VINのらんどくダイアリー

ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。 響きこし言葉に貼れるさみどりの付箋そよぎて林となりぬ

PVアクセスランキング にほんブログ村

カテゴリ: 小杉健治

「人間は考える葦である」という名言で有名なパスカル。

その名著『パンセ』は今読んでもなかなかおもしろい読み物。

たくさんの人生訓が詰まっています。

人間の不幸などというものは、
どれも人間が部屋にじっとしていられないがために起こる。
部屋でじっとしていればいいのに、そうできない。
そのためにわざわざ自分で不幸を招いている。

まるでコロナ禍での人間の右往左往を言い当てているよう。

政府がついに1228日から111日までの間、全国一斉にGoToトラベル停止を決断しました。

支持率の低下と医療関係者や国民からの突き上げに抗しきれなかったのかな?

GoTOが感染上昇のすべてではないのは承知しているけれど、ロックダウンを表明したメルケル首相のように真摯に国民に対峙する姿勢が見えないのが遠因のような。

この決定も菅首相はまるで官僚の用意した原稿をそのまま読まれていて、とても迫っている危機に関して国民に訴えかけるような姿勢はみられず残念だった。。。

一昨日の11日、衆参両院の予算委員会で政府が「GoToトラベル」に3119億円の追加支出を閣議決定、
予備費で執行するという。

野党が感染拡大で疲弊している医療機関などへの支援策の方を優先すべきと見直しを求めたものの、
既に
3兆円を支出したことを踏まえて「十分支出している」と突っぱねたそうですが、
実際に医療機関に届いているのは6千億円と聞いています。

日に日に圧し掛かってくる超過労働とそれに見合わない賃金、
ボーナスなどの一時金も出ないという医療関係者の声も聞こえてきます。

このGoToトラベル一斉停止でそれぞれの業界への支援金を
いま練っているようですけど、どうなるか?

ニュースを観るたびに付け焼刃のような政府の対応への失望が積み上がっていきます。

家族 小杉 双葉文庫

さて今回は
小杉健治氏著『家族』のご紹介です。 

ホームレスの男が盗み目的で住宅に侵入し、認知症の老女を殺害したとして逮捕された。
男はこの事実を認め、裁判員制度での裁判がはじまった。
裁判員のひとり谷口みな子は、自身の経験から、この事件を老女の息子の依頼による殺人ではないかと疑っていた…。
大いなる家族愛を描く、感動の法廷ミステリー(「BOOK」データベースより)

2009年5月から始まった我が国の裁判員制度

裁判員制度が始まってもう11年。

誰もが裁判員になる可能性があるとは思いますが、
未だ他人事のように思っている自分にとっては勉強になる内容でした。

本書はこの裁判員の何人かに光を当て、同時に事件の加害者や被害者家族の心情を丁寧に描くことで、社会的な問題点である認知症やそれを介護する家族、そして人生のちょっとした躓きから家族を捨てホームレスになった男の悲哀などを浮き彫りにして秀作でした。

アメリカ映画史に残る名作として名高い『十二人の怒れる男』の
ヘンリー・フォンダを彷彿とさせるような一人の裁判員を核に
被告の過去に光を当て真実に迫っていく様子は
興味深いものがありましたが、
一介の裁判員がそこまで踏み込むのはありなのかとか、加害者が捨てた子どもたちの加害者に対する心情に違和感は残りました。

 
感動ものにする著者の手法がちょっと透けてみえたのも事実。

しかしあえて「家族」としたタイトルの意図がしっかり組み込まれた作品。

胸に染みました。


c00e5aed.jpg

細々と続けている水彩画。


熱心から程遠い生徒ですが、講師のお人柄がよくて何とか続けているというのが現状。



他の生徒さんたちはみんな熱心・・・私に比べれば。



先日は人物画だったのでそれぞれ好みのアングルにイーゼルをたててデッサンしました。


ラフに描いてバランスを講師に見てもらい、その後細かいところに焦点を絞ることを繰り返して2時間、彩色まで手が届かず、色塗りは帰ってからしました。



10分ポーズをとっては5分休みを繰り返すのですが、講師のママ友である素人のモデルさんにとっては大変だったろうなと想像します。


これは一週目に横顔のアングルで仕上げたもの。



二週目には対面で全体像をスケッチしていますが、まだ彩色していません。



下の絵は余暇に描いた14歳アスカの絵。



次男の結婚式の後のホテルのロビーで撮った写真から。


どちらも苦手な背景をいい加減に塗りつぶしただけの手慰み・・・笑ってください。





さて今回は感動作ということでしずかなブームを呼んでいるという作品。


小杉健治氏著『父からの手紙』 



「家族を捨て、阿久津伸吉は失踪した。
しかし、残された子供、麻美子と伸吾の元には、誕生日ごとに父からの手紙が届いた。
十年が経ち、結婚を控えた麻美子を不幸が襲う。
婚約者が死体で発見され、弟が容疑者として逮捕されたのだ。
姉弟の直面した危機に、隠された父の驚くべき真実が明かされてゆく。
完璧なミステリー仕立ての中に、人と人との強い絆を描く感動作」


氏の作品を調べてみると 『父と子の旅路』 『絆』を十年以上前にアップしていました。


『父と子の旅路』のレビューでも記していましたが、家族&事件を盛り込んで、父の子に対する深い愛情を描いた感動的なヒューマンサスペンスという小杉作品のテーマは本書でも健在です。


本書では2人の主人公・阿久津麻美子と秋山圭一の異なった2つのストーリーが交互に展開するため、中盤までは相互関係がまったくわからず興味を喚起するのに苦労しました。


ただ「涙なくしては読めない」というキャッチコピーに引っ張られて読んでいましたが、2人のそれぞれの経緯からお互いの接点までの過程が息切れしそうなくらい長い・・・。


やっと2人の現在が交差したかと思うや、ラストがこれまた短くて、著者が大急ぎで仕舞った感が強い作品でした。


が、しかしラストで不覚にも泣いてしまいました。

単純な私。


泣きはしましたが、阿久津麻美子の父の取った行動には納得できない・・・

これがその時点での最良の選択だったのか、という疑問・・・


家族に定かな理由も述べず、失踪という形で家族の前から姿を消した父、加えてその行動を美化するような毎年の手紙、一見美談と見紛うような行動が果たして残された家族のためになったのか。


こういった本筋の違和感だけでなく、ストーリー展開の途上で起こった殺人事件も必然性があるように思えず。


もう一人の主人公・秋山圭一が人生を犠牲にしてまで犯した殺人の必然性も釈然としない・・・なんだかストーリー自体が現実性が希薄だったところが残念でした。

↑このページのトップヘ