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ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。 響きこし言葉に貼れるさみどりの付箋そよぎて林となりぬ

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カテゴリ: 宮尾登美子

言葉で責められて責められて我慢の限界が臨界点に達して叫んだ「しつこい!もうやめて!」という自分の声にびっくりして夢から覚めました。523e1eb6.jpg



あんなに苦しくていやだったのに朝起きたらその内容は忘れていて、責めた相手が夫だということだけはしっかり覚えていました。


「そういえば夜中に寝言言ってなかった?」

「そうだ!思い出した。
『しつこい』って叫んだ直後にすぐ寝入っていたよ・・・
現実では可能性のない悔しさで大方痴漢にでも襲われた夢でも見ていたんじゃないか・・・
夜中に突然起こされて睡眠不足だよ」


日頃の抑圧がこうして夢に現れたのか・・・現実の私は夫に向かって「しつこい!」とは口が裂けても言えないもので



あの世からユングに戻ってきてもらって夢分析した結果をじっくり夫に報告してほしいものです。





さて今回は宮尾登美子氏著『義経』のレビューです。


「戦は彼の宿命。悲劇は彼の運命。ただ恋だけが彼を慰めた。宮尾歴史文学の傑作。
源氏と平氏と朝廷の確執に煽られて、一ノ谷から屋島、壇ノ浦、平泉へ。
自らがやがて伝説と化すことも知らぬままに戦を重ねて、短い人生を駆け抜けた義経。
生涯の全ての勝利が、非業の死を彩る虚しい供物にしかならなかった逆説ゆえに愛され、時を超えて絢爛たる光芒を放つ稀代のヒーローと、彼を慕った女たちの人生の流転を、哀感を滲ませた華麗な筆致で描き尽くす宮尾歴史文学の白眉」



2005年NHKテレビ大河ドラマ「義経」の原作とされる『宮尾本平家物語』の中の「義経」に光を当て、その生涯を著者の想像を通して迫った作品です。



過去に多くの義経記が出ているようですがどれも実像を浮き彫りにするには至らず、伝説の多さの割に未だに謎の多い人物といわれている義経。



本書は著者ご自身が丹念に調べ上げた史実と史実の隙間の曖昧な部分は著者の想像でつなぎ合わせ、「こうだったのではないでしょうか?」「こうだったように思いますがどうでしょうか?」と読者に問いかけながら空白の部分を埋めていくというユニークな構成。



私の知る限りでは宮尾作品では初めての試みだと思います。



著者ご自身が語り部に徹して丁寧語で読者に問いかける文体を通して女性としての著者の主人公に対するやわらかな目線が感じられる作品となっています。



「義経といえば無敵の英雄、と誰しも思い浮かべますが、甲冑を脱いだその下は、とてもさびしがりやの、人と人とのぬくもりを欲しがる一人の男だったのかも知れません」


兄弟の埋めようがない確執、というより頼朝の一方的な義経に対する恐れが義経の運命を決定してしまう様子が作品を通して描かれていて胸に迫ります。



著者は、義経の生涯は権謀術数こそ弄しなかったものの、終始一貫源氏のため、あるいは亡き父の恨みを晴らすためという義経に対する見解をラストまで貫いています。



節句の季節、高知をドライブしていたとき、一度ならず目にしたことがあるのぼり旗を高知出身の著者によると「フラフ」というそうです。


勇ましい武者絵が多かったと記憶していますが、牛若丸と弁慶の五条橋や八艘飛び、弓流し、那須与一の扇の的など義経を主題に描いたフラフが圧倒的に多いそうです。


今度高知でフラフを目にしたらじっくり味わってみるという楽しみが増えました。

昨日は週1回の卓球の日。

日ごろの運動不足解消のために始めたのにエアコンがあまり効かない施設を想像しただけで気力が萎えてしまいます。

ここ5年ほど前から顔を中心にすごい汗かきになり、夏場少し体を動かすと汗が滴りおちて前が見えなくなるほど。


最近のスマートなスポーツクラブのようにエレベーターやエスカレーターはないので地下駐車場から階段で3階まで一気に上ります。

これがかなりきつく本番前からもうバテ気味の根性なしです。


日ごろ自宅のある6階まではエレベーターを使わず階段を利用するようにしていますが、エントランスから6階に上がるよりキツイ感じ。


今日も汗だけは人一倍かいてきました。


ところで私が住むマンションは15階建て、運動のために時々6Fから屋上まで上りますが、いつも不思議に思うのは1Fから6Fまで上るのと、6Fから15Fまで上るのとでは後者の方がラクなのです、階にすれば約2倍ほどもあるというのに。


何度試しても同じ体感なので、精神的なものが作用しているのかいろいろ分析中ですが結論がでません。(どこまでヒマなんっていう感じ)

6階から上は�TF上がる毎にどんどん地上から離れ、空気がきれいになり、空に近くなるのが心地いいので達成感とともに疲れが抜けるのでしょうか。


それにしても99歳になられる聖路加病院の日野原先生は高層階のご自分の部屋までエレベーターを使わず歩いて毎朝上がられるとか。


私から見ると驚くべき超人、そのすばらしい生き方を含め敬服します。




さて本日は宮尾登美子氏著『湿地帯』をご紹介します。


宮尾氏といえば芸妓娼妓紹介業を営んでいた生家を題材にした自伝的小説や芸道小説、歴史小説など幅広い分野で多くの読者惹きつけている日本を代表する作家のお1人ですが、初めてのデビュー作は1962年、女流文学賞受賞作『連』でした。


その後1973年に自伝4部作といわれるものの1つ『櫂』で太宰治賞を受賞されたのをかわきりに、『一弦の琴』で直木賞、『序の舞』で吉川英治文学賞など名誉ある受賞も多く現在に至っていらっしゃいますが、『連』と『櫂』との間の約10年間は不遇の時代だったと回想していらっしゃいます。


その不遇の時代に書かれたのが今回ご紹介する作品です。


本書のことはブログで親しくしていただいているトコさんの読書録で知りました。


読んでみたいと思わせるレビューを書かれていて、宮尾作品は全作品を網羅している私は図書館で探していましたが、書店の店頭に平積みされているのを目にして迷わず購入したという経緯があります。

トコさんの読書録はこちらから


本書の最後に書かれた著者による「読者のみなさまへ」という挨拶文。

「女流新人賞を頂いたのを機に、地方文化の振興と新人への激励をこめて、その二年後に高知新聞が独自で掲載を企画してくれたもので、当時としては画期的なものでした・・・
新人の私がどれだけ緊張、張り切ったか、誰も想像に難くないと思います。
しかし、ねらい通りにはいかず結果はさんざんで恥ずかしい作品になりました・・・
どうぞ、ご一読、お笑いください」


解説を担当された文芸評論家の末國善己氏は、この幻の1冊が書かれた約半世紀前の時世に触れられ、松本清張氏の『点と線』や仁木悦子氏の『猫は知っていた』など社会派推理小説がブームとなった時期と重なり、新人だった著者が本書にミステリー的な要素を取り入れたのはそのような背景によるものであろうと推察していらっしゃいます。


解説で指摘されたように本書は、国立の衛生研究所で薬務次官から高知県庁の薬事課長に転出した小杉を主人公とするミステリー的要素の濃い作品となっています。


大手の製薬会社などの戦略により保健薬が世間に出回り始めた時期の薬価問題を取り上げ、殺人を絡めながら社会の闇に切り込みをいれているところは新人とは思えない筆力を感じましたが、物語の流れに必然性が感じられないような登場人物たちが複雑に絡み合い、エピソードに次ぐエピソードが煩雑感や冗長感を感じさせる作品となっているのは残念でしたが、力作であることには共感できる作品でした。

オンラインで買い物をする人が年々増えているという記事が出ていました。

私も以前から楽天市場やamazonなどをよく利用しています。

書籍やCDがいちばん多く、あとはサプリなど、電化製品も買います。


大きな電化製品は運び込みや取り付けが難しく敬遠しますが、今までいちばん大きく運び込みに苦労したのがマッサージチェア、次が多機能付のオーブンレンジでした。


いちばんのネックになっていた保証も希望年数に合わせて付けられるようになり、エアコンでさえも取り付け費や送料込みでも量販店のセール品より安価という点が最大の魅力。


写真は自宅のプリンターでプリントする人が多く我が家も例にもれませんが、L版1枚が6円という超安値が出るに至って注文したこともあります。

1枚35円前後という町の写真屋さんのものとは少し劣るものの、家庭にファイルする分にはほとんど遜色がないように思いました。

プリント用紙を買って、自宅でインクを大量に使ってプリントすることを換算すれば相当お得という点でもオンラインで注文する人が増えているそうです。


先日は近く出発予定の夫の海外旅行に際しての海外保険にオンライン加入しました。


大体旅行会社や空港などに付帯されている保険料の30%~60%offで購入できます。

夫はリピーターなのでそこから更に5%off。


ついでに2月に2泊3日で友人と上海旅行をする予定の私も購入。

昨日は友人宅に出向いて友人の分も購入してきました。


通販やオンラインショッピングは自宅にいながら購入できて便利な反面、想像とは違った商品が届くという失敗やクレジットの不安などもありますが、高齢化社会において買い物にいけないお年寄りにも道が開けるのではないでしょうか。

ガードがしっかりしたオンラインショップがどんどん増えてほしいです。




さて本日は宮尾登美子氏著『錦』をご紹介します。


長期にわたって「中央公論」に連載されたのち2008年に単行本として刊行されました。


明治から昭和にかけて京都・西陣で織物を芸術の域にまで高め、芥川龍之介に「恐るべき技術的完成」と言わしめた「龍村の帯」で有名な「龍村美術織物」の創始者・初代龍村平藏氏をモデルにした作品です。


「着物に親しんできた私たちの世代にとって、高級な龍村の帯は娘時代からあこがれの的。美しい織りや染めの世界を、いつかは書きたいと思っていました」


長く熟成させた構想を一気に作品に投入する著者ならではの30年もの構想期間ののちの作品だそうです。


主人公・菱村吉蔵は両替商・菱村の跡取り息子として何不自由なく成長しますが、16歳のとき菱村が没落、船場を離れてからは親子3人の生活を支えるために学校を辞め呉服の行商から身を起こし、苦労の末18歳で独立、京都・西陣で独創的な織物の開発に情熱を傾けながら次々に新技術を編み出して独自の帯を生み出します。


その間の道は険しく、模造品に苦しめられ、信頼していた織工に裏切られたりの苦難の連続の中、持ち込まれた由緒ある橋田家からの名物裂の復元をスタートに、法隆寺の御戸帳、そして正倉院の琵琶袋など次々に仕事にも恵まれるという名誉に預かりながらも長年酷使し続けてきた神経を病むなど波瀾に満ちた生涯を送ります。


そんな吉蔵の織物に憑かれた生涯の物語を主軸とすれば、その吉蔵の本妻、愛妾、そして若いときから陰に日向に主人公に無償の愛を注ぐお仙という3人の女たちがそれぞれ3本の軸となって主人公を支え続ける様子を縦横に紡いで著者特有の厚みのある作品に仕上がっていますが、著者初めての試みといわれる男性を主人公にしたせいか、著者のこれまでの芸道ものに比べると今ひとつ迫力に負ける感があったのは残念でした。

Mixiのコミュニティーから広がったといわれる朝バナナダイエットが大流行ですね。

先日TVでオペラ歌手の森公美子さんが7キロ痩せた経過が放映されてますます火がついたようです。

朝食はバナナとお水だけ、昼食と夕食は何を食べてもいいというのが魅力のポイント。

そのためスーパーでは納豆以来入荷が追いつかないほどの品薄だということ、やはり昨日近くのスーパーでは売り切れでした

一億総雷同!

ずっとスリム体系の私にはまったく縁のない話ですが、バナナにはカリウムやビタミンA、Cが豊富に含まれているのでずっと前から朝バナナをヨーグルトに入れて食べています。

今から半世紀ほど前は台湾からのバナナが一般市民には手がだせないほどの超高級品でしたが、現在はいろんな国からのバナナが安価に店頭に並んでいますね。


以前読んだマンガを思い出しました。

アルツハイマーとおぼしき気難しいおばあさんを喜ばそうと家族が松茸づくしのお膳を用意したところ、「こんな裏山で採ってきたようなモン」と言ってそっぽを向いてしまいますが、バナナを出したところ「こんな高級品を・・」とあとの言葉が続かないほど大感激するというものでした。

世相の移り変わりを4コマでずばり表現してしかも笑いをとるなんて漫画の威力に敬服です。



さて今回はかなり前の作品ですが、宮尾登美子氏著『きのね』をご紹介したいと思います。

宮尾氏といえば、いまブレイク中のテレビドラマ「篤姫」の原作者ですね。

原作『天璋院篤姫』は以前ブログに載せましたのでよかったら読んでくださいね。

    http://yaplog.jp/ashy_ashy/category_5/


『きのね』レビューに戻ります。

1988年~1989年にかけて朝日新聞朝刊に連載されたものを文庫化したものが本書です。


梨園の中でも名家中の名家十一代市川団十郎とその妻千代の一生を描いた物語といわれています。


十一代市川團十郎といえばマスコミに度々浮名が登場する十一代市川海老蔵のおじいさん、そしてその團十郎に命を捧げた妻はおばあさんに当たる方ですね。

それらを知った上で読めば興味尽きない実話ですが、そんな世間の興味の枠をはるかに超えた崇高ともいえる愛を男に捧げた女の一生を描いた物語です。


父親の仕事の傾きで一家離散の末、叔母の家の居候になっていた実科女学校を出たての主人公光乃が口入れ屋の紹介で歌舞伎役を生業とする菊間の長男雪雄付の女中となる18歳から物語が始まります。


女中となったその日自分の前を通り過ぎた雪雄の姿に光乃は恐れにもにたおののきを抱きます。

「このひとの身辺から漂い立つ、ひしひしと激しいもの、研ぎ澄まされた鋭いものが光乃の眉間をしたたかに痛打したように感じられ、それはただちに、このお方の前でしくじりは決して許されまい、という、息詰まるような思い」でした。

結核療養から病癒えて舞台復帰して間もない雪雄の生来の孤独で不器用、世渡り下手の剃刀のように研ぎ澄まされた性格を一瞬で感じます。


雪雄を通して罹患した結核で最期を迎えるまでの半生を雪雄の変遷とともに耐えて尽くす光乃の姿を著者は余すところなく描いています。


周囲に認められることもなく、雪雄も産婆もいないところでたった独りで長男を産み落とす場面の著者の筆力には圧倒されます。

「たったいま、初産の大任を果たした産婦は、髪も梳かし、もんぺの紐をきちんと結んでいる」その姿に深く打たれた産婆は思わず後へ退ってその聖母子に合掌します。


長男に続き長女を授かったのち、雪雄が大名跡を襲名、正式な妻と認められた光乃の幸せは雪雄の病で断ち切られてしまいますが、その後も自分の終焉の日まで遺児十二代團十郎を支えることで人生を全うします。


まるで浄瑠璃のようだと評される著者の文体によって光乃の究極とも思えるような崇高で密やかで、そして激しい愛情が立ち上がってきて私たち読者の胸を打ちます。


もはや現代では死語となった「耐える愛」にしたたか打ち付けられてしまいました。

反面、主人公の中のあまりの自己犠牲的精神に反発を感じながら読んだのも事実です。

今年1月からNHK大河ドラマシリーズとして宮崎あおいさん主演で放映されているテレビドラマ「篤姫」を観ていらっしゃる方も多いでしょう。

篤姫に関しては1985年にも佐久間良子さん主演でドラマ化されました。


私はどちらのドラマも観ていませんが、宮尾登美子氏による原作とは大分隔たりがあるようですね。

宮崎あおいさん演じる篤姫はその雰囲気からしてとても明るく可愛い女性として描かれているようですが、原作の篤姫は沈思黙考、ストレートに感情を表さない男勝りなタイプとして描かれています。


本日ご紹介する『天璋院篤姫』は宮尾氏初めての歴史小説として昭和58年から59年にかけて日本経済新聞夕刊に連載されたものです。


宮尾氏の作品では過酷な運命に翻弄されながらも自分を見失うことなく自分の人生を貫くという芯の強い女性が常に主人公として登場します。


筆を起こすまでの膨大な下調べには定評があり、堅牢な基礎に裏打ちされた文章は緻密で独特の色があり、しかも登場人物のそのときどきの感情をしっかり織り込んで読者の胸にまっすぐ飛び込んでくるような力があります。




私はほとんどの宮尾作品を読んでいますが、このブログでアップしているのは『菊籬』のみですので、追々ご紹介したいと思います。

      http://yaplog.jp/ashy_ashy/category_5/


1962年初めて上梓した『連』で婦人公論女流新人賞を受賞されたのをかわきりに
1972年『櫂』で第9回太宰治賞
1977年『寒椿』で第16回女流文学賞
1979年『一絃の琴』で第80回直木賞
1982年『序の舞』で第17回吉川英治文学賞
1989年『松風の家』で第51回文藝春秋読者賞
1995年『蔵』でエランドール賞特別賞  をそれぞれ受賞していらっしゃいます。

賞に恵まれない無冠の作家も多い中、その筆力にふさわしいすばらしい経歴ですね。


さて本書にもどります。

「夜明けの桜島は、肩の辺りからほのかな桃いろに染まり、噴煙は線香のように細くまっすぐに立ち昇っている」

篤姫が江戸幕府13代将軍徳川家定の御台所となるため、養父島津斉彬が城主の鶴丸城を出発する早朝から著者はこのように筆を起こしています。

薩摩島津家の分家筋の姫として幼い頃より日本外史を友とし男勝りの気質でのびのびと育った島津敬子が島津斉彬にその器量を見込まれ養女となり、斉彬の特命を受け江戸幕府13代将軍徳川家定の御台所として江戸城に送り込まれますが、病身の夫とは夫婦の契りもないまま、2年をまたずに夫家定に先立たれてしまいます。

時はペリー来航や明治維新台頭の足音がかすかに聞えるような尊皇攘夷の嵐の真っ只中、まるで堅牢を誇っていた徳川幕府衰退を見届けるために存在したような篤姫の明治16年に息を引き取るまでの激動の運命を、著者は史実に沿って詳細に描いています。

大奥3000人の総師として崩壊する将軍家を最後まで諦めず支え続けた器量の篤姫を描く傍ら、14代将軍家茂の御台所となった和宮の定まらぬ嫁としての器量を対比させながら描いていて圧巻です。


本書を執筆した動機として、本書末尾に掲載された直木賞作家綱淵謙錠氏と対談で次のように語っていらっしゃいます。

「前からずっと和宮のことをいろいろ読みますうちに、やはり非常に徳川にいじめられたというようなことを読んだり聞いたりしていて、何か違うんじゃないかみたいな感じがありました」

綱淵氏はそれを受けて、「僕たちの天璋院というイメージは、不思議なことに、あの当時の攘夷派の浪人たちが和宮を持ち上げるために天璋院を叩くという誤りを犯したのですが、その誤った観念でつくられていました」と語っていらっしゃいます。


和宮に関する小説としては有吉佐和子氏による『和宮様御留』が有名ですが、これは「和宮替え玉説」というテーマを元に1978年に上梓されベストセラーになったものがあり、本書と合わせて読むとより興味深いと思います。


本書はそんな和宮との嫁姑の確執もさることながら、篤姫を養父島津斉彬が老中阿部正弘や伊達宗城、水戸斉昭などの開明派大名と結束し抱いた大改革の野望の布石とする経過や、開明派の押す一橋慶喜の人となり、浦賀に来航したペリーと幕府の折衝、篤姫婚礼の仕度のために特使として斉彬から遣わされたのちの西郷隆盛の様子など、充実した文体で激動の一時期が存分に描かれていて読み応えのある物語でした。


雰囲気の違うテレビドラマもおもしろいと思いますが、是非本書で別のおもしろさも味わってみられたらいかがでしょうか。

ウォーキングの途中、のどが渇いたのでマクドナルドに寄りました。

以前何度か入ったことがありますが、好みではないので最近は入ったことがありません。

松の内ということもあり、店内は賑わっていました。

私自身食べたことはありませんが、あの「ビッグマック」、口を汚さず食べるテクニックがあるのでしょうか?     いつも脅威に思っています(-_-;)


「ビッグマック」といえば、世界各国の経済力を測るための指数として1988年にイギリスの経済誌「エコノミスト」によって提唱されたビッグマック指数は、世界各都市の経済力を測るための指数として有名です。

ビッグマックは世界中でほぼ同品質のものが販売されていて、肉、小麦粉、野菜などの原材料のほかに店舗の光熱費、人件費など様々な要素をもとに価格が決められているため、指標には最適と選ばれました。

他にスターバックスの「トールラテ指数」、「コカコーラマップ」なども発表しています。


スイスの大手金融UBSグループがビッグマック1個を買うのに必要な労働時間を調べて世界の各都市の「豊かさ」を比較して発表していましたね。

それによると、最も豊かなのが東京で10分働くだけで買えるそうです。
次いでロサンゼルスが11分、シカゴとマイアミが12分、最下位のコロンビアの首都ボコタは97分、ちなみに世界70都市の平均は35分だそうです。

このように豊かさの象徴とされる東京ですが、生活の満足度からほど遠いような気がします(*_*;



本日は宮尾登美子氏『菊籬』をご紹介したいと思います。       

宮尾氏といえば「花」にちなんだ名前の題名の本が多いことでも知られています。

『菊籬』をはじめ、『寒椿』、『松風の家』、『天涯の花』、『楊梅の熟れる頃』、『花のきもの』、『地に伏して花咲く』、『小さな花にも蝶』など挙げることができます。


「菊籬」とは「菊の垣根」のことで、新古今和歌集にも出てきます。

霜を待つ籬の菊の宵の間に置きまよふ色は山の端の月       宮内卿



本作品には8編の短編が収録されていますが、純然たる物語5編と作者の生い立ちと深く関りのある作品6編からなっています。


☆「芸妓娼妓紹介業」という人の出入りの煩雑な生業の中で、苦境の娘を次々養女にする父と、それを受け入れてきた家族の葛藤、そして貰い子の1人菊と主人公の心の摩擦を描いた表題作「菊籬」

☆芸妓娼妓紹介業を営んでいた生家の栄枯衰退と共に歩んできた三味線の名器と謳われた「千代 丸」が、結核快癒の後20年の結婚生活を打ち切った主人公の手によって与えられた運命を描いた「千代丸」

☆若くして芸者置屋という苦界に身を置いた主人公が男運の悪さから男断ちを発心して刺青を彫ってもらいますが、執心した彫師を異母姉妹に奪われるという結末までの嫉妬の焔を描いた「彫物」

☆明治維新という歴史の渦に巻き込まれ、自害した山内豊福・典子夫妻の一部始終を見ていた典子部屋つきの女中である主人公語りの「自害」

☆この文庫で初めて公表された宮尾氏の処女作「村芝居」


虚実ないまぜのこれらの短編に出てくる主人公の女性は、いずれもそれぞれの時代や環境に翻弄されながらも、個としての確立した強さとしたたかさを持っているのが宮尾文学の特徴です。


「道徳」という確固たる枠組みから踏み外せない堅牢さを備えながら、片方ではすぅっと安易に柵を越えてしまう、そんな危うい人間の性を描いて圧巻です。


「彫物」、「自害」、「水の城」の3部に読み取れるような人間の一途な妄執ともいうべき思いからの行動を描いたものは、婦人公論女流新人賞を受賞された『連』に似通うものがあり、宮尾文学の中では個人的には好みから遠い作品です。

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