーとの差は大きく、私は断然キンジーの方により親近感を抱いています。


日本語訳はスタート時から嵯峨静江氏が担当されていてとても読みやすい訳となっています。


ただ『ロマンスのR』で邦訳が止まっているのがとても残念、ハヤカワ・ノヴェルズさん、どうかYまで上梓してくださることを切に願っています。

11月4日月齢15.3
今日は全日本大学駅伝の日。


熱田神宮から伊勢神宮までの106.8キロを8区間に分けています。


ずっと熱く観ていました~。


途中強豪校同士の競り合いや追い抜きがあって手に汗を握りましたが、結果は20年ぶりに神奈川大学が3度目の日本一に輝きました!


続いて東海大学、青山学院大学・・・早稲田大学は7位で惜しくもシード権を逃しましたが、限りない健闘の結果の汗、清々しかったです。



お正月に2日にわたって放映される箱根駅伝を毎年楽しみにしている私ですが、夫は関西の大学の参加が許されないという点をいつも批判します。


関東の大学限定というのがどうも許せないらしい・・・


でも毎年の全日本大学駅伝(これは日本全国津々浦々エントリーできます)を通していつもしっぽのほうでしかテープを切れない関西勢を見ていると、たとえ箱根予選会にエントリーしてもぜ~ったい通過できないよね?・・と言うとしぶしぶ納得しておりました(――;)






メアリ・ヒギンズ クラーク氏著&深町真理子氏訳『恋人と呼ばせて』


「あの顔は、殺人事件の被害者にそっくり…。
検事補のケリーは、交通事故にあった娘を連れていった診療所の待合室で、信じられない光景を目にした。
診察室から出てきた女性が、十年前に関わった事件の被害者そっくりだったのだ。
そして翌週にもまた別のそっくりさんが…。
美貌に憧れる女心と、愛する人を永遠に手許に置こうとする異常な執着心が生んだ、ダークな味付けのサスペンス」



タイトルだけ見るとまるでラブロマンスストーリーのようですが、れっきとしたサスペンスです。


今回もヒロインはアメリカ・バーゲン郡の検察官事務所の検事補であるケリー。

10歳の娘ロビンを慈しみ育てているシングルマザーでもあります。


離婚した夫でありロビンの父親でもあるボブの車に同乗していて交通事故に巻き込まれて顔に怪我をしたロビンの治療のため、著名な形成外科医のチャールズ・スミスの診療所を訪ねたところから物語が始まります。


そこで立て続けに容貌が瓜二つの若い美しい女性を見かけ、その美貌に奇妙な既視感を覚えたケリーがその既視感を見逃すことができず、10年前の殺人事件に到達、徐々に事件の深みに入っていくというもの。


10年前の殺人事件がケリーの上司であり知事選出馬を控えた上席検事が手がけて名をあげた事件ということで、それを再調査しなおそうというケリーは政治的な圧力の板ばさみになります。


それでも果敢に突き進むケリーに事件から手を引かせようとする不審な手が伸びて・・・



そしてやはりお定まりというか・・・読者の推理を裏切るラストへの導入にハラハラドキドキが今回も止まりませんでした。


読んでもたいした実りはないと思いながらついつい手が伸びる・・・麻薬の香りがする作品です。

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