VINのらんどくダイアリー

ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。 響きこし言葉に貼れるさみどりの付箋そよぎて林となりぬ

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カテゴリ: 三浦しをん

「晴れの国」といわれている当地に初雪が降りました。


朝、起き抜けにカーテンを開けると家々の屋根にうっすらと申し訳程度の雪。

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積もるまでにはいたらず、すぐ消えてしまいました。


底冷えのする京都の北、舞鶴で育った夫は雪に苦労した経験をしばしば語りますが、それでも雪が降ると胸躍って嬉しそう。

いまも舞鶴に住んでいる高齢の義兄夫婦、こんな天候のなか雪かきに不自由しているのではないかと案じています。







さて今回は三浦しをん氏著『あの家に暮らす四人の女』のレビューを少し。

「謎の老人の活躍としくじり。
ストーカー男の闖入。
いつしか重なりあう、生者と死者の声―古びた洋館に住む女四人の日常は、今日も豊かでかしましい。
谷崎潤一郎メモリアル特別小説作品。
ざんねんな女たちの、現代版『細雪』」


『風が強く吹いている』を読んで以来、目が離せなくなり著者の作品を読みまくった時期がありましたが、最近は久しぶりの本書。


現代版『細雪』といわれても・・・だいぶかけ離れた雰囲気の作品。


生涯独身率が大幅に上昇しているという日本の現状を反映するような女友達同士のシェアハウスでの物語・・・と簡単に記せばこのように表現できますが、個々にさまざまな事情を抱えて共棲みしている女たち4人の物語。



都内杉並区に在る祖父の代からの150坪の土地に立つ古びた洋館に住むのは60代後半の鶴代とその娘・佐知37歳、佐知が偶然知り合ったOLで同年代の雪乃、そして雪乃の会社の後輩で27歳の多恵美、そしてその敷地内の離れに住む得体の知れない老人・山田。


母娘以外、他人の寄り集まりのような所帯にも日々、さまざまな出来事が起こったり解決したり・・・


メンバーの1人に降りかかったストーカー問題や家屋のリフォームについて意見を交換したりとガールズトークに花が咲くあたり、何だか羨ましい暮らしぶりです。


そんななか中盤辺りから、一見SFと見紛うような展開になって・・・

唐突にカラスの善福丸が語り始めたり、河童のミイラや死んだはずの佐知の父親の霊が登場したりと奇想天外すぎて何が何だかわからない展開となりました。


こういった荒唐無稽な筋書きが好みでない私には読了がきつかった作品でした。

当たり前のことに気がつくのに時間がかかる・・・
年を取ることのいいことのひとつです。   福岡伸一



遺伝子の一つを削除してもマウスに何の異変も観られない・・・。
若き日のこの気づきが、欠損が生じても新たな均衡を立ち上げるか逝く浮力や可塑性こそ生命を生命たらしめているものだという「動的平衡」の研究につながったと、福岡氏は言われます。


朝日新聞で4人の筆者の方々と交代で連載していらっしゃる福岡伸一氏。

「動的平衡」というタイトルですが、科学者の域をはるかに超えた内容・・・科学的な説明では計れない神秘的な自然や人間の深層を切り取って考察している・・・というような内容に惹かれて楽しみに読んでいます。


福岡氏と言えば、一昨年肺がんで亡くなった友人が氏の大ファン、というか傾倒していたことを思い出します。


彼女が旅立ったという知らせをご夫君から受けて、旅立つ前後の様子など話されるのに耳を傾けていたとき、ご夫君が言われたことが今でも心に残っています。


理知的で頭脳明晰だった彼女はかねがねご夫君のことを「私がいなければ彼は生活できないほど世の中の仕組みも何もわからないの」と言われていて、自分よりも下に見ているような印象をいつも感じていました。


彼女が旅立つ前の晩、「私は福岡伸一に敬服するあまり、あなたの言動すべてを軽んじていたけど、バカだった・・・あなたの言動は単純だけど真実だとやっとわかった」と言われたそうです。


ご夫君はその彼女の最期の言葉を単純にしみじみ喜ばれていました。


そんな素朴なご夫君の貴重な資質を死ぬ瞬間に理解された彼女にご夫君は感謝されていたのでした。

間に合ってよかった!

と思えるご夫婦の物語。






さて三浦しをん氏著『政と源』をご紹介します。 


「簪職人の源二郎と元銀行員の国政は、ふたり合わせて146歳の幼なじみ。
弟子の徹平と賑やかな生活をおくる源二郎と、男やもめの国政を中心にまき起こる、人情味豊かで心温まる事件の数々。
下町を舞台に繰り広げられる人情物語。三浦しをん、新境地!」


舞台は東京都墨田区Y町。


つまみ簪職人・堀源二郎と幼馴染の元銀行員・有田国政が巻き起こす人情譚。


弟子の徹平と賑やかに暮らす源二郎と、妻子と別居してひとりで暮らす国政。

どちらも73歳。


元銀行員だけあって堅実で面白みがない政と、豪快で大雑把な職人気質の源・・・どこを比べても姿も経歴も性格も正反対の2人。


この2人と源二郎の弟子の徹平が中心になって物語が進みます。


ゆるゆる進むストーリーの中で、妻と別居して孤独をかこつ政の老齢の悲哀や、病死した妻への思いに捉われる源の心情などが徐々に語られて、じ~んと胸に響きます。



源が作っている「つまみ簪」とは布製の簪のことで、祇園の舞妓さんや七五三で着物を着飾った子が挿したりしているものだそうです。


この正反対な2人の主人公の年甲斐のない喧嘩が傍からみるととてもかわいい。


東京下町の人情を描いて秀逸の作品。


ゆる~いお話を書かせるとさすがしをんさん!

やっと年賀状を刷り終わりました~。

プリンタに不具合があり、A4用紙にはプリントできないので葉書はどうなるかと心配しましたが無事完了!

元気の証でもある夫の油彩画の中から夫が選んだ2点を配置して。

今回は風景画ばかりでちょっと色彩の明るさが欠けていますが、まあよしとしましょう、だれも思うほど夫の作品をじっくり見るわけじゃないし。。。
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運動公園
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Niagara Falls

クリスマスの日に心臓のカテーテルアブレーション(心筋焼灼術)という治療を受けるために最短3泊4日の入院を予定しているので、それまでに雑用を片付けておかなければと、今頃になってちょっと気が急きだしました。

数ヶ月前、友人からの強い勧めで時々起こっていた不整脈を専門医に診てもらい、不整脈チェッカーなるものを借りていたところ運よく(?)不整脈を拾うことができたのが発端。

チェッカーで記録した波形を見せたことろ心房細動という診断が下り、その場で入院治療スケデュールがあれよという間に組まれました。

それまでの間血栓予防のワーファリンと抗不整脈剤を飲み凌いでいますが、抗リウマチ剤も含め、あまりの薬の数が多く辟易、この治療を受けると運がよければワーファリンと抗不整脈剤は飲まなくてよくなるらしいのに希望を託して。

慣れないので飲み忘れがあったりで何度か失敗していて。

ワーファリンの血中濃度をチェックして安定させるのに毎週病院に通っていました。

現在はワーファリンと同種の薬が何種類か出ていて、血中濃度を測定しなくてもいいものもあるそうですが、薬価が高いという難点だけでなくいちばん自然なワーファリンを選んだ結果。

やっと基準値内に入って安定してきたようなのでもう入院まで行かなくてよくなりました。


その間1泊2日と2泊3日の旅行を3回、卓球、家事・・といっても料理だけですけど励んでいます(^^)


抗不整脈剤を服用していても数回長時間の不整脈が続いて、周囲がおとなしくしておくように気にしてくれますけど、病気に捉われないという意識が働いて。。。

早く年が明けるといいな~。






さて本日は三浦しをん・あさのあつこ・近藤史恵氏著『シティ・マラソンズ』をご紹介します。


「社長命令で、突然ニューヨークシティマラソンに参加することになった安部広和。
かつて家庭教師をしていた社長の娘・真結を監視しろというのだ。(「純白のライン」三浦しをん)
ニューヨークで、東京で、パリで。
彼らは、ふたたびスタートラインに立った―。
人気作家がアスリートのその後を描く、三つの都市を走る物語」


スポーツ系の作品が好きな私としては見逃せない一冊。


箱根駅伝をテーマの三浦しをん氏の『風が強く吹いている』や自転車ロードレースを扱った近藤史恵氏の『サクリファイス』をはじめとする一連の作品などに目がないので飛び着きました~。

三浦しをん氏『純白のライン』

あさのあつこ氏『フィニッシュ・ゲートから』

近藤史恵氏『金色の風』


スポーツ用品最大手のアシックスが期間限定でやったキャンペーン「のマラソン三都物語」のために白羽の矢が立った3人が書き下ろしたものだそうです。

アシックスも作家選びの目が高い!


いちばんアシックスの企画に忠実だったのはあさのあつこ氏の作品でしたが、東京マラソンを舞台に中高時代共に走った友人の挫折と再生に心を寄せる主人公の物語には泣かせます。


ニューヨークを舞台の三浦しをん氏の作品は著者の特徴全開で破天荒ながら全体をよくまとめていて感服。


私としていちばんよかったのがパリを舞台の近藤史恵氏の作品。

短篇ながら構成のうまさにさすが!と。


二十三歳の香坂夕は、母がバレエ教師のため小さい頃からバレエをやっていたが、五歳下の妹・朝美が飛びぬけた才能を現しハンブルグに17歳でバレエ留学をしたのを潮時にバレエをやめ、母の反対を押し切り半年間パリに語学留学した23歳の香坂夕が主人公。

「学校の体育の授業以外は、走ったことなんかなかった。
足を痛めるといけないし、毎日のレッスンでくたくたで、走ろうなんて考えは浮かばなかった」

「それでも心のどこかで、過去のわたしが悲鳴を上げている・・・
わたしがあんなに頑張った時間は、いったいどこにいってしまうの?
友だちと遊びに行きたかった。
お菓子だって食べたかった。
疲れた日は練習なんかせずに眠っていたかった。
頑張ったことに感謝する日なんて、結局こないのだ」

実らなかった過去を反芻しながら初のマラソンに挑む夕。

「泣きたいほど苦しくて、やめたくて、どうしてこんなことをやっているんだろうと思って。
そう、なにもかもが同じで、繰り返しだ。
わたしたちは同じことを繰り返す。
でもわたしは知っている。
ここを越えれば、また幸福を感じる時間がやってくる。
思い出した。
踊っているときもそうだった。
苦しいことしかなかったような気になっていたけど、何度も踊りながら幸福を感じた。
音とひとつになる幸福、拍手を浴びる幸福・・・
たぶん、走ることは祈りに似ている。
身体の隅々まで酸素を行き渡らせて、身体を透明にして、祈る・・・
そう、なにもかもが同じで、繰り返しだ。
わたしたちは同じことを繰り返す。
でもわたしは知っている。
ここを越えれば、また幸福を感じる時間がやってくる」

三人三様の物語、一晩で読めます!

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ベランダの緑が日を追うごとに濃くなり葉の数もどんどん増えてきました。

カーテンの役目ももうすぐ。

夏至の日に1輪咲き初めた朝顔も今朝は3輪。

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さ緑の葉陰にひそと一輪のうす紫の朝顔けさ咲き初むる



1つだけ植えたきゅうりも小さな実をつけています。

ゴーヤもよくみると蚊トンボみたいな小さな実をつけて風にそよいでいる風情がなかなか愛らしく見飽きません。

東のベランダに種から蒔いていた小松菜が葉を茂らせ、これは毎日毎日サラダの材料に重宝しています。
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プチトマトも1株、これは甘みを出すのにがんばって水を控えに控えていましたが、熟した玉を一粒つまみ食いしてみたら甘みが薄くがっかり。
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トマトの味にこだわる我が家ではイマイチという感じですが、わが子となればかわいさも一入、何とかサラダに入れて食しましょう。

我が家のガーデン状況はだいたいこんな感じ。

貧弱ながら愛しいベランダです。




三浦しをん氏著『しをんのしおり』
「漫画の王国」に生れた小説家の乙女な日常生活。
バンドを追っかけ上方へ、愉快な仲間と朝まで語り、わきあがる妄想の楽園に遊ぶ……
色恋だけじゃ、ものたりない!
なぜだかおかしな日常はドラマチックに展開――
日本の政局も、家族の事件も、人気のTVドラマも、考え始めたらいつのまにかヒートアップ!
『読んで楽しく希望が持てる』、笑い出したら止まらない、抱腹微苦笑ミラクルエッセイ」


今は超売れっ子のしをんさんの古本屋でアルバイトをしながら作家活動をスタートさせたころの怒涛の妄想エッセイ。

大学を卒業してわずかの若々しいしをんさんにお目にかかれます。

春夏秋冬の4章仕立てとなっていますが、はて四季仕立てにする必要があるのか、という疑問はしをんさんの妄想1年間を追っているうちに消滅しました~。

著者のエッセイはこれまでかなり読んできましたが、脳内活動の活発さとそれをすべて活字にして放出する闊達さと勇気に敬服するばかり。

噂に聞いたマンガへの半端ないこだわりもさることながら、それに付随する薀蓄の深さ、まるで重箱の隅の隅までず~~~と、という感じ。

先日私が歩いた「哲学の道」も出てきて・・・。

私は娘とそぞろ歩きながら西田幾多郎の思索の跡を辿ろうと儚くも正当なる努力をしましたが、しをんさんは、というと「盆栽」をモチーフにした「超戦隊ボンサイダー」妄想爆裂というとんでも思索を繰り広げるという壊れ方。

梅雨の鬱々とした状態から脱そうと思う方、よろしかったらどうぞ。

ジュディ・デンチとスティーヴ・クーガン主演の『あなたを抱きしめる日まで』を観ました。 22669ceb.jpg


原作はマーティン・シックススミスのノンフィクション”The Lost Child of Philomena Lee”、実話を基にした作品。

第70回ヴェネツィア国際映画祭でクィア獅子賞、スティーヴ・クーガンが金オゼッラ賞を受賞した作品です。

初老のアイリッシュの女性を演じるジュディ・デンチがとてもすてきでした。

10代の頃修道院で出産し無理矢理引き離された息子を捜す旅にジャーナリストのマーティンと共に出るという物語。


世間知らずで上流社会を知らない少女のまま年老いたようなアイルランドの田舎の女性・フィロミナと、ある失敗からエリート街道から外れて焦っている元エリート記者・マーティンとの背景の対照的な2人の掛け合いが深刻な内容に時として笑いを誘いますが、反面カトリックの内実を鋭く露にした映画となっています。


「マグダレン・ランドリー」の実態を暴いた作品。

アイルランドにおいて18世紀にプロテスタントの教会の施設として「堕落した女」を保護・収容する目的で創設された「マグダレン洗濯所」は、19世紀初頭にはカトリック教会によっても設立・運営されるようになったそうです。


「堕落した女」のみならず、そうなる可能性があると見なされた女子や身寄りのない女児などが教会の施設に閉じ込められ、洗濯作業などを無報酬で強要されたというもの。


1950年代のダブリンのカトリック教会が運営する施設で助産師として関わったジューン・ゴールディングという女性の手記をベースにした映画『マグダレンの祈り』が2003年に公開されてクローズアップされました。


そして時は流れて・・・2013年にエンダ・ケニー首相が国家の関与について全面的に非を認め「いかなる判断基準で見ても、それは残酷で情け容赦のないアイルランドでありました」と国会で公式に謝罪されて一応の終止符が打たれたのでした。


映画『あなたを抱きしめる日まで』に話を戻します。

息子が教会を通してアメリカに売られたという情報を元に息子捜しの旅の舞台はアメリカ・ワシントンへと移りますが、消息がわかってからの展開が切なさを秘めたジュディ・デンチの演技とともに圧巻の見どころでした。


閉鎖された教会という小さな社会で神の御名の下に繰り広げられる醜い所業には驚きを通り越して怒りを感じた映画でした。




さて本日は三浦しをん氏著『星間商事株式会社社史編纂室』のレビューです。


「川田幸代。29歳。独身。腐女子(自称したことはない)。社史編纂室勤務。彼氏あり(たぶん)。
仕事をきっちり定時内にこなし、趣味のサークル活動に邁進する日々を送っていた彼女は、ある日、気づいてしまった。
この会社の過去には、なにか大きな秘密がある!……
気づいてしまったんだからしょうがない。
走り出してしまったオタク魂は止まらない。
この秘密、暴かずにはおくものか。社史編纂室の不思議な面々、高校時代からのサークル仲間、そして彼氏との関係など、すべてが絡まり合って、怒濤の物語が進行する。
涙と笑いの、著者渾身のエンターテインメント小説。
幸代作の小説内小説も、楽しめます!」


今回の舞台は社史編纂室。

2011年刊行の『舟を編む』に先駆けて2009年に刊行された本書、『舟を編む』の予行演習的な要素のある作品といえるでしょう。


プラス著者のオタク志向が味付けされていて興味深いような、そうでないような。

中堅商社の社史編纂室に配属された女性・川田幸代を主人公に、編纂室所属の社員たち、趣味のBL小説の同好の友人たち、そして幸代の恋人などで脇を固めてストーリーが展開します。

その社史編纂という任務を追ううち勤務する会社の成長期の暗部に突き当たり、趣味の小説の中に入れ子としてその暗部を登場させるというもの。

某商社がアジアの小国サリメニ共和国に日本人女性を貢物にして利権を得るというのが入れ子の内容。

読むとすぐ入れ子のモデルが有名な某国の元大統領夫人とわかるような。。。

BL系、腐女子、コミケ・・・私にはほとんど興味がない事柄なのでレビューに力が入りませんでした。

久しぶりに卓球をしました。

両肩が痛く、今まで15分ほど軽くラリーをしただけで、どうにも腕がほとんど上がらないほど痛くなり、鍼灸で和らげてもらい、また打って痛くなり、を繰り返していましたが、これではいかんとしばらく球拾いのみに専念していました。


医師には肩の骨の変形が原因ということで運動してもしなくてもよくならないといわれていますが、動かさないと筋肉が弱るばかりという不安が募って。

休憩10分挟んで相手を変えながら20分ほどのラリーを5回ほど繰り返すというのがいつものやり方ですが、今回は3回ラリー、球拾い3回。

まだできそうでしたが、また炎症が騒ぎ出してもと用心してやめました。

帰宅して念のためシップをして寝たら大丈夫でした(^^)


足や腰にトラブルを抱えている人々は周囲にも驚くほど多くいますが、腰痛や変形性股関節症など整形外科に通い続けてもよくならない人ばかり。


手術以外、痛み止めやステロイド注射、ヒアルロン酸注射、電気治療、牽引などが主な治療ですがこれがほとんど長期的に功を奏さなくて、整体やカイロプラクティック、整骨、鍼灸などが大はやり。


スポーツ選手には鍼灸師に頼っている人がたくさんいて、フィギアスケートの高橋選手や羽生選手も鍼灸で体の調整や怪我の手当てをしてもらっているそうで、特に羽生選手は自分で置き鍼を十数本置いて試合に出たという記事が出ていましたね。

ロナウジーニョ選手をはじめとするブラジルサッカー界のスーパースターたちが怪我の治療に頼っている日本人のスーパー鍼灸師の話が新聞に載っていたり。


私の通っている鍼灸院の院長も女子マラソンで有名選手を輩出している地元企業の天満屋女子陸上競技部や地元のプロサッカーチーム・ファジアーノ岡山の選手たちをカヴァーされているのでオリンピックや試合に帯同されています。


徐々に効用の知名度も上がって世界区になりつつある鍼灸、応援しています。







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さて本日は三浦しをん氏著『舟を編む』をご紹介します。


「玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。
個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。
言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。
しかし、問題が山積みの辞書編集部。
果たして『大渡海』は完成するのか──。
言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを謳いあげる三浦しをんの最新長編小説」




「辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」

女性ファッション誌「CLASSY」に2009年11月~2011年7月まで連載されていたものを2011年9月に単行本として刊行したものが本書です。

2012年本屋大賞受賞
2013年石井裕也監督、松田龍平さん、宮崎あおいさん主演で映画化されました。


やっと図書館の棚で見つけることができました~。


漏れ聞く評判を長く溜めていたためか期待を多大に膨らませて読みましたが、あれっ、何か想像と違うぞ、というのが読み始めの感想。


著者の過去の作品にはライトノベル的なものが多々あるので、辞書編纂という大仕事を描いた作品だから本書はまさか、と思ったのも束の間、真面目を絵に描いたような主人公の名前が「馬締(まじめ)」、後に妻になる人が「香具矢(かぐや)」とは!

やはりラノベ系?と少々落胆。

まず登場人物に若者うけの媚をたっぷり塗りこんだところ、読み初めで引いてしまいました。


しかし読み進むうち、そういった登場人物設定の不自然さとかしょっちゅう顔を覗かせる軽いジャブの数々があまり気にならないほど、辞書編纂という地味で弛まない努力が求められる作業工程にぐんぐん惹かれていきました。


「有限の時間しか持たない人間が、広く深い言葉の海に力を合わせて漕ぎだしていく。
こわいけれど、美しい。
やめたくないと思う。
真理に迫るために、いつまでだってこの舟に乗りつづけていたい」


「言葉は、言葉を生み出す心は、権威や権力とはまったく無縁な、自由なものなのです。また、そうであらねばならない。
自由な航海をするすべてのひとのために編まれた舟。
『大渡海』がそういう辞書になるよう、
ひきつぐき気を引き締めてやっていきましょう」


「どんなに少しずつでも進みつづければ、いつかは光が見える・・・禅海和尚がこつこつと岩を掘り抜き、三十年かけて断崖にトンネルを通したように。
辞書もまた、言葉の集積した書物であるという意味だけでなく、長年にわたる不屈の精神のみが真の希望をもたらすと体現する書物であるがゆえに、ひとの叡智の結晶と呼ばれるにふさわしい」

一語一句にも拘りと関心を持ちなおざりにしないという、砂浜の砂の一粒一粒の個性を見分け、分類するという人生を賭けてのライフワーク、15年の歳月をかけて多くの人の手によって編み出されたと思うと、あだやおろそかには扱えない神聖なものという認識が新たになりました。

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