
闇の中にうごめく無数の言葉たち信じたときだけ光る幾ひら
たかが言葉
されど言葉
今までの人生の経験を以って感じること・・・
言葉とは一筋縄ではいかない、やっかいなものである
何気なく言った一言が相手を深く傷つけたり、反対に知らぬ間に相手を救っていたり。
やっかいというのは発した言葉を受け取る相手の人となりによっても幾重にも受け取り方が変わってくるから。
時には思い切り相手を傷つけようと意図して放つ言葉もあって。
わたしも受けたことがあります。
それでも思ったほどには相手に打撃を与えなかったことで逆にこんなはずではなかったと思ったり、という経験のある人もいるでしょう。
小心者で諍いを避けたいわたしは相手の一部でも存在を否定していると思われかねない言葉はなるべく控えるというのを常にしていて・・・その分、そんな積もった言葉で満腹になることもしばしば。
上述のことはほとんど夫に特化していることなんですけど。
良くも悪くも2人家族の相棒である夫とは平穏に暮らしたい(いったんゴネたらたいへん)・・・これを唯一の目標として言いたいこと満杯のファイルを胸内にしまって暴れないよう宥めながら日々平和に過ごしている日々です、はい。
これからご紹介する作品は焦点を男性に特化していて共感山盛りの内容のもの。
内館牧子氏著『男の不作法』
「本人はごく普通に取った行動が、他人を不愉快な気持ちにさせることがある。
上司の前では低姿勢だが部下には横柄な男、忖度し過ぎて自分の意見をはっきりと言わない男、もはや自分の時代ではないのに後進に道を譲らない男など。それらは本人の価値を大きく下げる行為で、いつしか取り返しのつかない事態を招く。
本書で紹介するのは、著者の経験や、多くの男女から聞き集めた不作法譚をもとに、知らないと致命傷になる男性ならではの不作法の数々」(「BOOK」データベースより)
出発地点では脚本家だった著者も今では押しも押されもしない作家として活躍していらっしゃいます。
近年立て続けに刊行された『すぐ死ぬんだから』や『終わった人』が相次いで映像化したことでも話題を呼びました。
女性初の横綱審議委員会の委員を10年ほどされたことでも注目されましたね。
さて本書について
男限定の不作法・・・著者によって列挙された不作法項目30。
それぞれ十代後半から七十代前半の老若男女に聞き取り集めたデータを元にしているという。
ジェンダーフリーの世の中になりつつある昨今、女にも当てはまると思える項目も多々あります。
ランダムに挙げてみると・・・
「上に弱く下に強い」「過剰に自慢話をする」「薀蓄を傾ける」「自慢話をする」
「マザコンを隠さない」「下ネタを言う」「時間を守らない」「妻や恋人以外の女性をほめる」
「自慢話をする」 食べ方のマナーが悪い」「『まずい』のタイミングをくめない」
「カッチリと割り勘にする」「場の空気を読めない」などなど。
それぞれの項目別にみれば共感大のものもあれば、ほとんど気にならないようなものや、これが不作法といえるのか、しかも男特化の、と思える項目もあり、読み手にとってもさまざまな感想を持ったと思いますが、著者の性格を反映してか、内容的にサバサバとしていて時には小気味いい一刀両断的な切り捨て項目もあり痛快な内容。
いずれにしても夫のことではないか、と思えるものもあり、はたまた私自身のことではないかと耳が痛い項目もあり、心せねばと反省することもしばしば。
同時発売で『女の不作法』も刊行されたそうなので、機会あればこれも読んでみよう。