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カテゴリ: 原宏一

友人からこんなすてきなプレゼントをいただきました。

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私の拙い短歌が書かれたもの。

友人がある書道家の方に依頼して揮毫してもらったものを京都の扇子屋さんに発注して扇子にしてくださったそうです。

完全に扇子に位負けしている自分の歌、気恥ずかしいばかりですが、友人の温かい気持ちに感謝の言葉もありません。


いい歌を詠みたいと思いながら日を過ごしていますが、苦心すればするほど「苦労してこれ?」というような歌ばかり(――;)

社会詠はときどき詠みますが、先日久しぶりに伊藤一彦先生に採り上げていただきました。

未知の闇にロボットさへも踏み込めず廃炉作業の果てなき道のり

福島第1原子力発電所1号機の格納容器内に溶け落ちたデブリ調査に送り出されたロボットの様子を詠んだものです。






さて今回は原宏一氏著『床下仙人』をご紹介します。


「『家の中に変な男が棲んでるのよ!』
念願のマイホームに入居して早々、妻が訴えた。
そんなバカな。
仕事、仕事でほとんど家にいないおれにあてつけるとは!
そんなある夜、洗面所で歯を磨いている男を見た。
さらに、妻と子がその男と談笑している一家団欒のような光景を!
注目の異才が現代ニッポンを風刺とユーモアを交えて看破する、“とんでも新奇想”小説」


著者の過去の作品として読んだのは 『天下り酒場』『トイレのポツポツ』

時系列でいえば、本書はこれらの作品より前に書かれたものです。


「啓文堂書店おすすめ文庫大賞」に選ばれたことをきっかけに無名だった著者が一躍有名になったという経緯があります。

しかし、今まで10冊以上上梓していた作品はいつも初版どまりという現状に、「これで食っていくのは、もう無理」とあきらめて資料として集めていた書籍類も全部売り払った著者でしたが、その1ヶ月後に本書の増刷が決まったという皮肉な運命に、今までの作品とはまったく違う内容の作品を書いてみようと一念発起して書いたのが『トイレのポツポツ』だったそうです。


その後「ヤッさん」シリーズなどを上梓、順調に作家人生を歩んでいらっしゃいます。


さて本書には「床下仙人」、「てんぷら社員」、「戦争管理組合」、「派遣社長」、「シューシャイン・ギャング」の5篇の中篇が収録されています。


どれも着眼点がユニークで目を引く魅力はあるものの、肝心の収まりどころがなんとも物足りないというのが正直な感想です。


著者ご自身が「新奇想小説」と銘打っておられるだけあって、どれも現実離れした筋立て。


著者の発想は買いますが、私の好みの作品ではありませんでした。

どの作品も妻に見限られるような不甲斐ないサラリーマンだったり、家庭を顧みない会社人間だったり、現代でも十分通用するようなもの哀しいサラリーマンの現状への風刺として読めば、それなりにおもしろい作品といえるかも、というところでしょうか。

   唐突ですが私は甘いものが苦手です。

話題のケーキバイキングなど信じられない世界。

といっても訪問先で出されたケーキをおいしく感じたり、時にはランチでデザートにケーキが食べたくなることもあります。

和菓子も同様で、若い頃は見向きもしませんでしたが今では和菓子好きな夫に合わせてときにはおいしく食べることもあります。


そんな母親である私の影響を受けてか、我が家の子どもたちは揃って長じて和菓子を好んで口にしません。

ずっと茶道をしている長女がお茶席で小さな和菓子を口にするくらい。


到来モノの和菓子の箱は夫が少し食べる以外誰も口にしないので処理に困っていました。


その夫も病気以来ぐんと減ったお酒の量に比例して富に和菓子へのこだわりが強くなっています。


お気に入りはつぶ餡入りの最中ですが、1度にあまり量を食べないので大きなものは苦手です。


市販の最中は大きく適度なサイズのものを探すのがひと苦労でしたが、先日強力粉を買いに寄ったお店で小さな最中の皮を見つけたのでストックしていた小豆を煮て手作り最中を作ってみました。


世間では和菓子を手作りする人も多いようですが、私は自分があまり好きでないこともあり、お月見団子や先ごろブログ友にレシピを教わった「いきなりだんご」以外作ったことがありませんでした。


小豆から作らなくてもつぶ餡やこし餡も売っているし、これからは手軽にできそうです。




さて本日は原宏一氏著『ヤッさん』をご紹介します。


『天下り酒場』で原ワールドの魅力を知って以来、著者の著書をブログでアップするのは5冊目です。


過去の4冊のレビューはこちら


「誰が呼んだか“銀座のヤス”。親しみ込めて“ヤッさん”。
驚きの舌と食の知識で築地市場と一流料理店を走って回り頼られる謎の男。
そんなヤッさんに弟子入りした新米ホームレスのタカオは『驚愕のグルメ生活』を味わうことに。築地市場も銀座も最高に旨くて、人情はあったか。
だが、誇りを持って働く現場には事件も起こる。
ヤッさん&タカオの名コンビが、今日も走る」


サラリーマンの職と住まいを失いホームレス生活に入りかけたタカオを救ってくれた先輩ホームレスのヤッさん。


およそグルメなどに縁のないホームレスと高級食材や料理を結びつけた発想がまさしく原ワールド。


ホームレスでありながら市場と料理店の双方の求める情報を提供するコーティネーターとして日夜活躍するヤッさんとその報酬として料理を提供する市場や料理店の人々のフィフティフィフティの関係。


ヤッさんが展開する独自のホームレス持論や揉め事解決に対する人間味ある手さばきなど、どれをとっても男気あふれるもの。


そのヤッさんの薫陶を受けた弟子のタカオが徐々に1人前のコーディネーターになる過程が描かれていてそういった面から見るとタカオの成長の記録の物語でもあります。


社会に生きていれば、肩書きや面子、家や財産などさまざまなモノを背負うあまり時として身動きできなくなることもしばしばですが、この物語を読むとそれらがなんぼのモンという感じ。

非現実的な内容でありながら胸のすく痛快な人情物語となっています。


息抜きに読むにはいい作品でした。

新型インフルエンザがやっと下火になったと思いきや、5歳になる孫のあーちゃんがRSウィルスというかぜの1種に罹り入院しました。

冬のかぜ症状の中心を占め、1歳までに約7割の乳児が感染し発症、重症化する場合もあるといわれているそうですが、5歳の幼児が重症化するのは珍しいそう。


入院したときは酸素量が低く呼吸も浅く、酸素マスクを着け24時間点滴という痛々しい姿でしたが、1週間を経過し無事退院できました。


RSウィルスによる限りない肺炎に近い重い気管支炎という診断でしたが、肺炎になったのはこれで2度目、無事退院しましたが、これからの生活が思いやられます。


私が駆けつけたときは酸素マスクが外れ、やや元気を取り戻していたのでホッとしましたが、RSウィルス罹患患者の隔離室で同室は乳幼児ばかりの中でひときわのっぽのあーちゃんが手持ち無沙汰にしていました。  


幼稚園でもいちばん背が高く外見は元気溌剌ですが、皆勤という言葉はあーちゃんの辞書にはないというくらいによくかぜを引く根性なし。

自宅から色とりどりのビーズを持参して2人でネックレスやブレスレット、指輪を作って退屈な入院生活を紛らわせました。




さて本日はキオスクで見つけ、新幹線の移動で読了した本です。

原宏一氏著『床下仙人』


以前このブログで著者の3作品をご紹介していますので、興味ある方は著者の経歴とともに見てくださると嬉しいです。


『天下り酒場』
『へんてこ隣人図鑑』
『トイレのポツポツ』


前述の3作品が新鮮で面白かったので帯の惹句に誘われ買ってしまいました。


「ついに10万部突破!
これは現代版カフカの『変身』だ・・・精文館書店・川田智美さん」


5編の小品からなる作品でサラリーマンを主人公の奇抜な物語、著者自ら「新奇想小説」と名づけたのがうなずける内容です。


現代版カフカというより星新一氏の得意とする分野とリンク、発想自体は斬新ですが、星新一作品を冗長にしてキレをなくしたようで、最後まで読むのにかなりの努力を要しました。


登場人物のキャラ立ちが感じられず、従って感情移入できなかったのも残念でした。


とはいえ現代のサラリーマンが抱えるリストラ、遠距離通勤、仕事中毒、家庭不和などの問題をさまざまな角度から軽やかなユーモアを交えて風刺している点が魅力的でした。

テレビを観ていたらケーキバイキングの風景が映し出されていました。

若い女の子たちの中には21個目に挑戦している人もいてびっくり!


私は若いときから甘いものが苦手です。

お茶に誘われたり、招かれたりして出されたケーキや和菓子はおいしくいただきますが、それも1個止まり。



最近は健康上の理由からコーヒーや紅茶に甘味を加えない人がほとんどのようですが、我が家ではずっと前から家庭で作るおかずにも砂糖はほとんど使わず、甘味にはみりんかオリゴ糖を少々使うくらい。


蜂蜜やメイプルシロップのもらい物があっても収納庫に収めているうち長い年数がたち、引越しを機会に処分したりを繰り返していましたが、先日夫がトルコにご一緒した方からいただいたコムハニーのおいしさに目覚めて以来、毎朝食のトーストに乗せて食べるのがマイブームとなっています。


いただいたコムハニーはまたたく間になくなり、ネットで検索して取り寄せているほど。


そんな折、ネットで親しくしていただいているYさんが蜂蜜に関する興味ある記事を翻訳して送ってくださいました。


「蜜-その驚異の薬効」と題した論文には蜂蜜とシナモンの併用によって関節炎、心臓疾患、インフルエンザ、膀胱炎などに驚くほど薬効があると記されていました。


それぞれ量は異なるようですが、大体スプーン1杯の蜂蜜とスプーン4分の1のシナモンをぬるま湯に溶き毎日服用することで免疫細胞強化につながるそうです。


来るインフルエンザ対策にやってみてはいかがでしょうか。



さて今回はもう1つの最近のマイブーム・原宏一氏著『トイレのポツポツ』をご紹介したいと思います。


最初のデビュー作『かつどん協議会』のあと、『極楽カンパニー』『姥捨てバス』『床下仙人』などを発表するも広く読者の目に留まらず10年が経過、昨年ある書店員の方の目にふれて「啓文堂書店おすすめ文庫大賞」に選ばれたことをきっかけにベストセラーになり、他の作品にも火がついたという経歴については『天下り酒場』『へんてこ隣人図鑑』のレビューでも触れていますのでよかったら読んでください。


その辺の経過と本書執筆に込めた意気込みを著者ご自身があるインタビューで語っていらっしゃいます。


「2年前の黄金週間のころ、作家をやめようと決めた。
10冊を超える本を出していたが、いつも初版どまり。
『これで食っていくのは、もう無理』とあきらめた。
資料として集めていた書籍類も全部、売り払った。
その1カ月後、99年の作品『床下仙人』の増刷が決まった・・・
もう一回やるか、と。
ただ、次はこれまでの原宏一の作品とは違うものにしなきゃと思いましたね。
できたのが『トイレのポツポツ』。
食品会社を舞台に、不正と偽装、裏切りと信頼が絡む人間関係を、軽妙な筆で6話の連作にした。
読みながら笑い、それから、仕事への誠意とは何かを考えてしまうリアルで凝った作りになっている・・・
せっかく復活させてもらったのだから、ずっと作家を続けていきたいですね」



「会社は、あなたに誠実ですか。
あなたは、仕事に誠実ですか。
派遣社員が部長に命じられ、全部員に送信した1通のメール。
すべてはそこから始まった…!?
中堅食品会社の内実を描く連作小説」


埼玉の小さな製麺所をスタートに池袋に本社を構える従業員400名の中堅企業に成長した鴨之木製麺工業を舞台に、偽装問題が発端で経営破綻、そしてその後の社員有志による自主再建までの道のりを描いた6話の短篇連作小説です。


6話はそれぞれ鴨之木製麺工業の社員や関係者を主人公に、独立した物語となっていますが、さまざまに工夫を凝らした配置で小さな関連性を持たせ、最後におおきな高まりで一気に全員が集合という心憎い筆運びはさすが!


タイトルの決め手となった騒動の発端を描いた最初の章から最後の章での胸のすく着地、久しぶりの快い読後感でした。



コピーライターとして様々な会社に出入りしていたとき著者が耳にした「社内が乱れてくるとトイレの汚れもひどくなる」というつぶやきをこの作品の核として取り上げ、そして奇抜なタイトルにもするというコミカルかつシニカルなセンスが光った一品となっています。。



★目に余る男子トイレのまわりの尿のしぶきに激怒した田布勢部長に命令されて派遣女子社員の白石さんが全社員向けに出したメールが発端となり巧妙に派閥抗争に利用される様を描いた「トイレのポツポツ」


★デザインチームから新商品開発生麺チームに抜擢され、本生柳麺作りに奔走する若手社員・目加田が陥った会社上層部の作為を描いた「ムカチョー」

ちなみに究極の麺・本生柳麺とは22番手揉み縮れ麺のムカチョー&タカスイ。

「ムカチョー」とは化学調味料無添加、略して「無化調」。

「タカスイ」は水分量を多くして打った多加水麺のことだそうです。


作中で食品検査室の女子社員に語らせる「化学調味料」の変遷や含有物などに関する薀蓄が半端ではなく、「化学調味料」=「有害」、「無化調」=「安心」という単純な図式が必ずしも当てはまらないということは新しい学びでした。


★派遣社員の一通のメールをきっかけの一連の騒動の結果、社長や役員の退陣に追い込まれた鴨之木製麺工業で心ある有志社員による自主再建の道を出入りの印刷業者の目を通して描いた「チェンイー」



家内工業的な同族意識が強く、厳しい衛生管理体制が整わない食品業界で次々起こる食品偽装などの問題が後をたたない現在、日本の食品業界に一石を投じる作品、といえばそんな大げさな、と著者にいわれそうなユーモアと人間味あふれる人情物語です。


ぜひどうぞ!

夫も私も本好きで寝る前の読書は欠かしたことがありませんが、そのほかにも移動中の電車や飛行機、いろんな待ち時間に本を携帯するのを忘れたらどうやって時間を潰そうかと焦ることがあります。


先日娘を迎えに空港に行ったときのこと。

到着時間より早く着きすぎた上2人ともうっかり本を忘れたことに気づき、しまったと思っていた矢先、羽田からの到着便が台風の影響で30分から1時間遅れるという館内放送があったため慌ててて空港内ショップに駆け込みました。


キオスクなどのショップに置いてある文庫本には私の好みの本がないということもあり、空港ショップでも期待せずざっと見ていて目に留まったのが今日ご紹介する作品です。


原宏一氏著『へんてこ隣人図鑑』

ある情報月刊誌「新刊展望」に1999年から1年間連載したショートショートを1冊にまとめたものが本書です。


先日このブログでもご紹介した『天下り酒場』が私の笑いのツボを見事に刺激してくれたので、わずかな待ち時間の読書にはもってこいの作品と期待しての購入でした。


「奇妙なこだわりに固執する人間に振り回される周囲の戸惑いを描く、シニカルなユーモア溢れるショートショート集。
家の匂いを嗅いで価値を鑑定する“ホムリエ”に惚れられた家の住人、あらゆるものの“以前”が気になる男に詰め寄られる若者、純粋に穴を掘りたくて仕方ない男など、『へんてこ』な人間が引き起こす騒動の顛末とは?
ほか、普段は口に出せないような悪趣味な自慢話を聞く男の悲哀を描く『自慢結社』を収録」


24篇のショートショート+少し長い1篇・最後の「自慢結社」を除いて24篇はすべて文庫本のページにして8~9�nのショートですが、どの小品も見事にシュールな着地で決めています。


☆歩いている道や公共の場でいろんなことを聞かれる男・フミオ。
「おとなしそうだけど無愛想じゃない。丁寧だけどしつこくない。考えてそうで考えちゃいない。そんな顔だ」と友人に指摘される顔の持ち主フミオが新宿駅で遭遇した聞かれラッシュの顛末を描いた「きかれる男」


☆突然自宅に押しかけて家の匂いに対する薀蓄を披露したあげく1万円で鑑定書を発行してもらうはめになった男の話を描いた「ホムリエ」


☆電車のドアと座席の間にある狭い50センチ四方ほどの空間・ドアポケットに立つことを無常の喜びとしていたヤマザキに突きつけられたドアポケット権。

ひょんなことから権利を獲得するための会員権を特級会員の老人から譲り受けることになったヤマザキを襲った顛末を描いた「ドアポケットの老人」


☆バスを待っているときバスの来る方向を見る、レストランで注文の品を待っているとき品が運ばれてくる厨房を見る、ラジオ体操のときラジオに向かって体操する、などの習性を捉えてシュールに決めた一品「見るな」

エレベーターに乗ったとき、乗客が必ずドアの方に向き直る習性に気づいて以来、妙なおかしさを感じていたので共感の作品でした。


☆ある会社・真実の声社が開発した「裸の王様防止システム」を売りつけられた部長職にあるキシモトと営業マンの会話の妙が際立つ「株式会社 真実の声」


紹介すればきりがないほどへんてここだわりてんこもり!


それにしても原氏の頭の中はどういう構造になっているのでしょうね?

最近マンションの自室にいてもマイクを通した宣伝カーの声がよく聞こえてきます。

耳を澄ますと「幸福実現党」という声。

何とすてきなネーミング! 日本中の人たちが残らず幸せになれそうではありませんか。


偶然党首が宣伝カーから手を振っているのを見た夫が言うにはかなりの美人だったそう。


ぼぅっとしていて幸福実現党がどこから出ているかも知らなかった私はそのネーミングもさることながら、マイクから流れる政策のすばらしさに興味を持ちネットで検索してみました。


「幸福の科学」の代表・大川隆法氏の奥様を党首としてこの5月に成立したばかりだそうです。


母体である「幸福の科学」&代表・大川氏についても新聞の著書広告欄で見るくらいで全く不案内だったのですが、Wikiで調べるとご夫婦揃って東大卒という高学歴。
だからどうした?って感じですが。。。



「幸福実現党が政権をとった暁には消費税を全廃してすぐに日経平均20000円台に回復させてくれるんだって」と私。


細々とオンライントレードをしている中、株価低迷で頭を抱えている夫が言います。

「どうやってすぐにそんなことできるんだ?」

「方法は知らないけど、必ず上げてくれるっていうんだから信じればいいんじゃない?」

「そんなんなら俺だって政権とったらすぐに30000円台に上げると断言するで!」と何やら根拠のない敵愾心を燃やしています。


「日経平均上げてくれなくていいからマイクでがなりたてるのだけはやめてくれないかな、昼寝のじゃまになる」


こんな低レベル夫婦の周りでいくらシュプレヒコールしても無駄だということをわかってもらいたいのですが伝える術がありません。




さて本日は原宏一氏著『天下り酒場』をアップしたいと思います。


あるSNSで親しくさせていただいているUさんご推薦の1冊。

著者の作品は初めてですが、Uさんのレビューに惹かれてamazon used で購入しました。



著者は大学卒業後、コピーライターを経て作家デビーという経歴ですが、ミュージシャンとして活躍していた20代前半もあるという多才な方。

1997年『かつどん協議会』
1998年『極楽カンパニー』『姥捨てバス』
1999年『床下仙人』
2000年『ムボガ』
2007年『天下り酒場』
2008年『ダイナマイトツアーズ』


1999年に上梓された『床下仙人』が「啓文堂書店おすすめ文庫大賞」に選ばれたことをきっかけにベストセラーになり、他の作品にも火がついたというおもしろい経歴があるそうです。


本書『天下り酒場』でも解説を受け持たれているのがその書店員の方、6年間で初版分も売れなかった『床下仙人』を出版社に掛け合い重版にこぎつけ、その後約3ヶ月で7万部を売り上げ、現在も快進撃続行中という経緯を火付け役自ら熱く語っていらっしゃいます。


その『床下仙人』の牽引力で重版未定になっている著者の他作品にも重版の光を当ててほしい、面白さを紹介して是非読者と共有したいという切なる願いがしっかり伝わってくるすてきな解説、がぜん読む気が湧いてきます。


というわけで本書に戻ります。

本書は6篇からなる短編集。


そのうちの1作である表題作「天下り酒場」に関してはUさんの要約を含むレビューをご紹介して、今回私は手ヌキさせていただきましょう。


「どんぶり勘定おおざっぱな経営で いつもぎりぎり状態の居酒屋『やすべえ』
店主のヤスは、ある日常連から県庁の役人を一人雇ってもらえないかと頼まれる。
その人物の経理能力と、役人のお客が大勢来ることを期待し雇ってみたところコレが大成功。経営状態も健全化し連日役所の縁故客がおしよせた。
気をよくしたヤスはこの天下り従業員のいわれるまま二号店、そしてチェーン店化したが なじみの河岸のおばちゃんから 自分の店の評判をきいて仰天する。
河岸内での談合の強要、上前をはねる店長たち、そしてチェーン店全店はもはや役人天下りの巣窟に.....。

コレ、最高におもしろかったです

天下りは、こうして増えて、不祥事もこのように起きるのかと 手に取るようにわかりました 。

他の5編もおもしろかったけどブラックユーモアで 後味の悪い物もあったので やっぱり天下り...が秀逸」



6作品とも現実にありそうでなさそうな、ある1点に焦点を当てデフォルメしてどんどん膨らませたあげく最後に強烈なひとひねりを読者に差し出す、という技にすぐれた作品ばかり。


Uさんは「天下り酒場」を買っていらっしゃいましたが、私は「資格ファイター」の妙なおかしみが何ともいえず笑いのツボにはまり、夜中のベッドで笑いを堪えるのに苦労しました。


要約すると

実社会の現場ではからきし弱く28歳にしてすでにリストラ要員となったダメサラリーマン・勇一郎が主人公。

学生時代からコツコツ取り続けた300弱の資格さえも使いどころを知らず途方にくれる彼の目の前に現れた倒産寸前の芸能事務所の社長の一計に不承不承乗せられた勇一郎と社長の顛末をコメディタッチで描いたものです。


他の4作品もそれぞれ現代社会に暮らす人々の心のひずみや、人間関係の割れ目から派生する事象を掴んで、ブラックとも取れるユーモアという調味料で味付けして風刺したもの。


ぜひ原ワールドを味わってみてください。


私も順序が逆になりましたが、『床下仙人』並びに他作品に挑戦する予定です。

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