未曾有の犠牲者を出した豪雨から三夜過ぎて嘘のような青空。
急に暑さが戻ってきましたが、豪雨被害にあった地域の方々はこれからがより大変だと想像します。
当地の西に位置する真備の被害状況がすさまじくテレビ報道を通してただ眺めるだけのジリジリした状態が続いています。
どうぞこれ以上被害が広がりませんように。
この災害が起こる少し前、牛窓の「瀬戸内美術館」に愛媛県松山市の「セキ美術館」から名画の貸し出しが展示されていると聞き、絵画仲間と観にいってきました。
松山市の道後温泉近くの閑静な住宅街の一角にある「セキ美術館」には一度行ったことがあります。
「子規記念館」のすぐ近く。
平成9年に開館した「セキ美術館」は印刷業を興した関定氏の子息にあたる関宏成氏が私財を投じて作られたそうです。
近現代の巨匠の作品約350点を年間を通じて入れ替えて展示しています。
今回はその「セキ美術館」から小磯良平・加山又造・ロダンの作品を中心に東山魁偉・平山郁夫・藤田嗣治・三岸節子・国吉康雄・梅原龍三郎・須田国太郎などセキ美術館の誇る日本画・洋画の作品を78点展示していて見ごたえがありました。
展示の絵のこともさることながら、関氏のように小さな私設美術館を開放して買い集められた絵を広く市井の人々に見てもらう・・・資産の使い道としていいな~と。
大王製紙の会長だった御曹司がカジノで100億円以上のお金を使い果たしたという話題もありましたが、お金の使い方って本当に大切だと思いました。
お金に余裕があり贅を凝らした生活をしている人々をみると、不遇な人々に分けてあげてほしいといつも思ってしまいます。
昨日、yahooニュースを見ていると、このたび記録的な豪雨で甚大な被害が出た当地の倉敷市に、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する「スタートトゥデイ」が避難者用に衣類など約7000点を提供すると発表されていました。
スタートトゥデイの社長・前澤氏の決断だそうですが、前澤氏といえば昨年サザビーズのオークションでジャン・ミシェル・バスキアの作品を史上最高落札額の123億円で落札されたという話題がありましたね。
現代アートコレクターとしても有名だそうで、バスキアのほかにもアンディ・ウォーホールやロイ・リキテンスタインなどの作品を所有されているそうです。
生地の千葉に建設予定の美術館に飾るそうですが、バスキアの作品は一時期前澤氏が設立した公益財団法人現代芸術振興財団が主催する「第4回CAF賞入選作品展覧会」(東京・代官山)に登場していたそうです。
代官山に住んでいる娘が帰宅途中、道路に面したところに道行く人々が鑑賞できる状態で展示されていてびっくりしたと話していたことを思い出しました。
なんと太っ腹!
さて今回は東野圭吾氏著『人魚の眠る家』です。
「娘の小学校受験が終わったら離婚する。
そう約束した仮面夫婦の二人。
彼等に悲報が届いたのは、面接試験の予行演習の直前だった。
娘がプールで溺れた―。
病院に駆けつけた二人を待っていたのは残酷な現実。
そして医師からは、思いもよらない選択を迫られる。
過酷な運命に苦悩する母親。その愛と狂気は成就するのか―」
プールでの事故により脳死状態になってしまった6歳の娘・瑞穂。
医師を前にして一度は脳死を受け入れて脳死判定、それに続く臓器提供に応じようとしましたが、その間際に瑞穂の指が動いたような気がして、延命措置を続けることにした薫子と和昌。
障害者のための機能補助をする機器の研究をしていた和昌からの情報を通して、薫子は懸命に瑞穂を蘇らせようとします。
脳死のまま安定した瑞穂を在宅で介護する薫子は周囲を巻き込んですさまじいばかりの執念で瑞穂を生ある人間として扱います。
一線を超えたかにみえる薫子の行動のすべてに肯定することはできませんが、自分がまったく同じ立場になったとき、薫子の行動を常軌を逸したと言い切れるか否か、と自問しながら読みました。
温みもあり髪の毛も爪も伸びる、体重も増える・・・そんなわが子をもう死んだものとして扱うことができるか?
難病で臓器移植のみが命を繋ぐ道と、臓器移植を待ち望んでいる子どもたちに提供できるだろうか?
理性ではもう助からないとわかっているわが子の体の一部が他の子どもにバトンされて命が繋がっていくというのはすばらしいことと理解していても諦めて臓器提供を決心するのはかなり難しいことと想像します。
「うちの家にいる娘は、患者でしょうか。それとも死体なのでしょうか」
わが子の生に一縷の望みを託してロボットのように瑞穂の動作までをコントロールする薫子の行動を通して苦悩する和昌が担当医に尋ねた言葉です。
「この世には狂ってでも守らなきゃいけないものがある。そして子供のために狂えるのは母親だけなの」
一方、薫子の言葉は母親ならではの靭さをもって真向かってきます。
父親と母親の違いだけでなく、脳死という重い問題に挑んだ著者の勇気にも敬意を表したいと思います。
急に暑さが戻ってきましたが、豪雨被害にあった地域の方々はこれからがより大変だと想像します。
当地の西に位置する真備の被害状況がすさまじくテレビ報道を通してただ眺めるだけのジリジリした状態が続いています。
どうぞこれ以上被害が広がりませんように。
この災害が起こる少し前、牛窓の「瀬戸内美術館」に愛媛県松山市の「セキ美術館」から名画の貸し出しが展示されていると聞き、絵画仲間と観にいってきました。
松山市の道後温泉近くの閑静な住宅街の一角にある「セキ美術館」には一度行ったことがあります。
「子規記念館」のすぐ近く。
平成9年に開館した「セキ美術館」は印刷業を興した関定氏の子息にあたる関宏成氏が私財を投じて作られたそうです。
近現代の巨匠の作品約350点を年間を通じて入れ替えて展示しています。
今回はその「セキ美術館」から小磯良平・加山又造・ロダンの作品を中心に東山魁偉・平山郁夫・藤田嗣治・三岸節子・国吉康雄・梅原龍三郎・須田国太郎などセキ美術館の誇る日本画・洋画の作品を78点展示していて見ごたえがありました。
展示の絵のこともさることながら、関氏のように小さな私設美術館を開放して買い集められた絵を広く市井の人々に見てもらう・・・資産の使い道としていいな~と。
大王製紙の会長だった御曹司がカジノで100億円以上のお金を使い果たしたという話題もありましたが、お金の使い方って本当に大切だと思いました。
お金に余裕があり贅を凝らした生活をしている人々をみると、不遇な人々に分けてあげてほしいといつも思ってしまいます。
昨日、yahooニュースを見ていると、このたび記録的な豪雨で甚大な被害が出た当地の倉敷市に、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する「スタートトゥデイ」が避難者用に衣類など約7000点を提供すると発表されていました。
スタートトゥデイの社長・前澤氏の決断だそうですが、前澤氏といえば昨年サザビーズのオークションでジャン・ミシェル・バスキアの作品を史上最高落札額の123億円で落札されたという話題がありましたね。
現代アートコレクターとしても有名だそうで、バスキアのほかにもアンディ・ウォーホールやロイ・リキテンスタインなどの作品を所有されているそうです。
生地の千葉に建設予定の美術館に飾るそうですが、バスキアの作品は一時期前澤氏が設立した公益財団法人現代芸術振興財団が主催する「第4回CAF賞入選作品展覧会」(東京・代官山)に登場していたそうです。
代官山に住んでいる娘が帰宅途中、道路に面したところに道行く人々が鑑賞できる状態で展示されていてびっくりしたと話していたことを思い出しました。
なんと太っ腹!

「娘の小学校受験が終わったら離婚する。
そう約束した仮面夫婦の二人。
彼等に悲報が届いたのは、面接試験の予行演習の直前だった。
娘がプールで溺れた―。
病院に駆けつけた二人を待っていたのは残酷な現実。
そして医師からは、思いもよらない選択を迫られる。
過酷な運命に苦悩する母親。その愛と狂気は成就するのか―」
プールでの事故により脳死状態になってしまった6歳の娘・瑞穂。
医師を前にして一度は脳死を受け入れて脳死判定、それに続く臓器提供に応じようとしましたが、その間際に瑞穂の指が動いたような気がして、延命措置を続けることにした薫子と和昌。
障害者のための機能補助をする機器の研究をしていた和昌からの情報を通して、薫子は懸命に瑞穂を蘇らせようとします。
脳死のまま安定した瑞穂を在宅で介護する薫子は周囲を巻き込んですさまじいばかりの執念で瑞穂を生ある人間として扱います。
一線を超えたかにみえる薫子の行動のすべてに肯定することはできませんが、自分がまったく同じ立場になったとき、薫子の行動を常軌を逸したと言い切れるか否か、と自問しながら読みました。
温みもあり髪の毛も爪も伸びる、体重も増える・・・そんなわが子をもう死んだものとして扱うことができるか?
難病で臓器移植のみが命を繋ぐ道と、臓器移植を待ち望んでいる子どもたちに提供できるだろうか?
理性ではもう助からないとわかっているわが子の体の一部が他の子どもにバトンされて命が繋がっていくというのはすばらしいことと理解していても諦めて臓器提供を決心するのはかなり難しいことと想像します。
「うちの家にいる娘は、患者でしょうか。それとも死体なのでしょうか」
わが子の生に一縷の望みを託してロボットのように瑞穂の動作までをコントロールする薫子の行動を通して苦悩する和昌が担当医に尋ねた言葉です。
「この世には狂ってでも守らなきゃいけないものがある。そして子供のために狂えるのは母親だけなの」
一方、薫子の言葉は母親ならではの靭さをもって真向かってきます。
父親と母親の違いだけでなく、脳死という重い問題に挑んだ著者の勇気にも敬意を表したいと思います。