VINのらんどくダイアリー

ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。 響きこし言葉に貼れるさみどりの付箋そよぎて林となりぬ

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カテゴリ: 緒川怜

梅雨明け宣言が続々、それに連れるように全国で熱中症患者が続々出ているのが頷けるこの暑さ!9a8d8053.jpg


熱中症という言葉が頻繁に紙上やTVに登場しだしてまだ数年と記憶しています。


以前は真夏の直射日光が照りつける校庭のグラウンドで部活をするスポーツ少年や青年が熱中症で病院に救急搬送されたというのはときどき聞きましたが、最近の熱中症は家の中で、というのもあるんですね。


先日も知人のそのまた知人が家で家事をしていて気分が悪くなり受診したところ熱中症といわれ、そのまま数日入院したそうです。

その方はこまめに水分も補給していて直射日光に直接当たるということもなく、エアコンもかけていたとか。


じゃあどうすればいいの?と案じるこれから先の日々^_^;


熱中症なんて頭になかったし、もろともしなかった若い頃が懐かしい。


夏山登山で汗をしたたらせたり、自転車の前かごと後ろの荷台に山ほどの商工会議所の配布物をくくりつけて市中の会社に配るアルバイトをしたり…今と同じ人間だったとはとても思えない青春の思い出。



今はエアコンの効いたリビングでのらくらと過ごして、時間が来たらキッチンに立ち、を繰り返す毎日。


〆切りに追われる内職をしていた30数年、朝から夜中までテーブルに資料を広げて、、細切れの時間さえ貴重で旅行先の駅ででもベンチに座って原稿作りしていたときはすべて自由時間になったらどんなに嬉しいかしらと目に星を浮かべて夢想していたのが願い叶って獲得した今の生活・・・リタイアした当初数ヶ月はともかく・・・はてさて全然嬉しくないんですけど^_^;


いやはや人間とはゼイタクこの上ない生き物です。




さて本日は緒川怜氏著『冤罪死刑』のレビューです。

「三年前に発生し、犯人逮捕で終結したはずの少女誘拐殺人事件。
だが、その裏側にはあまりにも多くの嘘や裏切り、腐敗や汚職があふれていた。
死期を迎えた刑事の告白、目撃証言に挟み込まれた意図、被害者の母の衝撃的告発、そして埋葬された記念品…。
事件を洗い直すべく動き出した通信社記者と女性弁護士は、次々と意外な事実に突き当たる。
ともに東京拘置所に収監されている死刑確定者と勾留中の刑事被告人の間にはいかなる接点があったのか。
ラスト10ページで明かされる驚愕の真相。
『合法的殺人』に仕組まれたトリック」


著者・緒川怜氏の作品の読み始めは『サンザシの丘』でしたが、思いのほか充実した社会派ミステリーだったので、以後他の著書があればとインプットしていました。

『サンザシの丘』のレビューはこちら

『特命捜査』のレビューはこちら


のっけから死刑執行の場面が出てきて、それもかなりの緻密な描写が著者の特徴を表しているよう。

以前読んだ作品を通して著者はかなり細部の描写まで拘る人なんだなぁと感じていました。


本書の構成はかなり複雑、主たる誘拐事件を柱に多くの登場人物を配置してそれぞれの物語を紡ぎながら少しずつ真実をあらわにしてやがてラストで焦点たる一点に絞り込むという手法。

真実を一つの点とするとそれを覆うための装飾が初めにあり、その後さまざまなディテールを配置して覆ったり、逆に剥したりを繰り返すというもの。

主題は要約すれば「死刑と冤罪」でしょうか。


これらを新聞記者の視点をメインに女弁護士をからめて複数の視点で物語が展開します。


ミステリの展開に爽快感を求める読者にはちょっと期待外れと思われますが、さまざまな副題を盛り込んだ作品としては重厚な後味を残してくれます。


脅迫の手口、誘拐被害者家族との駆け引き、警察や拘置所の腐敗、報道記者や弁護士の実情、小児性愛などなどあまりに山盛りなのが物語自体を複雑化して読み進めにくいのが難といえばいえるのではないでしょうか。


自分としては複雑で疲れた分を差し引いて★3.8。

果物王国の岡山ならでは、今年もいろいろな種類の桃とブドウを楽しみましたが、そろそろ終わりを告げようとしています。

岡山の桃といえば白桃、数種類の品種が時期毎に収穫されています。

例えば白桃の王様といわれている「清水白桃」は7月下旬から8月上旬に収穫の一気勝負。


今年は異常気象のせいかあちこちの桃園で清水白桃や新種の夢白桃の一部が病害に侵されるという被害も出たようです。

私が個人的に送ってもらっている先輩の桃園でも新しい人気品種の「夢白桃」が病害虫にやられてしまいました。



また桃と並んで岡山の名産となっているぶどうの王者「マスカット」もここ数年ですごい進化を遂げています。

種なしブドウはいろんな品種にありますが、マスカットの種を抜き、皮ごと食べられる品種がすごい広がりを見せています。


それぞれ「桃太郎ぶどう」「瀬戸ジャイアンツ」「シャインマスカット」という商品名で出ていて、糖度や大きさに多少の違いがありますがどれも種なし、皮ごと食べられて周辺では大変人気があります。


写真は知人からもらった「桃太郎ぶどう」、桃のようにお尻が少し割れた感じから命名されています。



その桃太郎ぶどうもそろそろ終わり。


ちょうど桃太郎ぶどう狩りに誘われていた週に子どもたちが帰省していたので来年に持ち越されてしまいました。


ぶどう園の人たちは収穫時期常時上を向いてはさみを入れるのでシーズンが終わると首や腕が動かなくなるほどの重労働だそうです。


苦労話を聞くと一粒もおろそかにできない気持ち、心して味わいたいと思います。





さて本日は緒川怜氏著『特命捜査』をご紹介します。


「取調室で被疑者死亡事件を起こした男性刑事、瀬川文秋。
親に捨てられ、孤独に生きてきた女性刑事、功刀(くぬぎ)沙矢子。
二人に与えられた極秘の特命は、かつてカルト教団が起こした連続爆破/集団自殺事件を担当した元公安警察官殺害事件の真相解明だった。
他人への無関心、メンツ、建前、セクショナリズム。組織の論理に振り回されながら捜査を進める二人だが、その真相は……ドラマティックな警察小説」


2008年第11回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作『霧のソレア』以後の第2作目に当たる作品です。



第3作目『サンザシの丘』のレビューは先日このブログでアップしていますのでよかったら見てください。
   


第3作と同様、カルト教団の事件や公安と刑事の確執、主人公たちの過去のトラウマなど多くの社会問題、人間ドラマがてんこ盛り。


その一つ一つは誠実に破綻なく構成されているのですが、あれもこれもと盛り込みすぎですっきりしない読後感となっています。


また偶発的な事象を多く取り入れているため、事件解決に関して特にラストの締め方が現実味に欠けた感が拭えなかったのは残念でした。


もう1つ、前述の『サンザシの丘』を読み始めてすぐに感じたことですが、1つ1つのセンテンスに説明的な修飾語が前付けされていてとても読みにくいという特長があり、それは本書でもあちこちで見られました。


著者の文体の特長ともいえますが、苦心の文章にも関わらず肝心の重要なエレメントが長い文章のおかげで薄められているというマイナス要素を感じてしまいました。


マイナスポイントを羅列しましたが、社会問題へのアプローチ、警察内部の確執などの描写は著者の確かな裏づけ調査力を感じさせるもので読み応えがありました。

我が家にある夫用と自分用の2台のパソコン。

どちらも破壊寸前状態、何度もシステムの復元をしたりなど、素人のできる範囲で宥めながら使ってきています。

光ファイバーなので速いはずが、親機の夫のデスクトップはオンしてから立ち上がるまでに相当な時間がかかる上、メール設定しているOut Lookからのメールも入らない状態、加えてしょっちゅうキーボードが無効になるというボロ。

中古を購入した私のノートパソコンは子機設定で無線にしているにもかかわらず無線が無効で有線で使用していますが、これもしょっちゅうフリーズしたり、マウスが使用できずキーボード操作のみ、加えて怪しい動きをします。


両方とも買い替え時期に来ていますが、先日地デジのテレビを買ったばかり。


我が家にパソコンのなかった20年前に戻れば何ということはないはずなのに、携帯電話と同様、いまやテレビより必需品にレベルアップしています。


2台のパソコンはどちらもXPですが、新品を選ぶとなると必然的にVISTAとなるのは避けたいのでどうしたものかと悩んでいた矢先に娘たちが帰省。

専門家の目で中古ショップで選んでもらおうと相談していましたが、結果的に不具合をすべて直してくれたのはとてもラッキーでした。


無線関係の故障時にはメーカーとNTTに電話で導いてもらったこともありますが、結局ルーターにもLANカードにも不具合が見つからず原因不明ということで諦めていましたが面倒な有線がなくなってすっきり。

パソコン相手にいつも怒っていた夫の文句も聞かなくていいし、フリーズの心配なくワードも打てるようになり今回は娘たちに大いに感謝です。


ということで浮いたお金で外食を奮発しました、といっても回転寿司ですけど。




今回のレビューは緒川怜氏著『サンザシの丘』です。


2008年『霧のソレア』で第11回日本ミステリー文学大賞新人賞
2009年『特命捜査』
2010年『サンザシの丘』


「小さな夢を持ち、つつましく日々を暮らす若い女性が殺された。犯人は目撃されていたのだが、巧みな身元隠しにより真相が掴めない。
パニック障害を抱えつつも、義憤を胸に秘めた一人の刑事が犯人を追う。
そして、刑事が辿り着いたのは、帰る場所も何もない男の背中だった」



所属している読書コミュで大変評判のよかった作品、初読みの作家さん、大学卒業後共同通信に勤務しながら『霧のソレア』でデビューされました。


松本清張氏の『砂の器』のオマージュといえる作品。


ある殺人事件を発端に、ひとりの刑事が執念ともいうべき追跡で虚像のような犯人を追い詰めていく物語、『砂の器』を髣髴とさせるラストシーンが切なさをもって胸に響きます。


中国残留孤児の母親とともに日本にやってきた家族が運命に翻弄される姿を巧みに描いて読み応えのある社会派推理小説となっています。


「私は日本人であって日本人ではない。それどころか何者でもない」という犯人の哀しみが胸に迫って、私たち日本人のあり方に鋭いメスを入れています。


ただ犯人と心を通わせていたはずの被害者の女性が「なぜ殺されなければならなかったのか」という出版社のポップに用いられた言葉が内容に反してひとり歩きしている感が否めませんでした。


図らずも殺人まで犯さなければならなかった主人公と被害者との触れ合いを掘り下げることで運命に翻弄される主人公の悲哀にもっと近づけたという気持ちで読了しました。


ちなみにタイトルに用いられている「サンザシ」は日本名「山査子」、中国原産のバラ科の低木、中国名は「シャンジャー」だそうです。


主人公である犯人の中学時代の友であり、残留孤児の家族という同じ運命を背負った友人の口から語られたエピソードに出てくるシャンジャーは故郷・中国の母なるような花です。


「どうして、おまえは、みんなから馬鹿にされても、おれみたいに切れないんだ?」

「自分だけのために大事にとってあって、誰からも決して邪魔されることのない心の中の場所に行くんだ。
おれが育った吉林省の村には、なだらかな丘があった。
そこにはジャンジャーがたくさんあって、毎年秋になるとその実が熟れて真っ赤になるんだ。
冷たく澄んだ青い空の下に広がる赤。
その美しい景色を思い描くと、クラスの連中の卑しい罵り声も教師たちのほとんど犯罪に近い関心のなさも、何ひとつ気にならなくなる」


深く考えさせられる内容の作品でした。

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