自然淘汰を人為的に行って人類の進歩を促そうという優生発想。
いちばん顕著な例はナチス・ドイツによるユダヤ人大殺戮。
人類の歴史の中で繰り返されるウイルスなど感染症との闘いは人為的でない自然淘汰と一応は言えるでしょう。
が、しかし現政府のやり方を見ていると・・・ついつい人為的な優生思想がちらついてしまう。
連日東京都での感染は600人を超え、全国の感染者数も毎回更新。
分科会長のあの尾身さんですら危機感を以ってGO TOキャンペーンの一時停止を強く提言しているにもかかわらず、政府は方向性をチェンジしないという。
ニコニコ生放送で開口一番
「みなさん、こんにちは。ガースーです」とにこやかに挨拶したという菅首相。
「いつの間にかGoToが悪いことになってきちゃったんですけど、移動では感染しないという提言もいただいていた」と何やら笑いを含んだ顔( ;∀;)
〈為政者〉をつひ〈偽政者〉と読みちがふまぶしき陽の射す活字の中に
ドイツのメルケル首相の渾身の演説との雲泥の差。
現場で命を賭している医療関係者の必死の訴えに対するガースー氏のかくもの構えに怒りを通り越してただ驚くばかり。
そして自国民としてただ恥ずかしい。
穿った見方かもしれないけれど、この際高額な医療費の対象となる高齢者や病気を抱えている生産性のない人々の一掃を通して経済的な安定ができれば、などという深謀遠慮があるのではないかとまで思ってしまう。
二階氏との政治的な軋轢もあるのは想像に難くありませんが、ここはひとつすべてを取り払ってコロナ終息に向けて医療従事者や国民の真摯なお願いに耳を傾けてほしい。
あってはならない命の選別・・・医療崩壊とともに起こりうるというその可能性を誰が一笑に付すことができるでしょうか?
菅さん、機会を失しつづけているとはいえ、潔く方向転換して、さすがという勇気を見せてほしいと願っています。
篠田節子氏著『となりのセレブたち』
「どこが優雅?
だれがゴージャス?
マダムのお茶会、犬のヒモになったオトコ、回春ペット―何でもありのセレブ生活。
となりの小金持ちたちの喜悲交々を笑い飛ばす、痛快短編小説集!」(「BOOK」データベースより)
1999年~2011年にかけて「小説新潮」に連載した5つの中編小説集を一冊にまとめたもの。
◆ドライトマトと思って料理したものを食べて自分の心の奥に潜む真の欲望が叶う夢をみる「トマトマジック」
◆猫嫌いであるヒロインが拒否するも猫を飼い始めた家族を後目に家族からどんどん遠ざかった挙句家族に見放されて猫とともに家を出る羽目になる様子を描いた「蒼猫のいる家」
◆吹き流しという深海の奇妙な生物に若返りや性処理を求めて殺到する男女のを描いた「ヒーラー」
◆老化のため委縮してしまった脳にチップを埋め込み再生をはかるという近未来を描いた「人格再編」
◆借金取りに追われ世捨て人のように山小屋に逃げ狩猟犬と共に暮らす元カメラマンが次第に飼い犬に翻弄されていく姿を描いた「クラウディア」
「となりのセレブたち」というタイトルから連想させるお気軽なセレブたちのゴージャスな暮らしが垣間見える物語かと思いきや、そのほとんどがホラー。
セレブからは遠い距離にいるのでセレブとはどんな日常を過ごしているのだろうか、という物見遊山でつい手に取ってしまった・・・。
社会のひずみなどに題材を置いた最近の著者の作品傾向の続きを期待して手に取った作品でしたが、著者本来の回帰というか、元来はホラー作家であったことを久々に思い出してしまいました。
5篇のどれも内容的には力作ではありますが、自分の好みとしては遠ざけたいような作品ばかりでした。
口コミを検索してみるとかなりの高評価でしたが、元来ホラーやSFは苦手なので読後感はかなり悪かった作品群、もう思い出したくない"(-""-)"
近未来SF小説読みしあと喫茶モナコのレトロに憩ふ