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ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。 響きこし言葉に貼れるさみどりの付箋そよぎて林となりぬ

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カテゴリ: 佐々木譲

ろうばい 花びら

冬枯れの樹々のあはひにほのひかるはちみつ色の素心蝋梅




 

森喜朗氏の言動がメディアに取り上げられてざわざわしています。

 

政治家などの方々は叩かれてはじめて反響の大きさにたじろぎ、なんとかおさめようと
慌てて発言を撤回するということを繰り返しています。

本心はまったく反省していないのにとりあえず謝る・・・恥ずかしくないのか?

 

今回は女性蔑視ともとれる失言にポイントが置かれていますが、麻生氏と同じく
「サメの脳みそ」と陰で言われているように考えの浅さや自己評価の高さが
露呈するようなこんな失言の繰り返し・・・。

 

政界に太いパイプを持つといわれている氏の首に鈴をつける勇気ある人はいないのが
今の政権の中枢の貧しさを物語っているような。

 

森氏を見ているとつくづく引き際って難しいと思う。

 

人は耳にいい言葉しか選んで取り入れない・・・これは誰しも。

 

自分の生きるスタンスに不利だったり不快だったりする言葉は排除したい・・・
それが許される世界に安住していてだんだん厚顔となる・・・

 

わたし自身は厚顔無恥な人や人を見下す人、自分を守るために人を貶める人、
そして理不尽なさまざまなことにとても不快感がありますが、
これももしかしたら自分の中にそういった芽があるからかもしれない・・・

 

相手は自分の合わせ鏡である

 

そんなことを思うと凡人のわたしはこれまで以上に自分をふりかえりふりかえり
自省しなければと思ってしまうのです。

 

 

 

 

犬のおきて
佐々木譲氏著『犬の掟』
 

 

急行する捜査車両、轟く銃声。過去の事件が次々と連鎖し、驚愕のクライマックスへ!
比類なき疾走感で描く緊迫の40時間。
衝撃の警察小説(「BOOK」データベースより)

 



代表作『警官の血』、また北海道を舞台の道警シリーズのファンとして読み継いできた著者の警察小説。

 

2015年の作、文庫化の際『警官の掟』と改題されているようです。

 

主人公は波多野涼と松本章吾という2人の警官。

 

ともに34歳の同期。

 

事件の発端は暴力団幹部殺害事件。

 

この2人がそれぞれ所属する所轄と捜査一課で上司とコンビを組みながら事件を洗っていきます。

 

このコンビの視点が交互に入れ替わるという構成。

 

事件解決までのわずか3日間の出来事がぎっしり詰め込まれていて、
この入れ替わり設定がやや窮屈で他作品に比べて読み辛く感じたのに加えて
真犯人に辿りついた道のりが唐突で納得感がなく終わってしまいました。

 

犯人を追い詰めるまでの緊迫感はあったものの、肝心の犯人の動機になるほど
という共感がなく終わってしまった佐々木作品には珍しいものでした。

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確信と思ひゐしことの揺らぎゐて山茱萸の実の赤きつぶつぶ


 

 

はや年賀状のシーズンとなりました。

 

昨年用意した2パターンの年賀状。

 

ひとつは年齢を区切りとして年賀状をやめるというお知らせ。

 

もうひとつはやめ難い知人友人たちへの従来どおりの年賀状。

 

なので今年は半分ほどに減った枚数。

 

毎年、賀状には夫の油彩画の作品を二枚ほどアップするのを恒例としているのでまずその選別から・・・やっと二枚選んで・・・簡単に仕上げました。

2019年水田に映る蒜山水田に映る蒜山三座
                          

2019年孔雀草孔雀草とカスミ草                           

                               

いつもはギリギリまで作成しないのですが、これからパソコンの0Sを7から10にバージョンアップしてもらうためにショップに入院させることになっているので早々にやっつけたのでした。

 

 

プラス今日はちょっと念入りな掃除もして・・・ちょっと疲れました。

 

 

夫がステーキを焼いてくれるというので今待っているところ・・・手が荒れた甲斐がありました(^.^)

 

 

 



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佐々木譲氏著『沈黙法廷』
  

独り暮らしの初老男性が絞殺死体で発見された。               捜査線上に浮上したのは家事代行業の地味な女性。            女の周辺では、複数の六十代男性の不審死が報じられ、疑惑は濃厚になっていく。女は、男たちから次々に金を引き出していたのか。             見え隠れする「中川綾子」という名前の謎とは。               逮捕後も一貫して無実を訴える彼女だが、なぜか突如、黙秘に転じた……。   判決の先まで目が離せない法廷小説の傑作

道警シリーズでおなじみの著者が挑んだ警察と法廷ミステリーの融合。

法廷を舞台の557ページに及ぶ大作です。

東京都北区赤羽の古い住宅地で他殺と見られる一人暮しの財産家の男性の死体が発見されることから物語がスタート。

その事件の前後に被害者宅に出入りしていた人々のなかで重要参考人として今回のヒロイン・山本美紀の名前があがります。

フリーの家事代行業をしている30歳の女性。

山本美紀の周辺捜査で浮かび上がった数々の疑惑・・・彼女がホームヘルパーとして関わった高齢の男性が連続不審死を遂げていることが判明。

この辺りから徐々に黒川博行氏の『後妻業』を思わせる展開となっていきます。

彼女は殺人犯なのか?

警察や検察、弁護士がそれぞれの視点で三つ巴の捜査を展開していきます。

警察内部の縄張り争いあり、敏腕弁護士の作戦あり、ある一時期彼女と関わって結婚を意識したことのある男性の登場あり、などでどんどん彼女の過去の行動が丸裸にされていく過程が緻密に描かれています。

彼女の絶対隠しておきたかったであろう恥ずかしい部分が徐々にあらわになる様子は、今のSNSで標的にされ丸裸にされる人々を投影していて恐ろしくなります。

後半部分を費やした刑事裁判風景はこの作品で著者がもっとも力を入れた部分であろうと想像できます。

複数の裁判員を絡めながら法廷の臨場感を出して読み応えがあります。

ほぼラスト近くまで有罪か無罪かは私たち読者に判別できないような描き方も巧み。

しかしちょっとラストが慌しすぎたかな・・・なんだか慌てて終結させたという感じ。

詳しくは書きませんが、著者らしくない違和感の残る終い方でした。

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追憶はままごと遊びのおちやわんに五歳のわたしが盛る〈赤まんま〉

〈終活〉という語がやたら目につくこの頃。


引越しが多かった我が家は移動の度に大量のものを処分してきたので比較的すっきりしていますが、それでも少しずつ増えて・・・を繰り返しています。

購買欲も残っているし。


数十年前の薬の袋まで捨てない人だった亡母を反面教師としてか〈捨てる人〉となっている私。


捨てすぎて困ることも多々あります。


古い手紙も思い出に残るものを除いて処分したし、写真も同じく整理してスリムに。


今は近々の3冊の連用日記をどうしようかと思案中。


子どもたちや孫のアスカの折々の手紙など大切なものは〈たからばこ〉という箱にまとめていますが、私だけの大切なものなので、私が消えるときは共に消したい・・・うまくいくかどうかわからないけど。


昨年亡くなった姉は随分前、五十代から〈尊厳死協会〉の会員になっていましたが、寝たきりの介護生活に入ってからは誤嚥を繰り返したため医師を含め周囲の話し合いで胃瘻にしていました。


若い頃はあんなに自然死を強く望んでいたのに・・・。


本人が意思表示できなくなってからの周囲の決定は度々議論の俎上に上っているところ。



エンディングノートを用意せねば。







本日は佐々木譲氏著『真昼の雷管』のご紹介です。


「精密工具の万引き。
硝安の窃盗事件。
消えた電気雷管。
3つの事件がつながったとき、急浮上する真夏の爆破計画。
誰が、いつ、どの瞬間に?
刻限に向けて、チーム佐伯が警官の覚悟を見せる!大ベストセラー警察小説」





道警シリーズ最新版!

『笑う警官』『警察庁から来た男』『警官の紋章』『巡査の休日』『密売人』『人質』『憂いなき街』 

そして本書・・・第8弾となります。



佐伯警部補以下お馴染みのメンバーが今回も勢揃い。


札幌の小さな個人営業の園芸店から水耕栽培用追肥に用いる〈硝酸アンモニウム〉30kgが盗まれるという事件発生。


〈硝酸アンモニウム〉は爆薬製造に使われることもあるということで色めきたつ。


刑事三課の佐伯と新宮が捜査開始。




一方、生安の少年係の小島百合は老舗煙管店で工具を万引きした少年を保護したものの警察署から逃げられてしまいます。


見方によっては取るに足らない小さな事件と思われるこの2つの事件が思わぬ経路で1人の人物像に辿り着きます。



JR北海道の組織ぐるみの保線記録の改ざんの犠牲になり解雇された梶本裕一と母親からネグレクトされた少年・水野大樹の出会いが切ない。



大きな組織の改ざんという渦に巻き込まれた末、犠牲を強いられ、その後の再就職への道も阻まれてしまう・・・



権力ある者が生き残るために切り捨てられるのはいつも弱者・・・という絵に描いたような図式はそこにもここにも。


こうして人生に行き詰った梶本。


JRへの復讐のため爆発物を仕掛けその後自死するという計画を少年を通して知った道警メンバーが爆破阻止のタイムリミットに向け息づまるような戦いを展開。


間に合うことはわかっているのにドキドキが止まらない。


この緊迫感!


佐伯宏一警部補、小島百合巡査部長、津久井卓巡査部長、新宮昌樹刑事、そして長正寺武史警部。


オールメンバー勢ぞろい。


最後に佐伯と小島の大人の関係も相変わらず・・・佐伯の朝食を作るまでには進展していますが、その後は・・・??


道警シリーズ第九弾が待たれます。

大寒波が押し寄せるという予報の20日から22日にかけて上京していました。


たくさんの作品の中からふとした気まぐれで予選を通過し、そしてまたひとりの選者の先生の気まぐれで選んでいただけたようなわたしの短歌が思いがけず特選に選ばれNHK全国短歌大会に参加しました。


年末に紅白歌合戦が行われるNHKホールの壇上に選者の方々と隣り合わせに並ぶという晴れがましい祭典。


3年ほど前まではこのような祭典があることすら知らなかったので自分のことながらびっくり。


地元で所属している歌会の先生の勧めで昨年より少しずついくつかの大会に出詠していました。


このNHK全国短歌大会には2度目。


この大会の内容は「題詠」「自由詠」、そして15首連作の「近藤芳美賞」からなっています。


昨年は大胆にも初めての出詠で15首連作に挑んで当たり前ながら落選、「題詠」のみ一首が佳作となっただけでした。


そして2度目の今年、「題詠」が特選と入選、「自由詠」2首が入選、そして「近藤芳美賞」が入選となりました。


15首連作にもっとも力を入れていたので、1首勝負はわたしにはおまけという感じでしたが、やはり特選は特別なので面映くも嬉しいです。


舞台でアナウンサーの方が自作を読んでくださることすら恥ずかしいような歌でしたが、記念に挙げておきます。


採ってくださった選者の方は短歌界の大御所・岡井隆氏でしたが、体調を崩されて大会を欠席されて同席することができず残念でした。


お題は「風」、昨年の参院選の折投票所への道すがら詠んだ一首です。



一票を持ちて行かむかこの国の明日に少し風入れるため


ゆらゆらと夜風に揺れをりベランダに並べて干さるる一塩の鯵


長い長い手紙に添へし追伸でほんたうのこと一気に記せり


ささやかな奇跡と思ふ朝採りの露をくトマトの完熟の味







さて本日は佐々木譲氏著『密売人』を少し。  


「十月下旬の北海道で、ほぼ同時期に三つの死体が発見された。
函館で転落死体、釧路で溺死体、小樽で焼死体。
それぞれ事件性があると判断され、津久井卓は小樽の事件を追っていた。
一方、小島百合は札幌で女子児童が何者かに車で連れ去られたとの通報を受け、捜査に向った。
偶然とは思えない三つの不審死と誘拐。
次は自分の協力者が殺人の標的になると直感した佐伯宏一は、一人裏捜査をはじめるのだが・・・・・・。
道警シリーズ第五弾、待望の文庫化!」


『うたう警官』から続く道警シリーズの5作目。

すでに7作まで刊行されています。


『うたう警官(文庫改題:笑う警官)』『警察庁から来た男』『警官の紋章』『巡査の休日』→『密売人』→ 『人質』
『憂いなき街』という時系列。

抜けていた5作目の本書を読了して、シリーズすべてをアップしたことになります。

6作目、7作目が少しマンネリ化していると感じていましたが、本書の読後感はよかったです。


佐伯を筆頭に津久井、小島、新宮のおなじみの面々がそれぞれの部署から集い、バラバラに起きた事件のつながりを追うという内容。


道警シリーズで著者が一貫して描いているテーマは警察という巨大な組織の中の腐敗との戦い。

個人の正義vs組織の腐敗という構図。


組織が膨らめば膨らむほど、組織ぐるみの企みが育つというのは警察に限らず大企業においても同じですが、警察という特殊な組織においては、暴力団がらみの不祥事も多々あることは想像に難くありません。


そのような反社会勢力を追い詰めるためにマルボウ対策の刑事たちはS(情報提供者)を操って不穏な情報をいち早くキャッチするといいます。

そういった過程で逆に反社会勢力に取り込まれる刑事もいて然り。

本書はそのSたちの相次ぐ不審死が発端の事件を描いています。


警察組織の中で「正しい警察官」を全うすることの難しさも描かれていて秀作でした。

寒暖差が激しい毎日です。

ラニーニャが連続して連れてきた台風も一段落。

玄関のドアを開けると向かいの家の庭に植えられている金木犀の香りが一気に流れてきて、やっと秋の深まりが感じられる頃となりました。


先日、当地の笠岡湾の干拓地の一千万本のコスモスを見にいきましたが、一部は枯れかかっていました。

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いままでの来し道すべてが夢のやう一千万本のコスモスの波
この干拓地は9ヘクタールという広大な土地を利用して春は菜の花、次にポピー、夏はひまわり、そして秋はコスモス、と四季折々の花が植えられています。


ここのコスモスは日本原種で、濃淡ピンクと白のほか、花びらに縁取りがあるもの。


メキシコ原種のキバナコスモスはないので、地平線が見えないほど見渡すかぎりの花々が海からの風に揺れる様はなんとも儚げですてきです。



さて話題は変わって・・・

一昨日スーパーで鶏レバーが値引きして売られていたので、ブロ友のしおんさんに以前教えていただいていた甘辛煮を作ろうと思い、1�`買って帰りました。


帰宅後レシピを探せど探せど見つからず・・・ついにしおんさんにコメントでお聞きしました。


そして昨日、無事に作りました。


冷蔵庫でしばらく保存できるので、貧血予防にもなり、しばらく楽しめます。

―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ――
「鶏レバー甘辛煮」

下拵え: 鶏レバーは洗わず、白い脂肪は切り捨てる。
心臓は切り離して半分に切り、ひも状の血の塊は捨てる。
レバーは一口大に切る。
ショウガは千切り。
調味料:醤油:酒+みりん=1:1 これに砂糖を加える
すべての材料を鍋に入れてひたひたくらいの分量の調味料を入れる。
落し蓋をして時間をかけて煮詰める。
出来上がりは焦げる寸前、煮汁が煮詰まるまで煮ると、レバーがコリコリになって 臭みが消える。

―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ―― ◆ ――

以上がしおんさんのレシピの要約です。

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ご飯のお供に最高なのでぜひ作ってみてくださいね。






さて今回は佐々木譲氏著『砂の街路図』をご紹介します。 


「まったく新しい『家族ミステリー』が誕生!
知られたくない、でも忘れられない過去がある――。
直木賞作家・佐々木譲が放つ会心の野心作にして、まったく新しい『家族ミステリー』が誕生しました。

なぜ父は幼い自分を捨てて失踪し、死んでしまったのか――。
母の四十九日を終えた岩崎俊也は、両親が青春時代を過ごした北海道の運河町へと旅立つ。
二十年前、父はこの運河町で溺死してしまった。
遺品となった1枚の古いモノクロ写真には、家族に決して見せたことのない笑顔が写っていた。
事故の直前まで飲んでいた硝子町酒房の店主によれば、同じ法科大学漕艇部員だった彼の妻の密葬に参加するために滞在していたという。
さらに父の後輩からは、昭和44年に漕艇部内で起きたある事件を機に、陽気だった父の人柄が激変してしまったことを知る。
父は事件に関係していたのだろうか?
家族にさえ隠し続けていた苦悩とは?
『知らないほうがいいこともある』・・・・・・死の真相に近づくにつれ、胸の内に膨らむ想い。
果たして、父の過去を暴く権利が、ぼくにあるのだろうか……。
ぬぐいきれない恥辱と罪悪感。
嘘よりも哀しい、沈黙の真相とは!?
――家族は、ミステリーに満ちている」


主人公は32歳の東京の高校の国語教師・岩崎俊也。

2ヵ月前に亡くなった母の遺品に20年前に亡くなった父に関するものを見つけたことをきっかけに、父の死の真相を知るため北海道の運河町を訪れます。

「なぜ父は、幼かった自分と母とを捨てこの街で溺死したのか?」


舞台となっている郡府は著者の想像上のものですが、小樽を連想させるような街。

著者の形容を借りれば「品のいい老嬢」のような「時間が止まった」ような街。


そこの大学を卒業後、堅実なサラリーマン、そしてよき家庭人として東京で暮らしていた父親がある日突然、理由も告げず運河町に行き、不審な死を遂げます。


その謎解きが主題、主人公はわずかな手がかりをもとに、当時のことを知る人々を訪ね、ついに真相に到達するというのが簡単なあらすじ。


著者・佐々木譲氏はご存知のように警察小説で名を馳せたベストセラー作家。


「まったく新しい『家族ミステリー』が誕生!」と銘打っていますが、ミステリーと呼ぶには少し無理があるような。


本書の見返しには舞台となった運河町の街路図が印刷されていて、このブログでもご紹介した『地層捜査』や『代官山コールドケース』の小型版というような地図を頼りの追跡というかたちを採っています。


文字を覚え、本を読むようになった幼い頃から地図が大好きで、図版として物語の舞台となった場所の地図があるとそれだけでわくわくしたという著者。

テーマやプロットを練るごく初期の段階で、それを言語化するよりもまず舞台となる地図を描くというのが著者の物語構築の手順だそうです。


本書もご多聞に洩れず地図の細部を描き、地名を構想することで、エピソードひとつひとつの「降臨」を促したものだそうですが、あまりにも狭い場所の地図なので、必要性があったかどうか・・・という疑問は残りました。


何度か地図を見返しはしましたが、いままでとはかなり趣きの異なった地味な筋立ての上、主人公の追い求めた真相が取ってつけたようなものだったので、淡々と読み終わりました。

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幸先のよき旅なるか車窓より見えし富士山の威風堂々
多忙な娘が仕事の合間を縫って休暇をとるというので、久しぶりの親子3人旅を強行しました。

といっても2泊3日。

オズモールの温泉サイトで予約してくれたお仕着せのラクチン旅。

熱海の露天風呂つき和洋室。
   

娘が支払ってくれましたが、聞けばすごく高価。

とにかく元を取らなくちゃということで露天風呂好きの夫はチェックインからチェックアウトまで計7回、私たちは5回。

こんなに数をこなしたことは初めてでした^_^;






翌日は新大阪まで戻って、なんばに泊まり、「なんばグランド花月」に。

娘は初めてだそうですが、私たちは4回目。

かまいたち、ヒューマン中村、Wヤング、まるむし商店、西川のりお&上方よしお、オール阪神&巨人、桂文珍という顔ぶれ。

お笑いに詳しくない方たちはご存知ないかもしれませんが、いずれも吉本の人気芸人さんたち。

事前にチケット購入しておけばよかったのですが、行き当たりばったりの旅だった上、ウィークデーだから当日券が買えると高をくくっていたところ立見席しかなかったので、仕方なく次の公演まで待つことに。

ぽっかり空いた3時間をどないしましょと途方に暮れながら千日前を歩いていたら、ちょうど小さな映画館に黒川博行氏原作の『後妻業の女』がかかっていて、ラッキーなことにその空白の3時間を埋める時間帯だったので入りました。

ダブル主演の大竹しのぶ&豊川悦司の演技力のすごいこと!

あまりの内容のすさまじさに圧倒されて、終ったあとのお笑いがかすんでしまいました。

漫才を堪能したあと、慌しく東と西へ別れて旅を終えたのでした。






さて今回は佐々木譲氏著『代官山コールドケース』のご紹介です。


「川崎で起きた殺人事件の現場に遺されたDNAが指し示すのは、十八年前に代官山で起きたカフェ店員殺人事件の“冤罪”の可能性……。
公訴時効撤廃を受け、再捜査の対象となった難事件に、特命捜査対策室のエース・水戸部をはじめとした刑事たちが挑んでいく警察小説新シリーズの第二弾。
あの街にまだ緑深き同潤会アパートがあったころ、少女の夢と希望を踏みにじった犯人の痕跡が徐々に浮かび上がっていくさまは、まさに警察小説、捜査小説の白眉。
刑事たちの息遣いが胸に響く、傑作長編ミステリ」


前作『地層捜査』に続く「特別捜査対策室シリーズ」第2弾が本書です。 


前作では特別捜査対策室の水戸部刑事と元刑事・加納相談員のコンビでの活躍でしたが、本書は水戸部刑事と捜査一課女性刑事・朝香とのコンビ。


川崎で起きた強姦殺人事件での捜査中、遺留品のDNAが17年前に代官山で発生した「代官山女店員殺害事件」の現場のものと一致したことで、17年前の被疑者死亡で解決した事件の再捜査を命じられた水戸部と朝香。


警視庁と神奈川県警の互いに反目しあう中、当時警視庁が下した判断が間違いであったということが、神奈川県警によって白日の下に晒されるかもしれないという状況の下、警視庁の威信をかけ、神奈川県警に先駆けて犯人を逮捕するよう警視庁上層部から特命を受けます。


17年前に地下鉄サリン事件が起きていたために十分な捜査員を投じることができなかったという警視庁の裏事情もあり、加害者として決めた男の変死によって、一応の決着としたという経緯。


秘密裏に再捜査することを余儀なくされた水戸部と朝香。


17年前の記録の詳細な分析から始まり、関係者への聞き取り、科警研の力を借りての証拠物の点検といった地道な捜査を通じて徐々に犯人に迫っていく過程にどんどん惹き込まれました。


ぜひとも水戸部を主人公にシリーズ化してほしい作品となりました。

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