VINのらんどくダイアリー

ご訪問ありがとうございます。 「一日一生」を銘にさまざまな人生を読書というツールを通して味わっていきたいと思っています。 響きこし言葉に貼れるさみどりの付箋そよぎて林となりぬ

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カテゴリ: 内館牧子

満月今夜のビーバームーン

闇の中にうごめく無数の言葉たち信じたときだけ光る幾ひら


 

たかが言葉

されど言葉

 

今までの人生の経験を以って感じること・・・

 

言葉とは一筋縄ではいかない、やっかいなものである

 

何気なく言った一言が相手を深く傷つけたり、反対に知らぬ間に相手を救っていたり。

 

やっかいというのは発した言葉を受け取る相手の人となりによっても幾重にも受け取り方が変わってくるから。

 

時には思い切り相手を傷つけようと意図して放つ言葉もあって。

 

わたしも受けたことがあります。

 

それでも思ったほどには相手に打撃を与えなかったことで逆にこんなはずではなかったと思ったり、という経験のある人もいるでしょう。

 

小心者で諍いを避けたいわたしは相手の一部でも存在を否定していると思われかねない言葉はなるべく控えるというのを常にしていて・・・その分、そんな積もった言葉で満腹になることもしばしば。

 

上述のことはほとんど夫に特化していることなんですけど。

 

良くも悪くも2人家族の相棒である夫とは平穏に暮らしたい(いったんゴネたらたいへん)・・・これを唯一の目標として言いたいこと満杯のファイルを胸内にしまって暴れないよう宥めながら日々平和に過ごしている日々です、はい。

 

 

これからご紹介する作品は焦点を男性に特化していて共感山盛りの内容のもの。

 

 

男の不作法

内館牧子氏著『男の不作法』
 

本人はごく普通に取った行動が、他人を不愉快な気持ちにさせることがある。
上司の前では低姿勢だが部下には横柄な男、忖度し過ぎて自分の意見をはっきりと言わない男、もはや自分の時代ではないのに後進に道を譲らない男など。それらは本人の価値を大きく下げる行為で、いつしか取り返しのつかない事態を招く。
本書で紹介するのは、著者の経験や、多くの男女から聞き集めた不作法譚をもとに、知らないと致命傷になる男性ならではの不作法の数々(「BOOK」データベースより)

 


出発地点では脚本家だった著者も今では押しも押されもしない作家として活躍していらっしゃいます。

 

近年立て続けに刊行された『すぐ死ぬんだから』や『終わった人』が相次いで映像化したことでも話題を呼びました。

 

女性初の横綱審議委員会の委員を10年ほどされたことでも注目されましたね。

 

 

さて本書について

男限定の不作法・・・著者によって列挙された不作法項目30。

それぞれ十代後半から七十代前半の老若男女に聞き取り集めたデータを元にしているという。

ジェンダーフリーの世の中になりつつある昨今、女にも当てはまると思える項目も多々あります。

ランダムに挙げてみると・・・

「上に弱く下に強い」
「過剰に自慢話をする」「薀蓄を傾ける」「自慢話をする」
「マザコンを隠さない」「下ネタを言う」「時間を守らない」「妻や恋人以外の女性をほめる」
「自慢話をする」
 食べ方のマナーが悪い」「『まずい』のタイミングをくめない」
「カッチリと割り勘にする」
「場の空気を読めない」などなど。

それぞれの項目別にみれば共感大のものもあれば、ほとんど気にならないようなものや、これが不作法といえるのか、しかも男特化の、と思える項目もあり、読み手にとってもさまざまな感想を持ったと思いますが、著者の性格を反映してか、内容的にサバサバとしていて時には小気味いい一刀両断的な切り捨て項目もあり痛快な内容。

いずれにしても夫のことではないか、と思えるものもあり、はたまた私自身のことではないかと耳が痛い項目もあり、心せねばと反省することもしばしば。

 

同時発売で『女の不作法』も刊行されたそうなので、機会あればこれも読んでみよう。

アメリカンフットボールの定期戦での日大選手による悪質タックルで関西学院大QB選手が負傷した問題がこのところ大きな波紋を広げていますね。


試合開始直後、投げたパスが通らず空を仰ぐ青いユニフォームの関学QBに赤いユニフォームの日大選手が背後から全力疾走で迫り、プレーが終わりすっかり気を緩めていた関学QBの背中に猛烈なタックルを見舞って、不意をつかれた関学QBが激しく仰け反り、頭は激しく地面に打ち付けられたというもの。


このところ連日映像で流されているので私も少し詳しくなりました。



アメフトではプレーが終わった後の無防備な選手へのタックルは禁止されているそうです。


「アメフトでは」というよりすべてのスポーツでもそれはだめでしょう。


相撲でも白鳳の勝負がついたあとの対戦相手へのダメ押しが話題になったりしていますが・・・



騒動のあとかなりの日数の経過後、被害選手やその保護者、関学大関係者に直接謝罪に行ったあと辞任を表明した日大・内田正人監督。


会見を見ていましたが謝罪の場にふさわしくないピンクのネクタイ。


謝罪相手の関西学院大学を「かんさいがくいん」というに及んではちょっと呆れました。


しかも反則が自身の指示によるものかという騒動の核心には言葉を濁したまま、監督は辞めても日大の理事を辞任するということに言及はありませんでした。



アメフトといえば・・・

社会人アメフトチームの中で5つの強豪に上がる〈パナソニックインパルス〉。


社会人日本一を7回達成、ライスボウルでも4回優勝しているという〈インパルス〉ですが、夫がその昔、チームメンバーの所属する職場の長についていたことがあります。


多くの社会人チームは練習以外は仕事の軽重はあるものの、一般サラリーマンと変わらず会社の一員として働いているそうで・・・。


その頃、2度ほど夫について〈インパルス〉の試合を見に行ったことがありますが、ルールが難しくて観戦し辛かったという記憶があります。


あの選手たちはその後どうしているのか・・・この騒動ではるか昔の一コマを思い出しました。






内館牧子氏著『終わった人』

「大手銀行の出世コースから子会社に出向、転籍させられそのまま定年を迎えた田代壮介。
仕事一筋だった彼は途方に暮れた。
妻は夫との旅行などに乗り気ではない。
「まだ俺は成仏していない。どんな仕事でもいいから働きたい」と職探しをするが、取り立てて特技もない定年後の男に職などそうない。
生き甲斐を求め、居場所を探して、惑い、あがき続ける男に再生の時は訪れるのか?ある人物との出会いが、彼の運命の歯車を回す―」


今評判の作品。
来月、舘ひろし&黒木瞳主演で映画化もされるようです。


運よく図書館の新刊棚にてゲット。


「定年って生前葬だな」という主人公・壮介の心のつぶやきから始まる本書。


東大法学部卒と同時に大手都市銀行に勤め、役員への昇進が目の前というところで出世レースから外され子会社に出向させられて、親会社である銀行へ返り咲きすることもなく定年を迎えた壮介。


仕事一筋だった壮介の本格的な悲劇がここから始まります。


恃みにしていた妻はとっくに自立、将来に備えて美容師の資格を取り美容院に勤務、将来的に店を持つ準備に余念がない生き生きとした妻。



人生100年というこの長寿時代、定年後の人生の長さに思いを馳せることなく、現役時代、家庭を顧みることもせずただ仕事一筋を貫いた結果、途方に暮れる男。


他人事ではなくあちらでもこちらでも・・・息子たち世代まで下ればその予備軍はあふれるばかり。



かくいう夫も長きにわたりサラリーマンとしての人生を過ごし、現在残生の途上にいます。


唯一救われているのは若い頃から囲碁や音楽鑑賞、絵画鑑賞という趣味を持っていたこと。



父親の影響で学生時代から兄弟と楽しみ、壮年時代に同じく囲碁好きの上司に恵まれたのを機に、通勤の行き帰りに勉強して次々段位を取ったりしたのが現在の生活の大いなる助けになっています。



人と群れるのが嫌いな夫ですが、囲碁に関しては囲碁クラブなどで同好の人々と打つ楽しみが単調な生活のアクセントになっているようです。



話を戻して・・・

出世コースから外れたとはいえ、高学歴、大手銀行勤務というプライドを潔く捨てられない壮介の足掻きが、団塊の世代の今日的な問題と相まって手に取るようにわかってブラックユーモア的なおもしろさを醸し出しています。


スタートラインで躓いた壮介ですが、勇気を振り絞って通ったジムで思わぬ出会いがあり、最初はくすんだ壮介の未来に一条の光が射し込んだと思ったのも束の間、一挙に暗転へと物語が展開。


この後の展開はぜひ本書で。


豊かな老後とは?


お金だけではないけれどお金も見逃せない条件のひとつ、没頭できる趣味があって、そしてほどほどの健康と取り囲む家族もそこそこ安定していて・・・次々加えていくと、条件がどんどん狭められるようですが、少なくとも自分の心身の健康を維持すること、あとは付け足し付け足しで歩んでいけば余生もきらきらとはいかないまでも鈍色に輝くのではないでしょうか、私個人の願望ですが。

冬の間枯枝となっていた山椒の木からあっという間に若葉が噴出すように芽吹きました。

あたかも筍シーズンに間に合わせるように。


3月から4月にかけて木の芽や虫たちが長い冬を終えやっと動き始める時期といわれる「木の芽時」。

祖母や母からこの時期は心身ともにバランスを崩しやすいので用心といわれていましたが、若い頃はもろともしなかった気温の変化に体調を崩しがちになるというのがよくわかる年齢になりました。


山椒の葉は筍の木の芽和えなどに重宝していますが、特に山椒の葉の佃煮が大好きな私は、まるで青虫が丸裸に食べ尽くしたようにほとんどの葉を摘んで、年に一度だけの贅沢を味わっています。

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ボール一杯葉を摘み尽くしてもほんの一握りしかできない山椒の葉の佃煮、今回は量を増やすためにちりめんとかつおぶしをたくさん入れて・・・

炊きたてご飯に乗っけて春を満喫しています。





さて今日は内館牧子氏著『言わなかった言わなかった』をご紹介します。 


「横綱・朝青龍の起こした事件に対し、女性初の横綱審議委員として真っ向から対決! !
『横審の魔女』とまで呼ばれ、横綱へ「もう自ら引退せよ」と迫ったその言葉の真意には、日本の伝統文化への揺るがぬ愛情があった――。
決して��言わなかった�∞�聞かなかった�≠カゃ許されない。
日本人の背筋を正す、怖くて優しい本音の言葉。
痛快エッセイ五十編」


著者について
1948年秋田県生まれ
武蔵野美術大学卒業後、三菱重工に勤務後脚本家となる
東北大学大学院修士課程修了
1993年第一回橋田賞
2011年モンテカルロ・テレビ祭で三冠を受賞
2000年より女性初の横綱審議委員会審議委員に就任し、2010年に任期満了により退任
2011年4月東日本大震災復興構想会議委員に就任
他の著書に『終わった人』など


2006年~2007年にかけて「週刊朝日」に連載されたエッセイ「暖簾にひじ鉄」を一冊にまとめたのが本書です。
今ドラマ化で話題の『終わった人』が読みたくて図書館で検索しましたが貸出中ということで、代わりに本書を借りてきました。


シリーズの一環で、『見なかった 見なかった』と『聞かなかった 聞かなかった』の間に刊行されたようです。


2000年より女性初の横綱審議委員会審議委員として十年間を活動されていた著者だけにその当時話題沸騰だった朝青龍の諸々について言及されたエッセイがかなりを占めていましたが、他の何気ない日常で感じた違和感など、共感部分もたくさんあっておもしろく読了。


特に大いにうなずいたのは多くの病院で取り入れている「患者様」という丁寧語。


慇懃無礼という言葉がありますが、この「様」には私たち患者に対する敬意とか尊敬などというものはまったく感じられず、逆に商売の一環としての商品としての私たちをうわべだけでも持ち上げるという意図さえ感じられて不快に思っていましたが、著者の指摘もその通りで大いに溜飲が下がりました。


モンゴルからきて努力を重ね、非常に強い魅力的な横綱になった。
私は横綱審議委員として、まだ下位の時代から朝青龍の努力を見てきた。
日本人力士にはなかなか見られないハングリー精神をギラギラさせていた。
当然、番付はどんどん上がり、ついに横綱にのぼりつめた。が、増長した。わがまま放題、やりたい放題、ケンカもあり、サボリもあり、格下の力士を稽古中にケガさせるのもあり、何でもござれの横綱になってしまった。
中でも私が一番許せなかったのは、日本を、相撲を、相撲協会を舐めていることだった。
舐めていればこそ、平気で何でもやれるのだ。
彼は「外国(つまり日本)の伝統文化で禄を食む」ことをしながら、その外国に対し、その伝統文化に対し、それに関わる人たちに対し、何らの敬意も払わず、「上から目線」で舐めるという不遜な態度を取り続けた・・・
私は我慢しきれず、朝青龍の言動に物言いをつけた・・・
結果、「朝青龍vs内館」としてさんざんメディアで取りあげられた・・・


上の文はあとがきに書かれていた朝青龍問題に対峙したときの著者の姿勢についてでしたが、これを通して、今現在相撲協会で起こっている多種多様の問題への感想もぜひ聞いてみたいと思えました。


朝青龍問題について直球を投げる著者は結果的に孤立した中、相撲協会の上層部の人々の言動に「言質をとられないように、責任を一手に負わなくていいようにとする気持ちを感じ」て義憤やる方なさを味わったようですが、いまたけなわの政府首脳部と官僚のやり取りなど、すべてに通じる言葉ではないでしょうか。


著者の「今」の世相批判エッセイも読んでみたいと思っています。

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