VINのらんどくダイアリー

ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。 響きこし言葉に貼れるさみどりの付箋そよぎて林となりぬ

PVアクセスランキング にほんブログ村

カテゴリ: 黒川博行

連休を利用して帰省していた娘と「飲む」「食べる」三昧。





作っては飲み食べを繰り返してあっという間に連休が過ぎました。


子ども3人のうち長じて飲めるのは娘だけとわかったときの夫の落胆。


文字通り一滴も飲まない息子2人。


息子と杯を交わすのが夢だったようですが、今では娘の帰省をお酒プラスで楽しみにしています。


もっぱらワイン専門の娘。



夫はいつもは焼酎のお湯割り、時にわたしとビールを飲む程度ですが、娘の帰省に合わせてワインに切り替えます。


最近は前もって娘から6本入りの厳選ワインが送られてきてそれを愉しんでいます。





さて本日は黒川博行氏著『喧嘩(すてごろ)』です。


「直木賞受賞作『破門』の続編! エンタメ小説の最高峰!!
建設コンサルタントの二宮は、議員秘書からヤクザ絡みの依頼を請け負った。
大阪府議会議員補欠選挙での票集めをめぐって麒林会と揉め、事務所に火炎瓶が投げ込まれたという。
麒林会の背後に百人あまりの構成員を抱える組の存在が発覚し、仕事を持ち込む相手を見つけられない二宮はやむを得ず、組を破門されている桑原に協力を頼むことに。
選挙戦の暗部に金の匂いを嗅ぎつけた桑原は大立ち回りを演じるが、組の後ろ盾を失った代償は大きく――」



素手の喧嘩のことを「すてごろ」というそうです。


さておなじみの「疫病神シリーズ」の第6弾!


『疫病神』 → 『国境』 → 『暗礁』 → 『螻蛄』 → 『破門』 → 『喧嘩』という時系列。


ちなみに本書の前作『破門』はめでたく第151回直木賞を受賞、昨年早々に佐々木蔵之介と横山裕のダブル主演で映画化もされたようです。


どちらもわたし的にはイメージが違う感じですが(ーー;)



さて今回も桑原と二宮が織りなす吉本漫才顔負けの掛け合いが健在!


ヤクザの嫌がらせを別のヤクザを使って抑える“サバキ”の仲介を本業とするコンサルタント業が先細りで先行き不安な日常を送っていた二宮が、北茨木の代議士・西山の私設秘書をしているという高校の同級生・長原から相談を持ちかけられたところから物語が進んでいきます。


荒調べの末、一筋縄ではいかない選挙関係のトラブルと見越した二宮は前作で破門となった桑原に応援を頼みますが・・・。


代紋なしとはいえバリバリのヤクザ根性のイケイケ桑原とヘタレの二宮の関西弁の応酬が何とも面白く、久しぶりにヤクザの世界と選挙の裏の利権争いの闇にどっぷり浸かって読了。


「クズ」として広く認可されているヤクザの世界を泳いでいる桑原をして「人間のクズ」と言わしめた代議士や秘書たち政界に関わる人たちの陰湿な生き様をたっぷりと描いています。


加えて二人の大阪弁を駆使した掛け合いが吉本漫才より面白いのでおすすめ。



ちなみにせこくてヘタレな二宮のモデルは著者ご自身だそうですよ。


興味ある方はどうぞ。

水彩を始めて数ヶ月、次の期の更新となり、どうしようか、、と迷いましたが、周りの勧めもあり、もう少し続けてみようということになりました。


短歌中心の日々に水彩が入り込む隙間があまりなく、教室での習作とときどきのいたずら描き程度。


次男に送ってもらっている小春の写メからベストショット(親バカの私がかわいいと思う選りすぐりの写真)を選んで描いたり、食卓の上のポットを描いたり、という程度。

71325d19.jpg
     626e151f.jpg



デッサンしても、さて、色を塗る段になるとどうしたらいいか、勇気が出ません。

70dcda0a.jpg


次の期で少しは見られるような絵が描けるようになるかな。





さて本日は黒川博行氏著『繚乱』をご紹介します。 


「ともに大阪府警を追われた、かつてのマル暴担コンビ、堀内と伊達。
競売専門の不動産会社に調査員として働く伊達は、ある日、出張で訪れた東京で、かつての相棒でいまは無職の堀内を同業に誘い、二人は大阪に戻る。
調査物件は敷地900坪の巨大パチンコ店『ニューパルテノン』。
だが調べるほどに、裏で極道や半堅気、警察OBらが寄ってたかって食いものにしている実態が浮かぶ。
『パルテノンは金の生る木や』、気づいた二人は…。
策略と暴力がからみあい、腐れのスパイラルはノンストップで奈落に向かう。
名コンビ復活。
ふたたび、大阪を縦横無尽に疾駆する。
黒川警察小説の真骨頂」


前作『悪果』に続く「誠やんも堀やん」コンビが本書でも暴れまわります。


先日大阪の千日前で黒川氏原作の「後妻業の女」を観たばかり、しばらく黒川ワールドにどっぷり浸かって食傷気味となりました。


時系列的には『悪果』から1年もたたず・・・


一昨年、大阪府警今里署を依願退職、妻と離婚して愛人の杏子と東京で暮らしている堀内。


その堀内を刑事時代のバディ・伊達が訪ねてくるところから物語がスタート。


昨年付き合っていた新地のクラブのホステスのヒモに刺されるという失態を冒し、懲戒免職となり、競売屋の調査員となった伊達。


そのヤクザ顔負けの元刑事2人が、警察のバッジなしで再びコンビを組み、裏街道に巣食う男たちを締め上げるというのが簡単なあらすじ。


2人の大阪弁の掛け合いが内容的にはえげつなさ満載なのに妙にコミカルで読者を飽きさせないテクニックはさすが。


著者の人気の「疫病神」シリーズでおなじみのお店とかホテルとか内藤医院も登場したり、と黒川ファンへのサービスも忘れず。


それにしてもこの2人の行動するところ、次から次へとよくもこれだけ種々の悪人が登場すると呆れるばかりですが、全体を彩る関西特有のおかしみを味わっていただけたらと思います。

6122ffdd.jpg
5月31日に当市の住宅街のマンション駐車場で指定暴力団神戸山口組系池田組の幹部が射殺されたというニュースが全国ネットで流されました。

昨年の山口組の分裂騒ぎに端を発しているという見込みがあって大きな報道となったようです。

その後1週間もしないうちに神戸山口組と敵対関係にあるもう1つの山口組の6代目組長篠田建市の出身母体で中核組織「弘道会」の傘下組員が実行犯として出頭して一件落着・・・とはならないのがこの世界。


暴力団の組織には詳しくないので(当たり前ですが^_^;)知りませんでしたが、当地にある池田組は神戸山口組の金庫番ともいわれ、潤沢な資金源となっているそうです。


その池田組の事務所が、いまは解体してありませんが元実家の近くにあるそうです。


そんなところがあるとも知らず、母が存命中は毎日能天気に通っていましたが。


これらのことを知ったのはテレビの情報番組。


山口組の詳しい組織図とともに、長年暴力団相手の刑事として暴力団と対峙してこられた元マル暴刑事がコメンテーターとしてわかりやすく解説されていました。


ちなみに「マル暴」とは暴力団の「暴」の字を○で囲ったことからついた隠語だそうです。


警察モノの小説の中でも飛びきりのヤクザ主体の小説の中でしか見たことのない隠語がその退官された元マル暴刑事の口からバンバン飛び出して・・・迫力のあったこと!


その飛びきりの警察モノのひとつが今日ご紹介する作品です。


黒川博行氏著『悪果』

「癒着、横領、隠蔽、暴力・・・日本の警察の暗部を描き出すノワールの傑作!
大阪今里署のマル暴担当刑事・堀内は淇道会が賭場を開いているという情報を掴み、金曜日深夜、賭場に突入し二十八名を現行犯逮捕する。
堀内は、賭場に参加していた学校経営者を経済誌編集・坂辺を使いゆすり始める…
かつてなくリアルに描かれる捜査の実態と癒着、横領、隠蔽、暴力…
日本警察の真実のなかにあぶりだされる男たちの強烈な光と闇」


警察モノといえばすぐ思い浮かぶのは佐々木譲氏、横山秀夫氏、今野敏氏、堂場瞬一氏、そして本書の著者・黒川博行氏などなど。


警察小説が好きな私は和モノ洋モノを問わず、様々な警察小説を開拓してきましたが、日本の作家の中で佐々木氏や横山氏よりずっと前に黒川氏の作品にのめり込んでいた時期があります。


黒川氏の描く刑事は、上に挙げた佐々木氏や横山氏の描く刑事とは一味違い、一言でいうなら横暴、下品・・・河内に近い大阪弁を駆使しての語り口といい、ふるまいといい、何とも粗野という言葉がぴったりの面々が登場する分、血の通ったほんまもんという感じが伝わってきておもしろい。


しばらくご無沙汰していましたが、最近『悪果』と『繚乱』を立て続けに読んでいたところ、SNSの友人Uさんが『悪果』のレビューをアップしていらっしゃったので思い出して今日のレビューとなりました。


著者・黒川氏はかつて高校の美術教師という経歴。

大のギャンブル好きで、故阿佐田哲也氏の薫陶を受けたり、故藤原伊織氏とはマージャン仲間だったという逸話を読んだことがあります。

1983年『二度のお別れ』で第1回サントリーミステリー大賞佳作
1984年『雨に殺せば』で第2回サントリーミステリー大賞佳作
1986年『キャッツアイころがった』で第4回サントリーミステリー大賞受賞
1988年『河豚の記憶』で第41回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)候補
1992年『封印』で第14回吉川英治文学新人賞候補
1996年『カウント・プラン』で第49回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)受賞&第116回直木三十五賞候補
1997年『疫病神』で第19回吉川英治文学新人賞候補&第117回直木三十五賞候補
1999年『文福茶釜』で第121回直木三十五賞候補
2001年『国境』で第126回直木三十五賞候補
2007年『悪果』で第138回直木三十五賞候補
2014年『破門』で第151回直木三十五賞受賞


直木賞候補になること5回、6回目でやっと受賞を果たされました。


直木賞受賞の報も雀荘で受け、受賞会見で賞金の使い途をたずねられた著者は「マカオに行こうと思ってます」と発言されていました。


ちなみに著者は権力をかさにきて悪知恵を働かせる警察組織が大嫌いだそうです。



さて本書の舞台は大阪、架空の警察署「今里署」。

主人公はノンキャリアのマル暴係巡査部長・堀内。

縦割りの階級組織の中でキャリア組が幅をきかせる警察内で出世を早々と諦めた現場一筋のマル暴刑事のダーティな日常が著者の綿密な取材力と筆力を通して描かれています。


「38にもなっていまだに巡査部長いうのは、よほど試験に向いてないんやね」

「おまえ、殴られたいんか・・・教えといたろ。
警察官は三とおりある。
ごますりの点取り虫と、まじめなだけのボンクラと、ほんまもんの捜査ができる本物(モノホン)の刑事や。
おれは本物のマル暴担やぞ」


優秀なマル暴刑事たる由縁はすなわち優秀なネタ元を抱えているかどうか。

数名のネタ元を手なずけるために必要な経費は、ああそうですか、と署が交際費として計上してくれるわけもなく・・・となると恃みはヤクザ顔負けの非合法な資金調達の腕。

ヤクザまがいのシノギの数々。


本書でもネタ元からの大掛かりな賭博開帳の情報を元に相棒の伊達とともに賭博開帳の現場に踏み込み、一毛打尽に組員及び張り客を一斉捕縛、その張り客のひとりである専修学校の理事長に対して、子飼いの経済誌のオーナーで強請屋の坂辺を使って暴露記事を書かない代わりに雑誌の広告料の名目で金をせしめようと画策するところから事が深みに入り・・・殺人事件へと発展すると同時に堀内は警察手帳をヤクザ風の男らに奪われます。


そこから堀内&伊達コンビの奔走・・・図体のよい、目つきの鋭い2人が大阪のミナミをガンを飛ばしながらガニ股歩きする姿が目に浮かぶよう。

個人的には漫才コンビ「サンドウィッチマン」の伊達と富澤がチラチラ。


特に前半部分はスピード感がなく、倦むほどに冗長でしたが、それを過ぎたあたり、中盤以降のストーリー展開がさすが黒川氏といえるような綿密な筋立てで一挙に終盤へ。


ほんまもんのエンタメ小説です・・・本書で得た裏社会の知識は役には立てませんが、よろしかったらどうぞ!

↑このページのトップヘ