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ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。 響きこし言葉に貼れるさみどりの付箋そよぎて林となりぬ

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カテゴリ: 今野敏

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通り雨すぎて澄みたる中空に辛夷の花がひかりを弾く


夫が右鎖骨を骨折して約
2か月、やっと右手でお箸を持つことができるようになりました。

 

複雑な骨折ではないので手術はせずに三角巾で右手を吊って過ごしていました。

 

利き手の右手なので不自由なことが多く生活全般を補佐しなければならず、
多忙でしたが、娘が翌々日に心配して帰省してくれて力強い助っ人として
支えてくれて大助かり
(^^♪

 

まだ完全ではありませんが、これから肩全般のリハビリが始まる予定。

 

なにしろワガママを絵に描いたような気難しい夫ゆえ扱いに手こずると想像していましたが、
補佐するたびに「ありがとう」を返してくれるのでほっと一息。

 

趣味の油彩画も囲碁もお休みしているので、とにかく一日も早く日常を取り戻してほしいと
願うばかり。

 

少し先が見えてきました~。

 

 

 

 

矜持 

今野敏氏他著『警察小説傑作編 矜持』

 

犯人も割れ、自白も取れた傷害事件に、独り納得できない新人刑事の安積は……「熾火」(今野敏)
タクシー強盗事件に隠された意外な真相とは。「帰り道は遠かった」(黒川博行)
新宿署の鮫島と、殺人事件の重要な情報を寄せてきた中国人美女の思惑が交錯する「水仙」(大沢在昌)など、確固たる信念で事件に挑む警察官の姿を描いた六篇を収録



「熾火
 今野敏
遺恨 佐々木譲
帰り道は遠かった 黒川博行
死の初速 安東能明
悩み多き人生 逢坂剛
水仙 大沢在昌


以上
6篇からな
る警察傑作短編のアンソロジー。

警察小説を書かせれば名うてといわれる作家群。

それぞれの持ち味が生かされた短篇集でしたが、一押しを選べと言われれば、
黒川氏の「帰り道は遠かった」でしょうか。

軽妙な大阪弁の掛け合いが持ち味の黒川節が炸裂。

相棒刑事同士のおふざけタッチの会話の妙といい、捜査の末の手柄話が一瞬で
水の泡と消えたラストのオチといい秀逸でした。

短篇なのでナイトキャップ代わりにどうぞ!

 

先日テレビで観た平野レミさんの「にんじんまるごと蒸し」というのを作ってみました。


ニンジンが大好きなのでフラッペにしたり、ソテーにしたり煮物に入れたり、手作りの味味噌につけてそのまま棒状にしてかじったりの我が家ですが、これもとてもおいしかったです。


けっこう太いニンジン2本、他のおかずも多々ありましたが、すぐなくなってしまいました。

洋風のおかずが多かったので主食はパンにしましたが、夫はお皿に残ったくるみソースをパンで拭ってきれいに食べていました。


[材料] ◆皮付きニンジン2本
     ◆A :水1カップ、オリーブオイル大さじ1、ハーブソルト小さじ1/2
     ◆B :くるみ(細かく刻んで煎る)70g、牛乳大さじ4~5、
        マヨネーズ大さじ2、オリーブオイル大さじ1、
        ハーブソルト小さじ1、こしょう、クミンパウダー小さじ1
     ◆バター20g
     ◆黒コショウ

[レシピ]◆ニンジンとAを鍋に入れ、ふたをして30~40分蒸し煮する
      (途中で一度ひっくり返す)
      ◆Bをフードプロフェッサーにかけ、なめらかにしてくるみソース
      を作る。
      ◆バターを熱し、ニンジンを焦げ目がつくまで転がしてソテーする
      ◆お皿にニンジンを並べてくるみソースをかける

この通りでなくておおざっぱでもおいしいと思います・・・私はかなりおおざっぱ。

よかったらやってみてくださいね。





さて本日は今野敏氏著『隠蔽捜査7 棲月』をご紹介します。 


「竜崎伸也、大森署最後の事件!?
正体不明の敵に立ち向かう、激動の長編第7弾。
私鉄と銀行のシステムが次々にダウン。
不審に思った大森署署長・竜崎は、いち早く署員を向かわせるが、警視庁の生安部長から横槍が入る。
さらに、管内で殺人事件が発生。
電話で話した同期の伊丹から「異動の噂が出ている」と告げられた竜崎は、これまでになく動揺する自分に戸惑っていた――。
大人気警察小説シリーズ、待望の第9作!」



1978年にデビューし、今年作家生活40周年を迎える著者の40周年記念第1作としての書きおろしが本書です。

「実は妻が夢で、『棲月』というタイトルの本で私が賞を獲ったのを見たというんです。
それを聞いて、珍しいタイトルだけど挑戦してみようかと思いました。
月に棲む、というタイトルからまず初めに連想したのは「セーラームーン」。
ただ、それはさすがにないだろうと。
それで、次に思い浮かんだのが、「クラウド」でした。
クラウド・コンピューティングはネットワークを雲に見立てたことから来た呼び名ですが、雲の上の人、すなわち月に棲む人というのをなんとなく連想したんです。
そこから、ではPCやハッカーを登場させよう、と膨らんでいきました」
(「波」2018年2月号 著者インタビューより)


竜崎伸也を主人公の「隠蔽捜査シリーズ」第7作目となりますが、スピンオフ2作も加えると9作目となります。


『隠蔽捜査』→『果断―隠蔽捜査2』『疑心―隠蔽捜査3』『初陣―隠蔽捜査3.5』『転迷―隠蔽捜査4』『宰領―隠蔽捜査5』『自覚―隠蔽捜査就5.5』『去就―隠蔽捜査6』→『棲月―隠蔽捜査7』



なにごとにも、誰に対しても、例え相手が自分よりはるかに高い地位の人に対してでも、己が正しいと思っている合理的判断で「原理原則」を貫く竜崎伸也。


第1弾で東大卒・警察庁長官官房総務課長という超エリートコースを歩んでいた竜崎伸也が警察上層部の不祥事と自身の息子の不祥事を隠蔽することなく明るみに出したことから降格人事で大森署署長に任ぜられて数年、本書でも舞台は相変わらず大森署。


今回も竜崎の幼馴染かつ同期、現在は竜崎の上司に当たる伊丹警視庁刑事部長からの指示を自らの信じる方法で宰領していくというお馴染みのストーリー。


加えて膨大な決裁書の判押しという署長の重要な仕事を要人であろうが、部下であろうが、判を押しながらこなす竜崎のお馴染みのシーンも随所に見られてなんとも微笑ましくも頼もしい竜崎。



先に挙げた著者のインタビューで触れておられますが、今回の事件はサイバー犯罪を扱ったもの。


私鉄と都市銀行のシステムがわずかな時間差でダウンしたことを重く見て大森署管内ではないのに捜査員を送り込んだ竜崎に対し、警視庁の管轄の部長や第二方面本部長が異議を申し立て、大森署の捜査員を引き揚げさせるように竜崎に求めますが、なんのその、うまくかわす竜崎。


加えて管内で殺人事件が発生。


被害者はかねてから大森署の少年係がマークしていた地元の18歳の不良少年。


この2つの布石を1つに結びつけるところ、著者の筆が冴えます・・・しかし著者は若干サイバー分野が不得意なのかな・・・


事件解決の道筋にはご都合主義の安直さを感じたものの、並行して描いている竜崎の私生活でのさまざまな変化とともに、栄転が持ち上がった竜崎の心理状態にも触れていて、サイボーグではない人間・竜崎の一面が描かれているところ作品に充実感がありました。


降格という禊も終わり、大森署から神奈川県警への異動が決まった竜崎の今後の活躍に期待してこのレビューを閉じます。

いつもSNSを通して交流していただいている花オクラさんご夫妻に招かれてガーデンパーティに行ってきました。

何度かこのブログでもご紹介したzensanさんご夫妻とともに3組の熟年夫婦の集まり。


計6人のうち、当地出身は私だけ。

あとは京都、大阪、宮崎、東京出身の方々。


そんな私たちが奇しくも当地で集った経緯は運命的です。


お互いのブログを通じてzensanさんと繋がり、zensanさんの元職場の花オクラさんご夫妻と繋がり・・・という具合に糸が繋がって・・・お陰で楽しい交友が広がりました。


熟年になっての嬉しい連鎖(^.^)


縁は異なもの・・・です。



倉敷にお住まいの花オクラさん邸は所狭しと野菜や花で囲まれていて、とても楽しいお庭。


今は夏野菜の実りの真っ只中。


中でも見ごたえがあったのは二畝ほどのトマト畑。

太陽を浴びて力強いトマトがびっしりと実って、久しぶりに充実したトマトを味わいました。


私はトマトが大好きで、いろんな料理に使いますが、いちばんの好みはトマトの丸かじり。

シンクに向けて飛び散るのも構わず丸かじりするのが最高です!


ガーデンパーティでは、花オクラさんのご夫君の得意料理・鮭のパスタをメインに、ふかしじゃが、じゃがいものビシソワーズ、トマトのドレッシング和え、砂糖和えトマトなどなど。





すべて畑のものを使っての献立に感動!


それに鮭のパスタのおいしかったこと!

お土産にもいただいて帰って、夕食でも夫と堪能しました~。


まず野菜やきのこ、ほぐし鮭をマヨネーズで炒めるそうです。

今度やってみよう!

それにzensanママのひき肉のパイ包み、おいしかったです!







さて本日は今野敏氏著『隠蔽捜査6 去就』をご紹介します。 


「竜崎伸也、再び降格か。
ストーカー事件の捜査をめぐり上役と衝突。
娘にも危機が訪れる中、下した勇断の結末は。
激震走る待望の長篇!」


多作の著者の作品の中では突出して大好きなシリーズ。


おなじみの「隠蔽捜査」シリーズの最新版、スピンオフを入れると第8弾となります。


なんといっても主人公・竜崎信也の造形がいちばん成功している、といっても過言ではないでしょう。


時系列的に並べると『隠蔽捜査』→『果断―隠蔽捜査2』『疑心―隠蔽捜査3』→ 『初陣―隠蔽捜査3.5』『転迷―隠蔽捜査4』『宰領―隠蔽捜査5』→  『自覚―隠蔽捜査就5.5』→『去就―隠蔽捜査6』となっています。

 

どんな時でも、どんなに自分の立場が悪くなろうが、例え相手が自分よりはるかに高い地位の人に対してでも、己が正しいと思っている「原理原則」を貫く。


たとえ変人と言われようが、一貫したぶれない姿勢。


竜崎伸也の人となりをあらわせばこのようです。



犯人を追い込み逮捕するという過程を描くのがほとんどの警察モノといわれる小説ですが、このシリーズは竜崎というひとりのキャリアが周囲の軋轢に屈せずに自身の主義を曲げずに事件を解決に導くかが主題の小説、一味も二味も他の警察モノとは違います。


「判断をし、責任を取る。俺たちにできるのはそれだけなんだ」

という竜崎の言葉。


そして言葉どおりに必ず責任を取り、降格も辞さない竜崎のかっこよさったら。



今回はストーカー犯の立てこもりの最中、伊丹刑事部長の率いるSITの突入か、弓削方面部長の率いる銃器対策レンジャー、機動隊の突入か、という主導権争いに巻き込まれる竜崎署長。


本来は弓削方面部長の権限である撤退命令を自分の責任で出してしまったことから特別監察を受ける結果となる竜崎。


本書のタイトルの「去就」は、特別監察の結果の竜崎の進退に由来しています。


さて竜崎の去就は吉と出るか凶と出るか?


ぜひどうぞ!!

水槽に生(あ)れしばかりの子メダカのあえかな命の息づくが見ゆ
これは6月に親メダカが産んだ卵を無事に親から離し、別の水槽に移してそっと子メダカの様子を観察していたとき詠んだものです。

生まれたばかりの透明な小さな小さなメダカが必死で泳ぐさまが愛おしく飽きずに眺めていました。

親から離れた塊卵が一匹ずつのいのちとして遊泳しはじめる様子を見ていると生命の不思議を感じてしまいます。

そうして育った20匹ほどの子メダカですが、その中に1匹だけ立ち泳ぎするメダカを発見。

他のメダカより二回りほど小さく、四六時中立ち泳ぎしています。

尾びれを懸命に動かして休むことがない様子を見ていると体も成長しないだろうな、と可哀想になります。

手に乗せて泳ぎ方を教えてあげたいほど。


そんなことを思いながら、先ほど思い立ってネットで検索してみたところ出てきました!

「立ち泳ぎ病」

はっきりした原因は不明らしいですが、Micobacterium という細菌の感染が疑われるそうです。

他のメダカに病気が感染しないように隔離することが肝心と書かれていました。

早速、明日隔離する予定ですが、さびしいだろうな。





さて本日は今野敏氏著『自覚: 隠蔽捜査5.5』をご紹介したいと思います。

「この男の行動原理が、日本を救う!
��変人〞警察官僚の魅力が際立つ超人気シリーズ第七弾。署長・竜崎伸也はぶれない。
どんな時も――誤認逮捕の危機、マスコミへの情報漏洩、部下たちの確執、検挙率アップのノルマなど、大森署で発生するあらゆる事案を一刀両断。
反目する野間崎管理官、��やさぐれ刑事〞戸高、かつて恋した畠山美奈子、そして盟友・伊丹刑事部長ら個性豊かな面々の視点で爽快無比な活躍を描く会心のスピンオフ!」


本書は2011年~2014年にかけて掲載された作品をまとめた短編集、7編の短編が収録されています。

時系列的に並べると『隠蔽捜査』→『果断―隠蔽捜査2』→『疑心―隠蔽捜査3』→ 『初陣―隠蔽捜査3.5』→『転迷―隠蔽捜査4』→『宰領―隠蔽捜査5』→『自覚―隠蔽捜査5.5』となっています。
 
本書はスピンオフ第2弾。

スピンオフ第1弾である『初陣―隠蔽捜査3.5』は主人公・竜崎伸也の幼馴染のキャリア官僚である警視庁刑事部長・伊丹俊太郎を主人公として描かれていましたが、本書は大森署で起きた事件を中心に竜崎を立てて書かれていてgood!

個人的に伊丹の造形が好みでないので、7篇の終わりにのみ出てくる本書、とても読みやすく、前回レビューで記した「マンネリ」を撤回するほど読後感がよかったです。


◆大森署副署長・貝沼悦郎の視線を通してブレない竜崎を描いた「漏洩」

管内で起きた連続婦女暴行未遂事件の被疑者を逮捕したという某新聞のスクープ記事を朝刊で目にして捜査情報の漏洩を知り署長である竜崎に知られずに事態の収拾を図りたいと右往左往する貝沼の苦悩と竜崎の明快な論理立ての末の解決の対比が興味深く描かれています。


◆『疑心 隠蔽捜査3』でアメリカ大統領来日の警備を担った竜崎の補佐に選ばれた女性キャリアの畠山美奈子、珍しく竜崎が恋心を抱いた彼女が再び登場する「訓練」

スカイマーシャルという航空機に搭乗してハイジャックなどの犯罪に対処する武装警察官の訓練に抜擢された畠山が他のメンバーの言動や厳しい訓練に打ちひしがれてかつての上司である竜崎に相談、竜崎の的確な助言により前向きな気持ちを取り戻す様子を描いています。


◆竜崎とそりが合わないと一方的に思っている第二方面本部管理官・野間崎正嗣が登場する「人事」

新しく第二方面本部長に就任した弓削篤郎警視正へのレクチャーで大森署の竜崎署長のことを説明した野間崎の言葉に興味を持った弓削が竜崎に面談を申し込んだことから小さな物語がスタート。
権威・慣習に左右されず原理原則に忠実な竜崎が浮き彫りになっている私の好きな作品です。


その他、大森署刑事課長・関本良治を通して竜崎を描いた「自覚」、大森署地域課長・久米政男、大森署刑事課強行犯係長・小松茂をそれぞれ立たせた「実地」と「検挙」。


そして最後がお馴染みの警視庁刑事部長・伊丹俊太郎が登場の「送検」。

竜崎の幼なじみでありキャリア警察官の同期である伊丹俊太郎。

要職にありながら気軽にマスコミに登場、自分をプロデュースすることに長けた目立ちたがり屋である彼と竜崎との対比が興味深い内容となっています。


多作作家である今野氏は多くの警察小説の中で登場人物のキャラクターを多々造形していますが、私はこの「隠蔽シリーズ」の竜崎がいちばんのお気に入り!

造形に成功しているといえるいちばんのキャラクターとして定着、安心して読めます。

ぜひどうぞ!

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日曜農園をしている知人から玉ねぎと空豆をたくさんいただきました。

先日友人の畑で採れた空豆をもらったのですが、鞘から出したらほんの少しになって酒肴にと茹でたのを立って夫と味見しているうちにすぐなくなったのでまた食べたいと思っていた矢先にどっさり。

鞘が痛んでいたものが多かったので青いのだけ取り分け、あとはすべてポタージュにしようと下拵えしました。

鞘から出して頭に包丁で切れ目を入れ、浅く塩茹でし薄皮を剥きます。 

フライパンにスライス玉ねぎとニンニクを入れ、オリーブオイルで炒めしんなりしてきたら空豆を加えて炒めた上に固形ブイヨン1個とひたひたの水で沸騰させます。

少し冷まして牛乳を好みの分量加えてミキサーにかけてなめらかになったら出来上がり。

この段階で今食べる分を除き、冷凍保存袋に小分けして保存しておきます。

空豆の青き香のたつポタージュをふふめば初夏の日向顕ち来る

食べる分は小鍋に移して温め、塩やコショウで味を調えてクルトンを浮かせばおいしい空豆ポタージュが完成です。

あれば生クリームを加えたらレストラン並になりますけど、保存期間が短い生クリームは高価なので使い切る予定がないと倹約です。

今の時期はえんどう豆や空豆がとてもおいしい!


それに大好物の山椒の実が手に入ったので処理をして茹でて冷凍保存をして、早速コンブとフキと山椒の実できゃらぶきを作りました。

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山椒の実の連なりを摘みたれば青き香しみみに指に残れり

季節の収穫物から元気をもらっています。





さて本日は今野敏氏著『隠蔽捜査5 宰領』をご紹介します。

「大森署署長・竜崎伸也、今度の相手は『要人誘拐』そして『縄張り』――。
大森署管内で国会議員が失踪した。
やがて発見された運転手の遺体、犯人と名乗る男からの脅迫電話。
舞台は横須賀へ移り、警視庁の“宿敵”神奈川県警との合同捜査を竜崎が指揮することに。
県警との確執、迷走する捜査、そして家庭でも予期せぬトラブルが……
全ての成否は竜崎の決断が握る!
白熱度沸点の超人気シリーズ最新長篇」

待っていました!「隠蔽捜査」シリーズの最新刊です。


時系列的に並べると『隠蔽捜査』→『果断―隠蔽捜査2』『疑心―隠蔽捜査3』→ 『初陣―隠蔽捜査3.5』『転迷―隠蔽捜査4』→『宰領―隠蔽捜査5』となっています。

これだけシリーズが続くと少しパターン化して読者にとって新鮮味が薄くなったのは否めませんが、今回も内容的には充実していました。

主人公・竜崎伸也が牽引している作品ということもあり、組織の中のつまらないメンツなどより合理性を重んじる唐変木といわれる竜崎健在という状態でストーリーが展開。

竜崎の幼馴染かつ同期、現在は竜崎の上司に当たる伊丹警視庁刑事部長からの指示を自らの信じる方法で宰領していくというもの。

まあそれは毎度のことですが。


日本を揺るがす重大事件が毎度のことながら大森署長である竜崎に集中するというのも作話ならではというところでしょうか。

県警と警視庁の確執、所轄の地位の低さなど今回も読ませ所満載ですが、国会議員誘拐事件の前線本部が横須賀署に置かれ、伊丹に命じられて指揮を執ることになった竜崎が自分の信じる原理原則を貫く過程で徐々に協力者が増えていくという過程は予定調和的ではありますが安心して読めます。


毎度お馴染みの署長の重要な仕事である堆く重ねられた決裁書の判押しをしながらの来客と話すという竜崎の姿勢が毎回微笑ましくて思わずシーンを想像してしまいます。

事件の経過は作品を読んでいただくとして、竜崎の降格の原因となった息子の邦彦も2浪の東大受験生となって登場、竜崎の家庭人としての一面も顔を覗かせています。

これからもまだまだ続きそうな予感のする本シリーズ、大森署長竜崎ももうそろそろ昇進する時期かもしれません。

次回も楽しみです。

昨夜久しぶりに幼い頃から家族ぐるみでお付き合いしている方と電話で話しました。fcad08a3.jpg



東京で独り住まいの92歳の彼女は当時中学生だった一粒種の息子さんを不慮の事故、というか自死ともとれる特殊な形で亡くし、その後の人生を深い悲しみの中にありながら前向きに過ごしていらっしゃる方。


お話の中で「明日は月2回の国文学の会で『雨月物語』を読むの。バスの乗り降りもだんだん不自由になったけどみなさんの手を借りてがんばっているのよ」とお元気そうでほっとしました。


高齢の独り暮らしでいちばん大変なのは料理だと思い、適当な間隔を考えて手作り食品やレンジで温めて食べられる野菜中心の惣菜を見繕っては送っていますが、それがいちばん嬉しいと涙声で喜んでくださるので送る側の私もとても嬉しくなります。


亡くなった母が大変お世話になったのでその何十分の一でも恩返しできれば、そして少しでも彼女の慰めになればと思っていますが、遠く離れていて手助けすることもできず、こんな形でしか役に立つことができません。


亡くなった息子さんのY君は幼い頃から私を姉のように慕ってくれていて一緒に旅行したりなどたくさんの思い出があります。


一昨年母が亡くなり家を整理していたらそのY君からの幼い字で書かれた私宛の手紙が何通も出てきて懐かしさに悲しみが込み上げてきました。

ちょうど私が高校生のとき。


命が突然消えてしまい、もう二度と会うことも話すこともできないという苛酷な事実に打ちのめされた最初の出来事だったような気がします。


「もうすぐYのところに行けると思うと、何だか死ぬことが楽しみなの」といわれる彼女のこれまでの長い日々を思ってみますが、今のところ健在な子どもたちの母親である私の想像をはるかにはるかに超えた喪失の苦しみを乗り越えてこられただろうと思うとただすごい人だなあと崇敬するばかりです。


前向きな姿勢、少しは見習わなくては!




さて今回は今野敏氏著『隠蔽捜査4 転迷』のレビューです。


「相次いで謎の死を遂げた二人の外務官僚。
捜査をめぐる他省庁とのトラブル。
娘の恋人を襲ったアクシデント。
大森署署長・竜崎伸也の周囲で次々に発生する異常事態。
盟友・伊丹俊太郎と共に捜査を進める中で、やがて驚愕の構図が浮かび上がる。
すべては竜崎の手腕に委ねられた! 
緊迫感みなぎる超人気シリーズ最強の第五弾」



著者の作品の中でも特にファンの多い「隠蔽捜査」シリーズの最新刊。


第4弾となっていますが、スピンオフの『初陣―隠蔽捜査3.5』があるので、実質的には第5弾になります。


時系列的に並べると『隠蔽捜査』→『果断―隠蔽捜査2』→『疑心―隠蔽捜査3』→『初陣―隠蔽捜査3.5』→『転迷―隠蔽捜査4』となっています。


「隠蔽捜査」シリーズの主人公は警察庁の異色のキャリア官僚・竜崎伸也。

‘異色’と銘打っているところにこのシリーズの人気の秘密があります。


「私はエリート警察官僚だ。
エリートは国家を守るため、全身全霊を捧げるのが義務だ。
私は当たり前のことを普通に行っているにすぎないのだ」


犯罪に立ち向かうため己の信じる正論のまま合理性を追求して上層部の思惑などもろともせずストレートに行動しいつなんどきも節を曲げず、家庭内の不祥事までも正直に上司に申告したが故にエリートコースから外れ大森署の署長の地位に左遷された竜崎、それでも動じることなく我が道を行く竜崎の魅力に人気が集約されているんですよね。


その大森署近辺で発生した2つの事件-殺人事件とひき逃げ事件-の捜査本部が大森署に置かれ、それぞれ幼馴染の刑事部長の伊丹と交通部長の柿本が責任者となりますが、この2つの事件は外務省と厚生労働省を巻き込んで2省と警察の間で次第に複雑な様相を見せてくる中、伊丹と柿本の思惑によりすべての事件を竜崎の下に集結させることになります。


泣く子も恐れる警察組織と他省庁との軋轢ももろともせず、国を守るという正義を貫く姿勢に揺るぎない竜崎のスタンスは本書でも変わらず、読んでいて胸がすきます。



見どころは竜崎の幼馴染でスピンオフで主人公として登場した伊丹刑事部長や公安部、外務省、厚労省の麻取りなど各方面のエリートを自認する歴々とのやりとり。


相手の地位の高さなどにはお構いなしで正論を述べる竜崎の言動と、その言動に最初のうちこそ反発するものの知らぬ間に納得してしまうという過程が読者にとって最高の読みどころとなっています。


本書は前々回不評だった恋心を抱く竜崎の姿もなく、というか無駄な女性はまったく登場せず、事件発生からの数日間を追ったものでその点は好ましいものですが、前回スピンオフで主人公として登場した伊丹が刑事部長となって竜崎とからむ場面が多く、前回の作品を読んで少なからず伊丹の人物設定に違和感を感じていた私は今回も刑事部長という高い地位の伊丹の言動その他の設定に首を傾げること多々ありました。


事件は竜崎指揮の下、ラストであれよあれよという間に解決するのも予定調和的であっけない気がしますが、なんといっても見どころは竜崎のブレない唐変木ぶりなのでよしとしましょう。

★4つかな。

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